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健康や環境を考える農家が芽吹いています

今回は、奈良県で良好な自然環境の維持や健康な生活の維持を考えている農家の動きを紹介したいと思います。

○奈良県には自然環境を見つめてくれる農家が必要です。
  自然環境を守る事が農家の直接の仕事ではありませんが、栽培を通じて農家は農作物を育てやすく、働きやすい場を作るために自然を見つめ、自然のめぐみを受け取りやすいように農村の環境を作り出しています。しかしながら、農業を継続していく希望や夢 が奪われてきた時代がありました。それが、バブルの時代でした。

 ○バブル期と地域農業の衰退
15年前のバブル全盛期に、「農家が農地を手放さないから地価が高騰している。だから、農家は農業をやめサラリーマンに宅地を提供するべきだ」と有名なジャーナリストが主張していました。また当時、大型量販店も、高齢化で弱体化した日本農業にた よらず、農産物を海外へ買い付けに出かけていました。
  このときに「農業を継続していく意欲が」失われた農家がいたのも事実です。
 バブルがはじけて14年たった現在、大型量販店の業務の縮小や地価の急落と不動産会 社や銀行の倒産を見てきました。

 ○バブルに流されなかった農家もいます 
  しかし、奈良県の農家はただ時代に流されてきただけではありません。私が農業改良普及員(農家へ農業技術・経営改善の助言をする公務員)として仕事をしていた時に、 自分の足元から農業を見直してきた農家がいたので紹介します。 
 ・ため池で奇形になった魚を見て農薬を減らす農業を目指した御所市の農家。
 ・消費者が求める農産物は、外見のよさだけではないので、完熟でおいしいトマトの栽培を消費者組織とはじ
  めた大和郡山市の農家グループ。
 ・農業に関心のある消費者を集めてハーブ園を開き、農業が持つ「生き物を育て、生活に生かせる経験・体
  験」を伝えている、當麻町の農家。
 ・長年の栽培の経験から土が大切と、地域の農家や大学の先生とともに畜産農家と連携してたい肥づくりや
  減農薬栽培に取り組み、量販店の生ゴミをたい肥に変え、土づくりに積極的に取り組んでいる當麻町の農家
  グループ。

○皆さんの近くにも土づくりや天敵(クモやトンボなど)や水田輪作(水田跡にいろいろな農作物を組み合わせる奈良県の在来の農法)に関心を持った農家がおられると思いますので、その農家の声に耳をかたむけながら、その農法によって育てられた農産物に関心を持ってただければ幸いです。     

2004年6月 
奈良県農業技術センター 
企画普及部 普及技術課長 安堂 和夫