注意 過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。

農薬が認可されるまで

 野菜や花などを育てるうえで、病気や虫、雑草を防ぐために農薬を使っていますが、農薬はどのようにして作られるのでしょうか?

 現在、1つの農薬の開発には、約10年の期間と約40億円の経費がかかります。そうして、約3万の化合物のなかから探してやっと1つの農薬が生まれます。受験に例えていうと、1次試験、2次試験、面接試験をおえて、3万倍の競争率を勝ち残ったものだけが、農薬として認められるのです。

 実際の農薬の開発については、まず多くの化合物の中から病気や虫、雑草に効果のあるものを探し、それを作ります。次にどれくらい効果(病気や虫、雑草に効く)があるのか、動物に対してどれくらい毒性があるのか、予備的な試験をします(図参照)。

1次試験を突破できるのは、約20%です。1次試験を突破したものは、さらに詳しく効果試験、毒性試験がされます。特に毒性試験は、医薬品以上の厳しい試験が行われ、農薬を使用する上での安全性を確保します。すばらしい効果のあるものでも、毒性試験で問題が出れば、そこでダメになります。最近は、病害虫以外の生物に対して毒性の少ない普通物の農薬が多く開発されています。このあたりになると有望なものは大量生産のための準備プランをたてていきます。

さらに野菜や果実などの食用作物を対象とする農薬の場合は、農薬が作物にどれだけ残るのか、土の中にどれだけ残るのか、という試験もされます。また、万が一その農薬で中毒症状が発生したときのために治療法や解毒法を研究します。これらの結果から、農薬のラベルにかかれている使用方法、使用時期、注意事項などが決められ、農林水産大臣に対して、農薬の登録申請を行い、1~2年の審査を経て登録が認められ、やっと販売できるようになります。さらに、登録されてからも、全国の農業技術センター等が分担して、作物残留試験を実施し、残留値などに問題がないか確認します。

2002年2月
奈良県農業技術センター 環境保全担当 土壌水質保全チーム 
主任研究員 西川 学

農薬開発の流れ
化合物の検索
(1次試験)
薬効試験(ポットなど)
毒性試験(急性毒性)
         (2次試験)
  詳しい薬効試験(薬害、濃度など)
  毒性試験(刺激性、発ガン性など)
  環境影響試験
  (魚、鳥、他の虫に対する影響など)
  残留試験
  (土、作物などにどれだけ残るか)
(面接試験)
農薬登録の申請
登 録 承 認
販   売