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抵抗性雑草

 米作りにとって雑草防除は重要な作業の一つです。現在では、手間がかからず効果も高いため除草剤を使った化学的防除が広く行われています。しかし、ある種の除草剤では何年も続けて使用されたために、その除草剤に対して枯れずに残る抵抗性雑草が出現しています。
 現在、水稲用除草剤としてスルホニルウレア系成分(以下、SU成分と呼ぶ)を含む一発処理剤と呼ばれるものがよく使われています。これは水田の代表的雑草であるヒエに対して除草効果のある成分と広葉や多年生雑草に効果があるSU成分等を含む除草剤で、多くの種類の雑草に安定した効果があります。そのため、このような剤が開発された1980年代後半以降、除草にかかる作業は、田植え後に一発処理剤を一度使用するだけで可能となりました。
しかし、便利な反面、毎年同じSU成分を含む一発処理型除草剤を繰り返し使用した結果、SU成分に対して抵抗性を持った個体が出現、増殖するようになりました。この原因としては、
1.突然変異により抵抗性を獲得するようになった。
2.もともと抵抗性を持っていた個体が除草剤により淘汰され残存するようになった。
などが考えられます。
現在国内で発生が確認されている水田の抵抗性雑草は、コナギ、イヌホタルイ、ミゾハコベ、アゼトウガラシなど10数種類にもなります。
 県内でもここ数年除草剤を使用してもホタルイまたはコナギだけが枯れずに残るといった情報が寄せられており、抵抗性雑草である可能性があります。今後、抵抗性雑草の蔓延や新たな発生を防ぐためには、同じ除草剤のみを続けて使用しないようにし、異なる成分、作用のある除草剤とローテーションで使用することが重要です。  


「農薬概説」社団法人 日本植物防疫協会より

2004年7月
奈良県農業技術センター
作物栽培チーム 主任研究員 杉山高世