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花はどのようにして咲くの?

小学生の頃、アサガオの観察日記をつけたことがある人は少なくないはずです。ちょっとその時のことを思い出してください。まず,種をまいてしばらくすると芽が出ます。そのあと、つるを伸ばしながら大きな葉をつけ生長していきます。そして品種にもよりますが、通常7月から9月につぼみを付けて花を咲かせます。
 このように初めは大きくなるだけですが、何らかの刺激を受けることによって花を作るようになっていきます。環境から受ける刺激として日中の時間の長さや気温がありますが、これらによって植物は、花をつくる(正確には花のもとになる花芽(はなめ)と呼ばれるものをつくる)時期がやってきたことを知るのです。

さて、今回はこの日中の時間の長さによる刺激について少しお話しします。例えば時期をかえて咲かせようとコスモスの種を6月と7月にまいたとしましょう。どうなるでしょうか。
正解はほとんど同じように10月に咲いてしまいます。なぜならコスモスは日中の時間(以下、日長)がある一定時間より短くなると花を咲かせるからです。
このように夏から秋にかけて日が短くなる季節に花をつける短日植物もあれば、春から夏にかけて日が長くなると花が咲くホウレンソウなどの長日植物や、トマトやナスなどのように日長に関係なく開花する中性植物もあります。このように花の咲く時期を決める刺激は種類によってだいたい決まっています。

 短日植物が開花する条件は日長が短くなることと書きましたが。正確には連続した夜間の時間(暗い時間)が長くなることなのです。
つまり、夜間に一度光を当ててやれば、十分な長さの暗い時間がないので植物はまだ日が短くなっていないと感じて花を作りません。
 これを利用しているのがキクの電照栽培です。キクに人工的に光を当てることによって開花時期を遅らせて、秋に咲くキクを正月に咲かせるなど収穫時期を調節しています。
逆に日没前から暗くして、もう日長が短くなったと思わせて早く花が咲くようにすることもあります。イチゴでは暗くすることと低温に遭わせることで花が早く咲くように促す方法も以前から用いられています。
 キクの鉢植えを暗くなる頃から明るい家の中に入れると花が咲くのが遅くなります。逆にシャコバサボテンに3時頃から段ボール箱などをかぶせて暗くすると花は咲きます。一度試してみてはいかがでしょうか。


2005年10月
農業技術センター
野菜栽培チーム 主任研究員 矢奥泰章