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タケノコ畑の手入れ

 タケノコは収穫の早い順にモウソウダケ、ハッチク、マダケがあります。地方によっては、その他にも食用にする種があるそうですが、肉厚で歯ごたえが良く、「木の芽あえ」「天ぷら」など用途が広く、おいしく、早い時期から食べられるのは断然モウソウダケです。また、朝掘りが好まれるように、掘りたての新鮮なものはより一層美味です。県内にもたくさんのモソウダケの林があり、以前には、地元の市場に出荷されて、地域で掘りたてのものがおいしく食べられました。また、竹材としての用途もあって、竹林は結構手入れされていました。

 ところが、タケノコの輸入が増え、また、竹材としての利用価値が下がったことなどから、手入れのされない竹藪が増えました。手入れされないと、タケノコの出る本数が減るばかりでなく、質も低下し、竹が乱立してますます藪化してしまいます。せっかくの竹林なので、おいしいものがたくさん穫れて、自家用にとどまらず、地域の特産物の一つにもする意気込みで手入れしたいものです。

 手入れは、親竹と地下茎の管理に集約されます。客土、施肥、除草、古くなった親竹の切り取りなどが大事です。

 土質の改良のため客土すると、タケノコができる地下茎が伸びやすくなり、品質の良い(アクが少なく、柔らかさの中に歯ごたえがある)、太いタケノコが生産されます。秋にワラを敷いて、その上に3から5センチの厚さに土を置きます。6から7月ごろ、チッソ・リンサン・カリにケイサンを加える施肥は、天然の養分供給の不足分を補って、タケノコの発生量を増やします。また、雑草やはびこっている雑木はタケノコの生育を妨げるので、夏季に刈払います。

 一番肝心なことは、親竹の切り取りと作り方です。親竹は生えた年内に自分の体を完成させ、翌年からは同化作用を営んで、作り上げた養分を地下茎に蓄え、タケノコや新たな地下茎の生長へ回します。この働きぶりは、親竹の年齢や大きさなどによって違います。親竹は3年生のときがタケノコの生み盛りで、7年生ぐらいにはタケノコの発生が非常に少なくなります。また、良質のタケノコを生む竹の太さは節間中央の周囲が26から38センチとされています。面積当たりの本数は約20本/100平方メートルとし、毎年同じ本数に保ちます。7年経過した親竹を10から12月に切り、切る予定の本数分だけタケノコを残して親竹とします。親竹の年齢を知っておく必要があります。生えた年の夏か秋ごろに、墨で竹に発生年を書いておくと確実です。タケノコの出盛り前から出盛りに勢いのあるタケノコを残すと、良質の親竹となります。

 さあ、タケノコ畑作りに取り組み、おいしいタケノコを再現しましょう。

2000年2月
奈良県農業技術センター
総括研究員  松本 恭昌