注意 過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。

登録された農薬を使いましょう

 最近、ダイホルタン等の無登録農薬が使用されて問題となりました。なぜ、無登録の農薬の使用がいけないのでしょうか。
農薬は農作物や樹木を栽培する時に、病害虫や雑草の被害から守ったり、植物の生長を目的に合うように調節するために利用されます。また、農薬は、人間の利益になるように使われなければならず、害になってはならないのです。そのため昭和23年に公布された農薬取締法で農薬登録制度を設け、以下の条件を全部兼ね備え安全が確認されたものだけに、農薬登録を与えて販売が許可されています。

1.使用する目的にあった効果が得られること。
 農薬を使用することにより、病害虫の被害を抑えたり、植物の生長を調整する効果が確実に認められなければなりません。たとえば、水や石の粉だけを入れて、農薬の効果を書いて販売してはならないのです。以前には偽物の農薬が横行して、農民が大変困ったことがあり、現在では、全国の研究機関で試験をして使用方法と効果を確認しています。

2.栽培する植物に害を与えないこと。
農薬を使用した結果、栽培している作物が枯れたり、変形して収穫できなくなっては、せっかく高い経費を払って使用しても何にもなりません。抜群の効果があっても、栽培作物に害があれば農薬として使えないのです。何千何万という候補の中から、ただ一つか二つ程度しか農薬としてものにならないといわれています。

3.使用した人間や、農作物を食べる人間及び周囲の環境に害を与えないこと。
農薬は持っている性質により使用者が中毒になったり、農作物に長く残留して食べた人々に害を与えたり、使用する周辺の魚貝類、野鳥、家畜等の周辺環境に害を与えるようなことがあってはなりません。また、農薬は保存中、使用中に引火、発火、爆発等の事故を起こしたり、犯罪に使用される等の危険なものであってはなりません。これらの問題が起きないように、一つの農薬の開発に製造メーカーでは医学、環境等に関する調査研究に数十億円の経費を投入しているといわれています。また、不幸にして農薬が保存中、使用中の発火事故やドリンクに混入される等の犯罪に関与したこともあり、そのつど内容物を変更したり、毒物指定し、取扱を厳重にするなど改善されてきました。

現在ではこれらの条件について、最高の科学技術により綿密に審査を受けて安全性が確認されたものが、農林水産省の農薬登録を受けて農薬として販売されています。また、この農薬登録は、農薬と作物と使用方法についてそれぞれ定められています。そのため、登録を受けていない農薬や使用方法は安全が確認されておらず、食品や環境への安全性が求められている現在、絶対に使用をしてはいけません。


2002.11
奈良県農業技術センター
統括主任研究員 瀬崎滋雄