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家庭園芸の肥料選び

 庭の花や野菜、植木などが旺盛に育つ季節です。元気に育てるために肥料を施します。園芸店やホームセンターにはおなじみの尿素、油かす、有機石灰、苦土石灰等の他に、大小の粒になった化成肥料や配合肥料がたくさん販売されています。どれを選んで、いつ施せばよいのか迷ってしまいます。しかし、最近ではパンジー専用、トマト専用肥料というように、個別の花や野菜の名前の入った肥料も多く販売されるようになり便利になってきました。しかし、たくさんの種類の花や野菜それぞれに~用、~専用をそろえるのは大変ですし、費用もかかります。

 化成肥料や配合肥料を選ぶポイントには主に次の二つがあります。
 まず肥料成分のタイプで選びます。肥料成分は容器などに肥料の三要素(N-P-K)の割合を重量パーセントで6-7-8のように数字で表示されています。これは肥料百グラムに窒素が6グラム、りん酸が7グラム、カリが8グラム含まれていることを示します。それぞれの割合によって5つのタイプがあり、植物の種類や施す時期によって使い分けます。

 水平型(8-8-8など)は植物、時期にかかわらず植物の体を充実させるとき使います。山型(7-10-8など)は花つきや実つきをよくするりん酸を多く含むタイプで、草花や花木、果菜類栽培に使います。谷型(10-4-12など)は水に溶け、栽培の途中で不足しやすい窒素とカリを多く含み、花壇や露地野菜の追肥に使います。右上がり型(5-8-10、5-5-9、5-8-8など)は植物の地下部を充実し、植物を丈夫にするカリの割合の多いタイプで球根や根菜類などの栽培、冬越し栽培の花や野菜に使います。右下がり型(10-6-4、8-5-5、9-9-4など)は葉緑素の構成成分である窒素を多く含み、観葉植物、芝生、葉菜類栽培、育苗の時などに使います。

 次に肥料の効き方によっても、植物の種類や施す時期によって使い分けます。ゆっくり溶け出してきたり、分解されたりするタイプの窒素やカリが入った緩効性の化成肥料や配合肥料も売られています。栽培期間の長い野菜の元肥や比較的栽培期間が長く、しかも高濃度な肥料成分に弱い野菜、草花などに利用します。

 ~用、~専用にこだわりすぎないで、植物の種類に応じてタイプや効き方を考えて一度使ってみてください。


2003.5
奈良県農業技術センター 高原農業振興センター 総括研究員 浅野 亨