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根も葉も実もある話 (くだものの実と葉の話)

 くだものの花も咲き終わり小さな果実が目につく季節になりました。これから果実はより大きくなりやがて成熟して収穫できるようになるのですが、その養分はどこからまかなうのでしょうか?

 みなさんもご存じのとおり、植物は根から水と肥料を吸収し、その水と二酸化炭素から光のエネルギ-を利用して、デンプン(ブドウ糖)と酸素を生産する光合成を行って養分を得るわけです。その時光合成を行う場所(工場)が葉です。

 では、大きくておいしい果実を収穫するために葉はどのくらい必要なのでしょうか?果実と葉の関係として「葉果比」という考え方があります。「葉果比」とは1果実当たりの葉の必要枚数を表したものです。作型や品種及び房の作り方(ブドウ)等により違いはありますが、一般にカキの場合は渋ガキで15~18枚、甘ガキで18~20枚、ブドウの「デラウェア」で1房あたり9~10枚、「巨峰」等で同15~20枚程度必要です。ですから、たくさんの花や果実が着くと、生産者はカキ等では摘蕾や摘果、ブドウでは整房や摘粒及び摘房という作業を行って、葉果比を調整します。

 また、葉果比をいくら合わせても、ブドウなど棚で栽培するものは葉がたくさん重なってしまうと、下部の葉は光がほとんど当たらず働かなくなってしまいます。葉の重なり具合を表わすのに「葉面積指数」というものがあり、ブドウの場合一般的には2~3(葉が2~3枚程度平均して重なっている状態)くらいが最適といわれています。ですから生産者は、生育期にこの程度の状態になるのを予想して冬場にせん定を行い、発芽した後は芽かきや今年伸びた枝の先を摘んだり、枝を間引いたりする作業を行って調整するわけです。

 このように葉と果実の間には密接な関係があり、大きくておいしい果実作りのために葉は重要な働きをしているのです。
「刀根早生」の実と葉 「デラウェア」の実と葉
2003.6
奈良県農業技術センター 果樹振興センタ- 主任研究員 脇坂 勝