平成17年度第2回審議会


平成17年度 第2回奈良県男女共同参画審議会の概要

・日 時
平成18年1月19(木) 10時~11時55分

・場 所 奈良県庁舎 5階 第1会議室 (奈良市登大路町30)

・出席者 12名(3名欠席)

・傍聴者
1名

・会議の概要
・「奈良県男女共同参画計画(第2次)(原案)」に対する諮問
(1)次期奈良県男女共同参画計画の策定について
 諮問を受けた「奈良県男女共同参画計画(第2次)(原案)」について審議いただきました。
 今回の意見を集約し答申案を作成、次回審議会で答申内容を決定し、同日答申いただくことについて承認されました。
[主なご意見]
(セクシュアル・マイノリティへの配慮について)
・セクシュアル・マイノリティの問題については、パブリックコメントの意見でもあげられており、昨今様々な問題が表面化しているので、計画に取り上げていく必要があると考える。
・パブリックコメントの意見を踏まえて、セクシュアル・マイノリティに対する人権の配慮について計画に反映させた方が良いのではないか。基本目標IVの基本施策の一つとして、性別のみならず性的志向などによって差別されないといった人権意識の啓発を盛り込んではどうか。
・セクシュアル・マイノリティの人権尊重は必要だと考えるが、今ここで議論しているのは男女共同参画の推進であり、計画の主旨である女性の意思形成過程への参画や女性の地位向上に対して、この問題が資するのかという観点からの検討が必要。
・男女共同参画の推進については、「社会的性別」(ジェンダー)の視点についての用語解説をことさら記載する必要があるような社会的状況であることを十分認識し、セクシュアル・マイノリティの問題を掲げるにあたっても、県民に理解されるのかどうかを検討する必要がある。しかし、問題意識を持っているということは、どこかで表現していった方がよいと思う。
・セクシュアル・マイノリティについて記載することは時期尚早ではないかと思う。まだ国民の中でコンセンサスが得られておらず、状況を見ながら検討すべき。計画への記載については、このような問題もあるといった表現に留めるべき。
・奈良県男女共同参画推進条例に基づき策定する計画であり、まだ遅れているところをさらに進めていこうという第2次計画であることから入れるのが困難。計画には、課題として存在することを入れられるといいが。
・具体的に計画にあげることに、十分な合意ができないのであれば、基本目標Vの施策の方向や、具体的施策に、セクシュアル・マイノリティに対する差別をなくすよう啓発活動の重要性について記載してはどうか。
・コンセンサスが形成されていない状況下で、あえてセクシュアル・マイノリティの問題を記載すると、全体的な枠組みの中で、なぜそれだけが出てくるのかという印象を持つ。本審議会においては重要な課題として認識されていることは確かであるが、あえて文章を加えたり修正せず、現状のままでいいのではないか。包括的に含んでいると理解しておくことでよいのでは。
・国の計画で「社会的性別」(ジェンダー)の視点が重要点として盛り込まれている状況の中で、県としてセクシュアル・マイノリティを計画に盛り込むことが、良いことなのか。県としては男女共同参画の推進に努めることが重要。セクシュアル・マイノリティの問題については、別の角度から取り上げられて推進されるべきであり、国の施策が具体的になればその時点で検討し直してもいいのではないか。
・男女共同参画推進の最終目標は、あらゆる人権が確保された社会の実現であると思う。その一段階として、男女の固定的な性別役割分担を解消しようというのがこの計画の目的。最終的な大目標として、男女だけでなくセクシュアル・マイノリティの方々を含めたすべての人権が尊重される社会を目指すといったニュアンスを含めるに留める段階ではないか。具体的なことに踏み込む段階ではない。
・計画が目指す10年先を見越すと、セクシュアル・マイノリティの言葉を入れるかどうかは別として、すべての人権の問題の一つとして捉えた方がよいが、具体的施策まではいらないと思う。

(「社会的性別」(ジェンダー)の視点の用語解説について)
・「社会的性別」(ジェンダー)の視点の用語解説について、国の基本計画に倣って、「2.「ジェンダー・フリー」という用語を使用して…男女同室着替え、男女同室宿泊、男女混合騎馬戦等の事例は極めて非常識である。」とあるが、具体的事例に対する見解を示す必要があるのか。
・男女同室着替え等、事例に踏み込んで指摘する必要はないのではないか。
・「ジェンダー・フリー」という言葉が、正しく理解されず一人歩きしている現状を強く感じている。こういう言葉をどこかできっちりと訂正しておく必要があると思う。事例は活かしておいた方が良いと思う。
・ジェンダーというのは、学識経験者の中でも明確に定義づけられていないと受け止めている。一般県民の視点で考えると、多くの県民はジェンダーとは何か理解しておらず、事例を示すことによって大変分かりやすくなると思う。

(その他)
 計画の指標・推進目標について、一部検討すべきであるというご意見をいただきました。