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園芸セラピーのこと

 最近園芸セラピーとか園芸療法と言う言葉を聞かれたことがありませんか?
「セラピー」と言う言葉は、本来病を癒す方法を意味しています。その手段として音楽を利用すれば「音楽セラピー」ですし、香りを使えば「アロマセラピー」、塩や海水の時は「タラソセラピー」となります。
「セラピー(療法)」は厳密には、医師の指導(処置)の下に療法士と呼ばれる有資格者が治療を行うことであり、園芸を取り入れた療法は日本では作業療法士が扱っています。

 しかし、園芸は非常に多くの人々に親しまれていますし、趣味にしている人の数も多いので、もっと広い意味で使われることもあります。 それは、全ての社会的弱者に対して、社会復帰の手助けをしようと言うものです。この時にも、もしできるならば正規の訓練を受けた人から指導を受ける方が良いのですが、園芸はなにもなくても、植木鉢一個・プランター一つから出発できるのが長所ですので、ボランティアの活動できる場所や機会があるのです。こんな時は「療法的な園芸」という言葉も使われます。

 また、園芸療法に使用する植物は、対象になる人の興味をひきさえすれば、花でも、野菜でも、花木でも、近頃はやりのハーブでも、何らかの効果はあるわけです。
例えば近所のご老人で、体が不自由になられたために、鉢花の世話が思うに任せられないような方が居られたとしましょう。この方が家の前で、今まで丹精された花の花殻摘みをされている手伝いをされ、ご老人の満足をひき出されたら、あなたは園芸療法を実践されたことになるのです。

 さらに、あなたがこの方のやりたい花の世話をもっとサポートでき、そのことであなたも園芸の楽しみを共有され、花をはさんで対話がはずんだとしたら、あなたの園芸療法はもう一歩進んだことになります。
このような時、以下のことに少し注意すれば、園芸療法がさらに楽しくなると思います。 まず、園芸療法では栽培が難しい植物を選ぶ必要はありません。いやむしろ、花ならば小輪で花着きの良いもの、野菜ならば丈夫で手軽く食べられるものなど、管理の易しさで選びます。せいぜい支柱を立てたり、肥料をやったり、枝やツルを摘む程度の管理で花や実がつくものを選びましょう。ただ、人によってかぶれたりするものがありますから、注意してあげましょう。そして余り大きくならない方が良いと思われます。
 こう考えますと、おのずと対象植物も決まってきて、あれこれ迷うこともないでしょう。
ボランティア活動だ言って、なにも身構えることはありません、このように簡単なことから始めて、一度挑戦してみられませんか。


2001年12月
奈良県農業技術センター
普及技術課 専門技術員 寺田孝重