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緑茶の品種「やぶきた」の壁

 奈良県では今、二番茶のシーズンを迎えていますが、みなさんはお茶の木の品種についてご存じでしょうか。、現在最も普及している品種は“やぶきた”です。
 “やぶきた”という名は、元は藪北と名前が付けられていました。というのも民間の育種家 故杉山彦三郎氏によって育成されたのですが、杉山氏が竹藪を開墾した畑に種子を播種して二個体を選抜し、南側を藪南、北側を藪北と称したことに由来します。
 “やぶきた”は日本で栽培されている茶の木の76%を占め(別表)、独占しています。
そのようになった理由は様々考えられていますが、
1.品種の普及の始まった1950年代当時有力な品種が“やぶきた”しかなかった。
2.優れた品種が1980年代登場したが、今ある“やぶきた”を抜いてまで植え換えるメリットは少なかった。
3.お茶は販売時に加工、ブレンドがあるため他の品種を少量栽培しても有利に販売できない。
等があげられます。
 現在、97品種が登録されていますが、“やぶきた”ほど普及した品種は生まれていません。しかし、“やぶきた”自身も普及するまで育成から50年、品種登録から10年以上もかかっており、新品種の普及にも時間がかかると思われます。
 また、今も日本各地で、味・収量の面から“やぶきた”より優れた品種を育成すべく日夜研究が行われています。
 近年、お茶の品種は、収穫期の早晩や、収量、病害虫に対する強さ、できたお茶の味や香りのみだけでなく、機能性成分を考慮した品種も育成されており、それぞれの部分では“やぶきた”以上のものも育成されており、“やぶきた”という厚い壁を超える日も遠い未来ではないと思います。
緑茶の優良品種園面積
(平成15年 社団法人日本茶業中央会茶関係資料より)
品種 栽培面積(ha) 比率
やぶきた 37,420 75.7%
ゆたかみどり 2,396 4.8%
さやまかおり 943 1.9%
おくみどり 893 1.8%
かなやみどり 650 1.3%
その他 3,294 6.7%
在来種 3,815 7.7%
総計 49,411
2006年7月
奈良県農業総合センター
茶業振興センター
栽培加工チーム 技師 山原俊昭