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お茶の効用について

 緑茶、紅茶、ウーロン茶は、同じチャの葉から作られますが、品種や製造方法が異なります。お茶は元々中国で2千年以上も前に薬草として使われ始め、日本には9世紀のはじめに導入されました。17世紀以降、中国、朝鮮半島、日本以外の国々にも喫茶の習慣が伝わり始め、現在では全世界で年間250万トンの生産量があります。お茶が全世界で広く親しまれているのは、嗜好品として優れるだけでなく、その保健効果が優れるからなのかもしれません。保健効果を引き出す主な成分には、カテキン類、カフェイン、ビタミン類及び多種のミネラル成分が挙げられます。

 お茶は不老長寿の飲み物として昔から愛用されてきました。苦みの成分であるカテキン類には老化予防、すなわちその基となる動脈硬化予防作用があるという報告があります。カテキン類は食中毒に対しても有効な作用を持つといわれています。また、カテキン類を始め(紅茶とウーロン茶に含まれる)カテキン類の重合体及びフッ素は虫歯の予防に有効です。

 カフェインには大脳の中枢神経を刺激する作用、利尿作用、ナトリウムの排出促進作用があります。
 ビタミンCは紅茶やウーロン茶にはほとんどありませんが、緑茶の茶葉には豊富に含まれます。ビタミンCが不足すると、肌が荒れ、艶がなくなるといった表面的なことばかりでなく、体の免疫力が低下したり、血液中のコレステロールが増加するといった体の中の不具合が生じます。ビタミンCは成人1日当たり100mg程度(喫煙者は更に60~140mg余分に)摂取する必要があります。緑茶では第一煎目の浸出液100g中に煎茶では6mg、番茶では3mg入っています。茶葉をそのまま食べる抹茶や(奈良県が開発した新製法による)粉末茶では煎茶の4倍以上の摂取が可能です。

 また、紅茶のように砂糖やミルクを入れなければ、お茶の浸出液にはカロリーがほとんどありません。飲料水100g当たりのカロリーは抹茶や粉末茶では12Kcal、野菜(トマト、ニンジン)ジュースでは20Kcal前後、炭酸飲料・果実ジュースでは35~60Kcal、ココアでは271Kcalです。

 日本で生産されるお茶は緑茶にほぼ限られますが、奈良県の緑茶生産量は全国で第6位です。「大和茶」は地域の重要な特産品となっています。緑茶を飲まれる時は、ぜひ「大和茶」をご賞味下さい。

※煎茶、番茶のビタミンC含量、嗜好飲料のカロリー数は「五訂日本食品標準成分表」より
茶の種類 主要カテキン類 カフェイン ビタミン類
B1 B2 ニコチン酸
mg/100g μg
/100g
μg
/100g
μg
/100g
緑茶 煎茶 13.46~14.14 2.84 250 350 1,400 4,000
玉露 10.04~10.79 3.73 110 300 1,160 6,000
抹茶 60 600 1,350 4,000
番茶 12.33~14.65 1.97 150 250 1,400 5,400
ウーロン茶 9.68~10.81 3.00 8 130 860 5,700
紅茶 8.61~12.07 2.73 0 100 800 10,000
粉末茶 2.20 424 310 1,120 6,200
2002.6
奈良県農業技術センター 茶業振興センター 研究員 和田達哉