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化学肥料と有機質肥料

 化学肥料と有機質肥料では何が違うか皆さんご存じですか。おおざっぱにいうと工場などで化学的につくられるのが化学肥料で、動植物など有機物を原料としてつくられるのが有機質肥料です。

 さてその性質についてですが、まず成分が違います。有機質肥料は元の材料により成分量が決まってしまいます。一般に、菜種油粕や綿実油粕のように植物質由来のものは窒素が主成分で5~7%あり、リン酸やカリウムは1~2%と少ないものがほとんどです。魚粕や骨粉など動物質由来のものは、窒素が4~8%、リン酸は骨の割合により2~30%と様々で、カリウムをほとんど含んでいません。肥料は一般に窒素とリン酸とカリウムをほぼ同量ずつ与えるとうまく育つので、有機質肥料単独では肥料としてアンバランスであるといえます。

 その点、化学肥料は人工的に作るので融通がきき、必要な割合のものができます。窒素とリン酸とカリウムをほぼ同量の割合で含んでおり、また、その割合も10~20%と高いのが特長です。

 さて皆さん、きちんと計って肥料をあげていますか。適当に感覚であげていませんか。家庭菜園やプランターなどでは、ほとんどの方が計らずに与えていると思います。

 肥料を与える場合一番重要なのが窒素の量で、植物生育に大きく影響します。量が少なければなかなか大きくなりませんし、多く与えすぎると根を痛めてしまいます。

 有機質肥料は窒素の割合が低く肥料の効き方もゆっくりなため、植物に害があまり出ません。ただ、夏場は急に分解してやはり根を痛めることがあるので、植え付け2週間前ぐらいに混ぜると良いでしょう。

 化学肥料は窒素を多く含んでおり、肥料の効き方も早いので、与えすぎて根を傷めることがよくあります。しかし、化学肥料にもゆっくりと肥料が効くものがあるので(緩効性肥料や肥効調節型肥料と書いてあるもの)、それを使う方法もあります。

 よく話題に上がる農産物の品質については、有機質肥料を与えた方が良くなるというもの、悪くなるというもの、同じであるというもの様々で、いずれも多くの試験研究結果があります。農産物の品質は肥料の種類よりもそれを左右するのは生育と肥料の効く時期が合うかということが大きく影響している、というのが最近の試験結果です。

2003.11
奈良県農業技術センター 
環境保全担当 技師 藤田奈都