注意 過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。

寝っ転がりたくなる芝生

 我々が「芝生」といってまず思い浮かべるのは、葉先が細いシバではないでしょうか?。現在、芝生として用いられている植物は意外に多く、15属34種類もあります。
 日本で使われる芝生は、大きく分けて、冬枯れするノシバやコウライシバといった「日本シバ」と、冬でも緑のままの「西洋シバ」とに分かれますが、もう少し広い分類をして、冬枯れするタイプを「暖地型シバ」、冬枯れしないタイプを「寒地型シバ」とも呼んでいます。

 日本の庭などで一般的に使われているのは、言うまでもなく、日本シバです。暑さに強く、多湿や乾燥にも強いなど、すばらしい特徴を持っています。一方の西洋シバは、高温多湿が苦手で、梅雨の終わりごろには体力が消耗しきっています。そこへ病気と害虫が襲いかかってくるわけですから、生育管理は大変なものです。こうなれば日本シバは、大変重宝な種類ですが、しかしながら、寝転がったときの、あのチクチク感は、どうも気持ちがいいとまでは言いきれません。

 そこで、ひそかに注目しているのが、葉幅の広い暖地型シバです。具体的な種類としては、「センチピートグラス」や「セントオーガスチングラス」で、主に、「ほふく茎」で繁殖し、雑草の侵入も比較的少なく、ローメンテナンスが可能です。
 特に、中米、西インド諸島原産のセントオーガスチングラスは、ストロー状のほふく茎が1シーズンで2メートル以上になるほど成長が早く、あっという間に芝生部分が広がっていきます。耐寒性は弱く、冬は休眠して褐色になりますが、春になるとまた、勢いよく新葉が出てくるとともに、ほふく茎を伸ばします。葉幅は6~7ミリもあり葉も柔らかいため、裸足で歩いても、それほどチクチクしません。ですから、芝生の上に寝っ転がって、ほんのチョット居眠り・・、なんていうのも良いものです。

 現在は、まだまだホームセンターなどでの流通がなく、造園業者等での取り扱いが主流ですが、いつか、こういった変わりダネの芝生が出回り、楽しいガーデニングライフの一助となればいいば良いですね。

shibafu
ほふく茎で繁殖力旺盛なセントオーガスチングラス
2005年8月
農業技術センター
農業情報・相談センター
情報相談係  主任研究員 野村昌敏