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お茶のカテキンのこんな活かし方

 お茶は日本人にとって最も身近なもので、来客のもてなしやティタイムの憩いに欠かせないものといえます。緑茶はカテキンやビタミンなどを含み、健康への高い効果を持つことがわかっています。ところで茶本来の嗜好飲料としてだけでなく、緑茶やカテキンの効果を応用した商品が開発され、市販されていますので紹介します。

 茶に含まれる緑茶カテキンが抗菌、消臭などの機能を持ち、これを利用したのがウレタン類です。ポリウレタンフォームに緑茶カテキンを含ませ強い抗菌性や消臭効果を持たせることができます。抗菌性の強い枕や布団、マット、クッション類などの商品があります。また最近は、一般建材や建築資材、内装品としての利用も広がっています。

 つぎにお茶の発ガン抑制効果は、学会や講演会等ですでにに取り上げられ、注目されています。飲むお茶から、食品としての開発、つまり食べるお茶としての利用です。お茶の葉を粉末にした粉末茶や緑茶カテキン入りの飴やお菓子があります。カテキン飴は緑茶粉末とカテキンを練り込み、砂糖を加えた健康飴です。茶そばは食堂のメニューでよく見かけられ、そば粉、小麦粉に抹茶を加えています。そばの成分にない茶を栄養と味や香りを活かしたものといえます。羊羹、和菓子などにも茶の加えたものが多くみられます。また、緑茶カテキンが血中コレステロールの上昇や酸化を抑制することが、ヒトの臨床試験で確認されており、これを鶏に応用したものにカテキン卵があります。産卵鶏に緑茶カテキンを含む飼料を給餌した卵です。緑茶カテキンの作用で卵黄中の脂肪が一般の卵より低く、コレステロールも少ない卵で、お年寄りによいといわれています。

 一方、緑茶を繊維に染めた緑茶染めの衣服があります。緑茶の抗菌、消臭、抗アレルギー作用を活かした衣料で、茶の薬効成分が染め物自体にとけ込み、皮膚に直接接触して効果を発揮する繊維として最近注目されています。トレーナー、タオル、ソックスやパジャマなどが市販されてます。またカテキンをフィルターに添着したカテキンマスクもあります。インフルエンザなどのウイルスへの抑制効果やウイルス、花粉も除去する抗アレルギー作用を活かしたマスクとして好評のようです。このほかエアコンのフイルター、香りと抗菌、消臭作用をもつ緑茶和紙も市販されて
います。

 このように緑茶カテキンの効能を応用した生活用品が広がっています。緑茶の味、香りだけでなく効能を味わいながら一杯のお茶を飲んではいかがしょうか。

緑茶中の可溶性成分の量(%)
成 分 上 級 茶 中 級 茶 下 級 茶 味 質
カフェイン 3.04 2.50 2.37
カテキン 14.52 14.59 14.57
エステル型 10.18 10.02 9.99 苦 渋
遊 離 型  4.34 4.57 4.58
アミノ酸 2.87 1.47 0.99
テアニン 1.90 0.96 0.11 旨 甘
その他アミノ酸 0.97 0.51 0.38 旨・甘・苦・酸
遊離糖質   2.66 3.93 4.40
アルコール沈殿物 4.88 4.51 4.51
ペクチン 0.47 0.38 0.39
可溶分 40.50 38.99 37.52

                       前田清一氏「緑茶の化学」より

2000年4月
奈良県農業試験場 技術調整班 専門技術員 中川清裕