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お茶は百薬の長

 お茶は2000年以上も前から中国で飲まれ、現在と違い主に薬として利用されていました。お茶は数多くの保健成分を含み、古くから体によいことはよく知られていました。最近、これを科学的に証明する研究がおこなわれ、数多くの効能が解明されました。

  まず茶の抗がん作用です。緑茶の産地ではがんの死亡率が低いという報告もあります。お茶に含まれています渋味の成分のカテキン類(タンニン)が消化器系の発がんを抑制し、乳がんや皮膚がんなどの予防効果もあることが動物実験で確かめられています。さらにお茶にたくさんふくまれているβ-カロチン、ビタミン類も発ガン抑制効果のあることが報告されています。

 また、成人病に多い動脈硬化の予防に効果があります。動脈硬化は体内のコレステロールのアンバランス(悪いコレステロールが増加)によるといわれています。茶カテキンの主成分のエピガロカテキンガレートによりこの悪いコレステロールを減少できることが動物実験でわかっています。つまりコレステロールの吸収を妨げ、排泄を促進すると考えられ、悪いコレステロールのみを減少させるそうです。さらに動脈硬化で血管がつまらないようにする作用も実験で確かめられています。なお、脳卒中の入院経験についての調査事例で、お茶を毎日たくさん飲む人ほど入院経験が少ないこと、脳卒中死が少ないという調査結果もあります。

 つぎに糖尿病を予防する効果も報告されています。お茶に含まれているカテキンは、アミラーゼという消化酵素の働きを抑えることが確かめられ、マウスにカテキンを食べさせた実験では、ブドウ糖を食べさせても血液中の血糖はあがらず、血糖値が下がることがわかりました。その他、お茶は虫歯の予防、抗菌作用、消臭作用等の効能もわかっています。 このように、毎日口にする一杯のお茶には健康を保つ多くの効能があり、茶への関心が高まっています。最近、茶やカテキン研究への強い関心が寄せられています。このすばらしい飲み物を見直してはどうでしょうか。


1999年4月

奈良県農業試験場 技術調整班  専門技術員 中川清裕