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果樹のカメムシ「チャバネアオカメムシ」は侵入害虫

 クサイ虫の代表として、カメムシは大変に嫌われています。果樹ではチャバネアオカメムシが果実を吸汁して、果実を凸凹にする害虫として嫌がられています。今年は、そのチャバネアオカメムシが大発生して大きな被害が出ています。

 普段、チャバネアオカメムシは果樹園にはいません。スギやヒノキなどの樹木で生活し、それらの堅い果実に卵を産んで増加します。図の太い矢印ように果樹園以外で生活をしているのですが、多く発生すると果樹園に侵入してきます。果樹園ばかり見ていたのではカメムシの動きは分かりません。果樹振興センターではスギやヒノキ林の縁の落ち葉や、春先からサクラ、スギやヒノキでの発生状況などの調査しています。昨年はスギやヒノキの果実が豊作で、秋には多数のチャバネアオカメムシが新成虫になって越冬しました。春から大発生となってウメやモモ、ナシなどの果実に加害しています。 今後は、カキでも多飛来が予想されるので、注意報が出ています。チャバネアオカメムシは夕方から10時頃に多くが飛来しますが、そのとき気温が高いと、多くが飛んで来ます。5月では、夜温が15℃以上の時に、誘殺灯に多く飛んで来るのが見られます。夕方、今晩は蒸し暑いなと思った時が要注意です。

 チャバネアオカメムシは集まり出すと、「みんな集まれ」と集合フェロモンを出してさらに仲間を集めるようになります。こうなると、集団で果実を吸汁するので大きな被害になります。果樹園で集まりだしたら素早く薬剤散布して、集団になる前に防除しておけば、被害は軽くすみます。集合フェロモンを使って発生量の予測に使っていますが、防除に使うことは難しいいようです。それは広大なスギやヒノキに生息するカメムシを集めて殺しても、カメムシは次から次へと飛んでくるので、被害がなかなか減少しないためです。

 昨年の夏が天候不順でスギやヒノキの花は少なく、スギやヒノキの実が大変に少ない状況です。7月にはスギやヒノキ林に帰るはずのチャバネアオカメムシが卵を産みに行くところがなくて、まだうろうろ果樹園で飛び回っています。越冬虫はしぶとくて8月中旬まで飛び回るので、引き続き注意が必要です。網戸や街灯にクサ虫(カメムシ)が飛んできたら、果樹の産地では生産者がその対策に苦労していると思ってください。チャバネアオカメムシの移動模式図 

                                    チャバネアオカメムシの移動模式図

2004年7月 
果樹振興センター 
作物保護チーム 総括研究員 福井 俊男