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お茶の摘み取りについて

 7月に入ると二番茶摘み取りの最盛期となります。冬を越して春になるとお茶の新しい芽が出てきますが、その新芽を一番茶と言い、その一番茶を摘み取りした後、再び伸びてきた新しい芽のことを二番茶と言います。では、お茶の摘み取りとはどのようなものかご存知でしょうか?

 お茶の新芽を摘み取る方法は、大きく分けて、手で摘み取る方法、手ばさみという植木の剪定ばさみのようなものに摘み取ったお茶の新芽が入る袋をつけたものを用いる方法、機械を用いる方法とがあります。現在奈良県で主に行われているのは写真上のような、可搬型摘採機で摘み取る方法です。この機械は、新芽をバリカン様の往復動刃で刈ると同時に風で刈り取った新芽を後方の袋の中へ送り込みます。二人でうね野両側から摘採機を持ち、うね間を歩きながらうねの片面ずつ摘み取りしていきます。本県のような傾斜のある茶園での摘み取り作業はとても大変な作業で、約10kgの摘採機を持ち、摘み取られた茶葉の入った袋とともに茶園を登り降りしなければなりません。何も持たなくても登るだけで息の切れるような急傾斜の茶園もあります。二番茶の摘み取り時期は梅雨と重なり、雨中での摘み取り作業はさらに大変になります。また、二人一組での摘み取り作業になることや前年の古い葉を残して新芽だけを刈り取るという難しさもあり、作業には熟練した技術が必要です。とはいえ、可搬型摘採機は手での摘み取りの300倍以上、手ばさみの20倍以上の能力があり、茶業の発展に大きく貢献してきたといえるでしょう。

 近年、傾斜の緩い茶園を中心に乗用型摘採機といって、写真下のように人が摘み取り機のついた機械に乗るものが普及しつつあります。これは、鹿児島県のような平坦地での茶園では一般的なものです。傾斜地でも使えるようなものが開発されたことで、本県でも利用できるようになりました。可搬型摘採機に比べ、、一人で作業ができ、摘み取り作業および摘み取った新芽の運搬が楽になること、摘み取り精度が高いことなどが大きな特徴です。

 現在、乗用型摘採機の導入されている面積は奈良県の茶園面積全体の約10%ですが、数年後の摘採の主役は乗用型摘採機になるでしょう。

2003.7
奈良県農業技術センター  茶業振興センター 主任研究員 宮本大輔