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輸入野菜に今何が・・・

 従来、野菜類の輸入は冷凍野菜などの加工品が中心でしたが、最近生鮮での輸入が量、品目ともに増えています。特に中国、韓国においては日本から生産技術者を派遣して、日本向けの品種や規格で生産する開発輸入が行われているため、国産のものと品質的に大差ないものが輸入されるようになってきました。また、冷蔵輸送システムの整備と日本に近いという条件を活かして、より新鮮なものが日本の消費地に届けられるようになっています。

 輸入される時期にも変化が見られます。奈良県の特産品でもあるイチゴについて、平成8年と平成12年の輸入量を比べてみましょう。8年には日本でイチゴの出荷量が少ない7~10月(いわゆる端境期)を中心に、それを補完する形でアメリカから多く輸入されていました。それが、12年にはアメリカからの輸入に加えて、12~3月に韓国産が多く輸入されるようになっています。

 同じような傾向は中国産のネギにもみられます。このまま輸入の増加を放置すると、長期的にみて安全で良質な国産品の安定供給を求める消費者の利益を損なうことになりかねないとの判断から、先のセーフガード(緊急輸入制限措置)暫定発動にいたりました。

 確かに、世論調査では8割の国民が「日本の将来の食料供給に不安がある」と答えています。国内農業の衰退は農業が持つ多面的機能の崩壊につながると懸念する声も聞かれます。

 しかし、一方では安くて良質なものが供給されるのであればその方が消費者にとっては利益なのではないかという意見や、世界的に貿易自由化が進む中で農業貿易のみを例外的に扱うことに対する疑問の声もあります。また、国産農産物だけでは日本の需要をまかなえないことも事実です。

 さて、この輸入野菜の急増、あなたはどう思われますか。

2001年7月
奈良県農業技術センター
研究企画課 経営情報係 総括研究員 黒瀬 真