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やってみよう果樹の鉢栽培

 家庭で育てる果樹は収穫の喜びだけでなく、花や緑など庭木として四季を楽しませてくれます。また、草花や野菜とは異なって、通年の管理が必要で、剪定などの独特な作業もあります。これは、果樹栽培の魅力の一つですし、園芸に興味を持っている方なら一度は果物作りに挑戦してもらいたいものです。しかし、「果樹は大きくなるし、広い場所がないと栽培ができないのではないか?」と思っている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、小さな庭やベランダでも、草花や野菜を育てるように果物を作ることが出来る、鉢栽培についてご紹介します。
 さて、皆さんはなぜ盆栽が長い間、小さな樹形を保てるかご存知ですか。鉢で栽培すると、根が伸びる空間が制限されます。これが太い根を少なくし、樹を大きくならないようにするのです。果樹の鉢栽培も盆栽と同じ原理です。樹が小さいと果実がならないと思うかもしれませんが、ほとんどの果樹は8~10号(直径24~30cm)程度の鉢があれば、ちゃんと果実もなります。鉢ならば場所も取らないし、移動も簡単なので、台風や寒さが厳しい時はすぐに室内に取り込むこともできます。また、鉢の大きさに比例して樹は大きくなるので、お好みの鉢で様々な樹形を楽しむことも出来ます。庭植えに比べると、収穫量が少ないという問題点もありますが、鉢の中では、太い根が少ないかわりに細い根がたくさん発生するので、栄養分がしっかり吸収でき、鉢植え特有の甘い果実を作ることもできます。
鉢栽培で最も注意が必要なのは水やりと肥料です。根の生長が制限されているので、これらを怠ると実や葉が落ちるだけでなく、樹そのものが枯れてしまいます。水やりは鉢土が乾かないようにこまめにおこない、肥料は春から秋にかけて、少量の肥料を数回に分けて与えることで元気な樹とおいしい実を作ることができます。
 もし初めて果樹に挑戦するならば、樹が小さくて鉢植えにしやすいブルーベリーやラズベリー、そして、育てやすいイチジクや柑橘類がおすすめです。植えつけは根の生長が止まる11月から3月が適期です。果樹は管理が難しいと不安になる人も多いと思いますが、樹が小さいと管理もしやすく、剪定作業なども盆栽感覚で楽しむことが出来るでしょう。自分で作った果実はきっとおいしいはずです。近頃では、ホームセンターなどで果樹の苗木も販売されています。これを機会に鉢栽培に挑戦してみて、自分だけの果樹園を作ってみてはいかがでしょうか。

果樹の鉢栽培

2004年9月 
果樹振興センター 特産開発チーム 技師 植木 勧嗣