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果物の促成栽培

かなり春めいてきましたが、寒い日もまだまだあります。ところで、カキの産地である西吉野村ではカキの開花が終わったところです。もちろん、これはハウス栽培のカキの話ですが。

 現在、いろいろな果樹がハウス栽培され、露地栽培では食べられなかった時期に果実を見かけるようになりました。季節感が無くなったとお嘆きの方もいらっしゃると思いますが、急がず果実品質を確認して収穫すれば、より美味しい果実に生まれ変わります。本県でも、県内の生産者の作ったハウスブドウを四月に食べることができますし、ハウス柿も7月上旬から食べることができます。

 このような果樹のハウス栽培で、一番有名なのはやはり「ハウスミカン」でしょう。甘味が強くて中の皮も薄く美味しいというのは、皆様の知るところです。このように、多くのの果樹をハウス栽培すると果実の品質は向上します。その理由として、収穫までの積算温度が高いことや土壌水分のコントロールがしやすいということが考えられます。カキは「刀根早生」という品種がハウス栽培されており、露地栽培だと糖度一二~一三度ですが、ハウス栽培すると一五度以上の美味しい果実に変身します。

 このようなハウス栽培にも問題があります。まず、施設費や暖房費など生産コストが高くなり、その結果として販売価格が高くなってしまいます。また、露地栽培では見られない温度管理や潅水等の栽培管理等の新たな問題が発生します。奈良県果樹振興センターではこれらの問題を解決するため様々な研究をしています。美味しい果実が手頃な価格で生産者から消費者へ届いて、みんなが幸せになりますように!
2004.2
奈良県農業技術センター 果樹振興センター 
総括研究員 今川順一