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団栗(どんぐり)

 いよいよ、実りの秋到来。いろんな木々が果実を実らせ、生き物達は冬支度をはじめる季節です。木の実の中でもどんぐりは形がかわいくて、つやつやしていて、いろんな形があって、食べるわけではないのに、ついつい拾ってしまいます。今回はこのどんぐりの話をします。

 どんぐりとはブナ科の果実の俗称で’どんぐり’という品種は存在しません。また、同じブナ科でも、常緑樹と落葉樹があり、実の形、大きさ、実の着き方は様々です。

 一番なじみのあるどんぐりは、クヌギの実でしょうか。大きくて、球形で、立派なので、「♪どんぐり ころころ ~」のどんぐりは、クヌギの実かなと思います。クヌギの実は、実が熟すのに2年かかります。4~5月に雄花の穂が垂れ下がりる頃、雌花は3mmほどの大きさです。そして、翌年の6~7月頃に、ようやく1cm程度の大きさになり、9月末頃に2cmの茶色の実になります。このように実が熟すまでに2年かかるものにはウバメガシ、アカガシなどがあります。

 リスやネズミの大好物のどんぐりですが、スダジイやマテバシイは人間でも食べられます。生で食べると書いてある本もありますが、いって、外皮をとった方が香ばしくなるし、消化も良いのではないかと思います(あんまり、味がしないし、栗のほうがおいしいと思いますが)。拾った実は穴があいていないみたいでも、虫が入っていることがあるし、食べる時は十分ご注意下さい。

 どんぐりは帽子をかぶったような愛嬌のある形をしていますが、このどんぐりのお椀とか、はかまとか言われる部分は、殻斗(かくと)といい、苞葉(ほうよう)のあつまりです。栗のいがもこの仲間です。この殻斗に堅い皮でおおわれたどんぐりの種がつつまれているというわけです。

 どんぐりを家の庭に植えたことがありますが、日当たりが良いところだと結構発芽率は良いようです。コナラやクヌギを植木鉢に植えて、幼木を楽しんだりもするそうです。

 銀杏、アケビ、栗、柿など食べられる実りの秋もこれからが本番です。それぞれの季節には、その季節にしか楽しめないことがたくさんありますが、秋の自然の恵みを満喫しつつ、読書に、スポーツに、星や月の観察に、有意義な秋をお過ごし下さい。


1999年10月
奈良県農業試験場
企画調整室 研究員 西田尚子