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毎日の食生活に農産物を
ふんだんにとりいれましょう

食品には、1.栄養素としての働き(第一次機能)、2.人間の五感に訴える働き(第二次機能)の他に、3.人間の生体調節機能に好ましい影響を与える働き(第三次機能)があり、健康の維持や健康の回復に好ましい効果を及ぼす働きがあることが知られています。こうした機能(第三次機能)を科学的に明らかにしていこうという研究がさかんに行われています。具体的には多くの野菜や果物をはじめとした食品の成分の抗酸化性、抗変異原性、抗ガン性、血圧上昇抑制、抗糖尿病性、抗アレルギー性などの機能についての研究などです。
 それでもまだ、成分の有効性については実験室段階のものが多いのは、実際に食品として摂取したときの効果についてはデーターをとることが難しいこともあります。

 植物に含まれる化学物質で病気の予防等に効果のある成分は総じてフィトケミカルと呼ばれています。「phyto-」はギリシャ語で植物を意味します。カロチノイド、イオウ化合物、ポリフェノール類などの成分であり、例えば、みかんや柿に含まれているガン抑制効果のあるβ―クリプトキサンチンはカロチノイドのひとつです。皆さんよくご存知のポリフェノールは同一分子内に2個以上のフェノール性水酸基を持つ化合物の総称です。植物の色素や苦味の成分であり、ほとんどの植物に含まれ、その数は5000 種以上に及ぶといわれています。 ポリフェノールにはウコンの成分として知られるクルクミン類や、お茶の成分として知られるカテキン等フラボノイド系化合物をはじめとして多くの化合物があります。他にもタマネギなどのルチン、大豆イソフラボンなどが知られています。

 奈良県では、平城遷都1300年(西暦2010年)に向けて「奈良」ならではの味「奈良のうまいもの」7品を創作しています。このなかのひとつ黒米カレーに用いられている黒米(くろまい)にもポリフェノールのフラボノイド系化合物のアントシアニンという化合物が含まれています。緑茶にはフラバノール(カテキン)類が含まれ、抗酸化性、血圧上昇抑制、抗ガン性などが報告されています。
 こうしてみると身の回りの様々な農産物に健康によい様々な成分が含まれていることがわかります。「1日に野菜350g・果物200g運動」といって厚生労働省は、疾病の一次予防に重点を置いた健康づくり運動である「健康日本21」の中で摂取目標量を決めています。
 農産物のもつ健康に与えるよい効果はこれからますます明らかになっていくことでしょう。 大和野菜をはじめ、大和茶、柿、いちごなど私たちの住む奈良県で育てられている農産物はたくさんあります。 新鮮な農産物をバランスよくとりいれ、健康で豊かな食生活をおくりたいものです。

   
2006年2月
奈良県農業技術センター
農業情報・相談センター 主任研究員 門 有紀