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光の話

 特撮ヒーロー番組などで「光の巨人」、「光と闇のバトル」といった言葉がよくでてきますが、「光」は人類の未来のためになくてはならないものです。もちろん、植物にとっても同様で、生きていくために、CO2+H2O+光エネルギー → CH2O(炭水化物)+O2という光合成を行ないますが、そのためには必要不可欠なものです。
 果樹を栽培する時も、「光」は大切です。そのことは、「果樹」の「果」という字は、「日」と「木」からできていることからもわかると思います。「光」が不足した状態で果樹を栽培すると、樹が健全な発育をせず、果実が小さくなったり、甘みが少なくなったりします。また、果樹は永年性の作物なので、その年の果実を作りながら、翌年の花のもと(花芽)を作っています。果樹自身は、「樹そのもの」(本人)、「果実」(子)、「花芽」(孫)の順に大切にしますので、「光」が不足して炭水化物が不十分だと、翌年の花は少なくなり、生産は安定しません。そこで、樹冠内部まで「光」が十分入るように、整枝・せん定を適切に行うことが大切です。また、果実の着色期にも「光」が必要であり、マルチ(反射する資材を地面に敷く)や摘葉(果実の近くの葉を取り除く)を行うこともあります。       
 ハウス栽培では、フィルム等を通して「光」が不足がちになりやすく、より厳密な光環境の改善が必要です。そのためには、各種光源による補光という技術もありますが、コスト面等から、果樹栽培では実用化にいたっていません。一方、夏期は光量が過剰となり、ハウス内の気温が上がりすぎるので、遮光等によりハウス内の気温を下げることが必要となります。また、キクやイチゴを栽培する時に、遮光や補光により日長を制御し、開花期や休眠を調節することがあります。「光」の質も関係し、紫外線が不足すると、ナス等の着色や交配のためのミツバチの活動が抑えらます。
 さあ、もうすぐ「光」あふれる春です。外へ飛び出し、何かを始めましょう。レッツ・ビギン!(少し古いかなあ?)

2005年2月
奈良県農業技術センター
果樹振興センタ- 総括研究員  今川 順一