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リンゴのルーツ

 日本に古くからあるリンゴは、中国などから渡来したものと考えられていますが、鎌倉時代には我が国の書物に林檎が出てきます。明治以降、アメリカなどから西洋リンゴが導入されてからは、在来のリンゴはワリンゴまたはジリンゴと呼ばれています。
 現在、皆さんが食べている西洋リンゴは明治のはじめにアメリカやフランスから導入されました。ただ、フランスから来たリンゴは雨の多い我が国ではうまく育たず、アメリカのリンゴが定着しました。これはブドウと同様の経緯をたどっています。
 導入されたリンゴは北海道、青森県、岩手県などで栽培され、もとの品種名はあるのですが、洋名で煩雑なために各地で俗称がつけられ、一時期、同じ品種にたくさんの名前が付いていました。明治28年に会議がもたれ、品種名(和名)が統一されます。国光(ロールスゼネット)、紅玉(ジョナサン)、祝(アメリカンパーメイン)、旭(マッキントッシュレッド)など年配の方には懐かしい名前ですが、何れも北アメリカが原産で、日本でたくさん作られました。( )内が原名です。
 我が国では、昭和のはじめよりこれらの導入された西洋リンゴを育種素材として品種改良が進められてきました。陸奥、つがる(青森県りんご試験場)、ふじ(農林省園芸試験場東北支場)、千秋(秋田県果樹試験場)、王林、アルプスおとめ(民間育成)など、世界に誇るすばらしい品種が産まれています。国光、紅玉が長く作られたためリンゴの人気が落ちてきて低迷期に入りましたが、つがる、ふじの出現とともにリンゴ産業が盛り返しました。中でもふじは果肉が硬いが果汁は多く、甘味が強く食味がたいへん優れ、貯蔵性も良いことから、リンゴの栽培面積の50%を占めるまでに至っています。海外でも広く栽培され、世界の代表品種にもなっています。
 冬は全般に果物の少ない季節ですが、柑橘類とともに貯蔵リンゴが果物供給源となって皆様の食卓を賑わしていることでしょう。  

ふじ発祥の地(青森県藤崎市)にて
2005年1月
農業技術センター
専門技術員 岡本一宏