注意 過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。

コンテナ栽培における施肥のポイント

 鉢やプランターなどを用いるコンテナ栽培は、畑や広い庭がなくてもできるので、身近に植物に親しめる場として楽しんでおられる方も多いでしょう。ただ、健全に育てるためにはそれなりの管理が必要です。畑での栽培との一番の大きな違いは、土の量が少なく根の生育環境が悪いので、適切な管理を怠ると根が老化・衰弱しやすいということです。今回は、コンテナ栽培で根の生育を健全に保つための施肥のポイントについて述べてみたいと思います。

 それは、「過ぎたるは及ばざるが如し」です。肥料やけといった言葉を耳にした方もおられるでしょう。コンテナ栽培では特に注意が必要です。葉色が黄色っぽくなるなど、土の中の養分が不足すると施肥が必要ですが、与え過ぎると肥料やけを起こします。図に示したのが、肥料やけが起こる仕組みです。根から土壌中に植物体内の水分が出てしまって、蒸散の盛んな上位の葉の先端や縁の部分が枯れてしまいます。当然、植物によって起こりやすいものとそうでないものがありますが、肥料の面からみて一般的にいえる事柄を以下に述べます。

 化成肥料の中には、緩効性のものと速効性のものがあります。緩効性のものは、ゆっくりと土壌中に溶け出すので、すぐには効きませんが、肥料やけは起こりにくくなります。そのため、主に生育期間が長い野菜や草花などの元肥に向いています。逆に速効性のものは、短い期間の中で効かせたい時に用います。ホウレンソウなどの軟弱野菜栽培や、追肥全般に向いています。ただし、すぐに水に溶けて効くため、肥料やけを起こしやすいので、一度に大量に与えるのは避けましょう。タイプが同じ肥料でも、粒の大きいものほどゆっくりと効きます。また、液肥をご存じの方もおられるでしょう。主に草花の追肥向きですが、非常に速く効くため、濃度や量に一層の注意が必要です。
他にも、気温が高いほど、また、灌水の回数が多いほど、肥料は速く溶け出します。なかなか難しい面もありますが、適切な施肥管理で元気に育ててあげたいですね。

2001年1月
奈良県農業技術センター 環境保全担当 
土壌・水質保全チーム 研究員 堀川大輔