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カメムシの話

 皆さん、カメムシをご存知でしょうか? ほとんどの方がご存知とは思いますが、良いイメージを持っている方は多分いないのではないでしょうか。世の人々から嫌われる原因の最たるものはその独特の臭いにあります。うっかりカメムシを素手でつかんでしまい、くさい臭いがなかなかとれずに不快な思いをした人も多いのではないでしょうか?しかし、果樹の生産者の間ではまた違った理由で大変な嫌われ者となっているのです。

 カメムシはスギやヒノキなどの雑木林で繁殖して果樹園に飛来し、口針を果実に突き刺して果汁を吸います。被害に遭った果実は吸われた部分がスポンジ状になって、外から見るとへこんだように見え、ひどいときには果実がボコボコに変形したり、落ちてしまったりします。さらに、このカメムシは集合フェロモンという物質を出して仲間を呼ぶ習性があるので、被害が少ないからと油断していると大挙して飛来し、果樹園が台無しにされかねません。

 対策としては農薬散布を行うのですが、カメムシは発生量が年や場所によって非常に大きく変動するので、発生状況に関する正確な情報に基づいた実施が必要です。果樹振興センターで病害虫の担当をしていると、「今年はカメムシどう?多いですか?」と生産者の方々によく尋ねられます。収穫を控えた大きな果実がたくさんぶら下がっている昨今、それがほとんど挨拶代わりとなっている感さえあります。それほど産地の生産者にとってカメムシの動向は気になるところなのです。

 そこで、県下各所で水銀灯を点灯したり、野外のスギ、ヒノキ林を巡回して捕虫網を振ったりして捕らえたカメムシを数えたり、落ち葉のなかで冬を越すため身を隠しているカメムシを数えたりと、いろんな方法で発生状況を調査しています。その結果は県病害虫防除所から果樹カメムシ情報として発信され、生産者の方々に活用されています。病害虫防除所ホームページ上でも公開されていますので、興味のある方はご覧になって下さい。

2001年10月
奈良県農業技術センター 果樹振興センター
作物保護チーム  研究員 米田健一

カメムシによる被害