注意 過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。

農作業安全

 今回は農作業事故の現状についてお話ししたいと思います。新聞やニュースを見聞していると、トラクターが転倒してその下敷きになった、田の草を燃やしている時に着衣に燃え移った、ハウスに登っていて転落したなど痛ましい事故が毎年報道されています。
 実は農作業中の死亡者は全国でここ10年毎年400人近くいます。従事者10万人あたりの死亡事故件数は、全産業の平均で3.2件、農業の分野で10.8件となっています。農業は死亡事故率が高く、関係者それぞれの立場で事故率を下げる努力が必要です。
 奈良県においては、残念ながら毎年数件の死亡事故が発生しています。最も死亡事故件数で多いのが耕うん機による挟まれ事故です。ハウス内でのパイプ、果樹園での果樹、倉庫の出入り口などさまざまな場面で発生しています。耕うん機を後退させるとハンドルが浮き上がりそれに引っかかって宙づりになって挟まれることもあります。対策としては狭い場所ではバックギヤを入れない、後退する時は周囲を確認するなど十分注意することです。また、クラッチを簡単に入切できる耕うん機もありますので安全設計の機械を使うのも有効です。
  次いで死亡事故件数で多いのがトラクターによる転落・転倒事故です。転倒して体が放り出され上からトラクターが乗っかかってきて下敷きとなるケースが多くなっています。対策としては、危険な所は迂回する、安全フレームを装着したトラクターに乗りシートベルトをすることが考えられます。安全フレームを付けていてもシートベルトをしなければ体が放り出されるためシートベトは必ずするようにします。安全フレームの有効性について、カリフォルニア大学のトラクター転倒事故結果の分析によりますと、安全フレームの救命効果は95%以上あることが報告されています。
 農作業が一段落した今、少し立ち止まって自身の農作業安全について考えて頂ければと思います。

「二柱式安全フレーム」
2006年12月
農業総合センター
担い手養成課 技師 竹村 正行