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パッションフルーツについて

 寒さもどんどん厳しくなってきていますが、今回は年中暖かい熱帯地方の果物「パッションフルーツ」のお話です。パッションフルーツはつる性の多年生木本植物で、ブラジル南部の亜熱帯地方が原産とされています。和名は「クダモノトケイソウ」といい、日本で観賞用として栽培されている時計草の仲間になります。果実中に含まれる黄白色のゼリー状の果肉はビタミン豊富で濃厚な甘味と酸味を持つため、ジュース、カクテル、ジャムなどの加工の原料として利用されています。日本でも、沖縄や鹿児島などの暖かい地方では経済栽培されています。

 ここまで読むと、冬の気温が低い地方では栽培が難しいように思われますが、パッションフルーツは熱帯果樹の中では寒さに強く、霜が降りない場所ならば栽培可能な植物です。種類は果皮の色によって黄色種と紫色種の2つに分けられますが、紫色種のほうがより低温に強く、さらに受粉樹も不要なので一般家庭での栽培ではこちらをお勧めします。栽培方法は春から夏の生育期にかけては水分を多めに与え、肥料は月に1度の間隔で与えます。秋になり最低気温が15℃以下になれば生育が止まるので、水分を控えめにして、肥料を止めてください。さらに、鉢植えにして屋内に取り込めば、低温による枯死を防ぐことができます。繁殖方法は実生、挿し木で容易にふやすことができます。
パッションフルーツは気温20~30℃で蕾をつける性質を持っており、日本では5~6月と9~10月が開花時期となります。亜熱帯地方の山地では常に気温が25℃前後のため、年中開花、結実するそうです。気温がそれより低ければ生育が抑制され、高ければ花芽ができないので注意が必要です。受粉が正常におこなわれれば、開花70日後には果実も熟して収穫できます。

 これから春にかけて苗を用意できれば、夏には果実を楽しむことも可能です。つる性植物なのでフェンスに絡めたり、棚仕立てにしてもおしゃれです。栽培も簡単なので、今年から挑戦してみてはどうでしょう。
2004.1
奈良県果樹振興センター 技師 植木勧嗣