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ナタネは循環型社会で注目される資源作物

 ナタネはアブラナ属の作物で在来ナタネと西洋ナタネの2種類があります。 在来ナタネは種が赤いので赤ダネとよばれ、西洋ナタネは種が黒いので黒ダネとよばれています。

 在来ナタネの仲間にはキャベツ、クロガラシがあり、西洋ナタネの仲間にはカラシナ、アビシニアガラシがあります。在来ナタネは日本で古くから栽培されてきたナタネで、最初は茎や葉を食べていましたが、江戸時代にナタネの種から油が絞れる技術が開発されると行灯の燃料として庶民の間で多く使われるようになりました。しかし、明治時代になって海外から西洋ナタネが入ってくると在来ナタネは栽培されなくなり、しかも石油が使われだすようになってからは、国内ではナタネそのものの栽培がほとんど見られなくなりました。

 ナタネは10aあたり100kg~200kgほどの種が収穫ができ、種には重量で約40%の油を含んでいます。油には酸化しにくく熱に変質しにくいなどの特徴をもっているオレイン酸が多く含まれています。天ぷら油、サラダ油としてまたマヨネーズ、マーガリンの原料として使われており、ナタネの多くはカナダから輸入されています。
 一方、在来ナタネには心臓に悪影響を及ぼすとされているエルシン酸が多く含まれており、そのため国内では食用としてエルシン酸を含まないキザキノナタネ、菜々みどり、アサカノナタネなど数多くの品種が育成されました。ドイツではディーゼルエンジンの燃料としてナタネ油の利用がすでに始まっており数多くの給油所が設置されています。
 我が国においてもナタネが注目されはじめ、滋賀県から始まった「菜の花プロジェクト」が全国的に展開されています。ナタネは循環型社会に役立つ有効な資源作物のひとつとして注目されています。         

参考図書:「ナタネの絵本(石田正彦編)」農文協 


2004年10月 
農業技術センター 
農業情報・相談センター  所長  古山賢治