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自家製のドクダミ茶をどうぞ

 ドクダミは北海道から沖縄まで、全国いたるところに見られる多年草で、三千年の昔から利用されてきました。生育するところは、山や野原、空き地、道ばたなど、湿り気の多いところに、ごく普通に見られます。地下の根茎は横走りし、次から次へと繁殖するので、農家などでは畑の雑草としてきらわれるほどです。

 江戸時代になると本草学が盛んになり、その効果が知られるようになりました。ドクダミは、貝原益軒のあらわした「大和本草」に「十種の薬の効能があるので、十薬という」とあることから「ジュウヤク」といわれるようになりましたが、正式名のジュウヤクより俗称のドクダミ(毒矯み)ドクダメ(毒溜め)が一般的になり、今日にいたっています。

 現在、ドクダミは、厚生省の医薬品の規格書「日本薬局方」にはジュウヤク(十薬)と記載されていますが、その薬効は、いまでは十種にとどまらず、数多くの有効性が証明されています。

 ドクダミには特有のにおいがあり、地方によっては犬の屁など呼ばれ、敬遠されがちです。中国ではドクダミのことを魚醒草といいます。これはドクダミのにおいを生ぐさい臭気と感じて、そうネーミングしたのでしょう。このにおいの主成分は、デカノイルアセトアルデヒドという物質で、食中毒の原因であるブドウ球菌や、カビの仲間の糸状菌の活動を押さえる制菌効果がかなりあります。ところが、乾燥させるとこの物質は分解し、においがなくなるとともに、制菌力もなくなります。しかし、乾燥させた葉や、花穂には毒くだしに役立つ成分、血圧を正常化する働きや毛細血管を強化する成分が含まれ、動脈硬化や脳卒中などの予防に役立ちます。

 栽培は簡単で、子苗を2、3株堀取り、プランターや大きめの鉢に植え付けます。栽培場所は半日陰に置き、乾きすぎないようにかん水に注意します。また、3、4年に一度、春か秋に新しい土に植えかえます。プランターや鉢に植えると、ほかの山野草にくらべても見おとりせず、6月ごろには白い可憐な花を楽しむことができます。

 庭に植えるときは、木の下など半日陰になるところか、ひなたでも湿り気が保てる場所を選び、深さ10cmで20cm程度の間隔に植えます。収穫は7月中下旬が良いでしょう。収穫した葉や花穂は日陰で乾燥させ、仕上げに晴天下で干した後、紙の袋などで保存し、必要に応じ利用します。

 自家製の「ドクダミのお茶」が一年じゅう飲めるというのも楽しいものです。庭の片隅にでも植えてみてはいかがでしょうか。

2000年7月
奈良県農業技術センター 専門技術員 川岡信吾