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お茶の化学

 お茶の木はツバキ科に属する常緑の植物で、人間がお茶を飲むようになったのは中国の三国時代にさかのぼると云われています。
ふだん何気なく飲んでいるお茶も近年内溶成分が見直され、健康食品の一つに数えられています。その昔、「薬草」として日本へ入ってきたことを考えれば当然のことかも知れません。
今回は緑茶に含まれている代表的な「保健機能成分」について紹介します。

 緑茶は他の飲料に比べ独特の渋味が感じられます。この渋味は”タンニン”(化学的にはカテキンという)が多く含まれるからです。
 カテキンはチョコレートや赤ワインのテレビのコマーシャルでおなじみの”ポリフェノール”類の一つです。カテキンは緑茶に10~15%含まれており、その渋さのため子供らには敬遠されがちですが、油脂類の酸化抑制作用やコレステロールの調整、高血圧抑制、抗菌作用、抗う蝕性の他消臭作用などが知られ近年注目されている成分です。
 次にお茶を飲むと気分が爽快になるのはお茶に”カフェイン”が含まれているからです。緑茶の他、コーヒーやコーラにも含まれますが、緑茶には2~3%含まれており、中枢神経を刺激して覚醒、利尿、強心作用があります。そのため寝る前に緑茶を飲むと寝付きが悪くなったり、トイレが近くなったりします。
 その他、緑茶にはビタミン類も多く含まれています。その内水溶性のビタミンとしてビタミンCがあります。緑茶の中のビタミンCはレモン全果中の含量に匹敵します。製茶の過程は収穫した生葉を直ちに蒸気で蒸すことから始まります。この蒸し工程はビタミンCなどを酸化する酵素を死活させます。そのため緑茶にはビタミンCが壊されず多く残ることになります。
 油溶性のビタミンとしてビタミンAおよびEがあります。緑茶には体内に入るとビタミンAの働きをするβカロチンがあります。カロチンはビタミンCと共に発がん性を抑制する働きがあるとして注目されています。
 ビタミンEは成分名トコフェロールと呼ばれ、緑茶の中に20~80mg含まれており、胚芽油中のトコフェロール含量に相当します。ビタミンEは脂肪の酸化防止作用の他、動脈硬化防止に役立つと云われています。
 その他アミノ酸類やミネラルなど、お茶には多くの有用成分が含まれていますが、ただ、単にお湯を入れてお茶を飲むのであれば茶滓にほとんどの成分が残こることになります。特に脂溶性の成分は溶け出しません。

 お茶に含まれている保健成分を100%利用するには粉末茶やお茶の葉全体を料理やお菓子に混ぜ食べる方が効率的と思われます。 


お茶の主な成分成分(四訂成分表および日本分析センター調べ)


水分 タンパク質 カフェイン タンニン カロチン ビタミンC ビタミンE
煎茶 (葉) 4.9% 24.0% 2.3% 13.0% 20.0% 13mg 250mg 65.4mg
煎茶(浸出液) 99.6 0.2 0.02 0.1 0.1 0 4 -
抹茶 4.8 30.7 3.2 10.0 17.0 29 60 28.2
粉末茶* 2.9 24.1 2.2 11.5 13.9 20 424 43.2

*粉末茶:奈良県が開発した食べるお茶