9月15日 文教委員会

文 教 委 員 会 記 録
開催日時  平成21年9月15日(火)  13時04分~14時01分
開催場所  第2委員会室
出席委員  7名
        藤野 良次 委員長
        小泉 米造 副委員長
        岡  史朗 委員
        宮本 次郎 委員
        安井 宏一 委員
        岩城  明 委員
        米田 忠則 委員
欠席委員  1名
        出口 武男 委員
出席理事者   冨岡 教育長
           山本 理事
          廣野 教育次長 ほか、関係職員
議  事
(1)9月定例県議会提出予定議案について
(2)その他
 
〈質疑応答〉
 
○藤野委員長 ただいまの説明またはその他の事項も含めて、質疑があればご発言願います。
 
○宮本委員 何点か質問をさせていただきたいと思います。最初に、きょうの説明には入っておりませんでしたが、今議会に条例提案されている件で、労働時間を短縮すると、8時間から7時間45分に15分短縮するという条例が出ています。我々これに反対するものではありませんが、ただ、学校の現場でどうなっているかということを見たときに、年々教員の過密労働による多忙化の実態が報告をされています。この間、定数内講師の解消ですとか、教育条件の整備の要望を繰り返してきたところですけれども、今回の条例改正というのは勤務時間だけを15分短縮するというものですので、残業手当がつかない教師にとってみれば、仕事の効率を高めるか家に持ち帰る残業の量をふやすかということになってしまいます。
 多忙化の問題を放置したままで勤務時間だけを短縮するというのは、現場の実態に合っていないと思うわけですが、この問題で、教職員組合等との合意形成あるいは現場の教師の納得がどのように形成されているのか、この点お聞きしたいと思います。
 次に、子どもの読書活動の推進についてお聞きしたいと思います。近年、子供の活字離れや国語力の低下、あるいは対話による問題解決能力の低下等が指摘されていますが、読書活動は子供が言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものにする上で欠くことのできない活動だと思います。お聞きしたい第1点は、現在学校において読書活動をどのように推進しているのか、その概要をお聞きしたいと思います。
 第2点は、学校図書館の充実についてですが、文部科学省の学校図書館整備5か年計画によりまして、2007年度から2011年度までの5年間で1,000億円かけて図書館の蔵書が整備されることになっています。小・中学校においては、学級数の規模に応じて蔵書数の基準を定めた学校図書標準というものがあると思いますが、この図書標準の本県での達成状況はどうなのかお聞きしたいと思います。
 次に、全国学力・学習状況調査の問題についてですが、1点目は調査の方法についてです。わざわざ悉皆調査をする必要があるのかということを昨年来この委員会でも指摘をしてまいりましたけれども、例えば今回の文部科学省の調査結果というものを見ますと、算数・数学の問題の解き方がわからないときに、あきらめずにいろいろな方法を考える児童生徒、算数・数学の授業で公式や決まりの根拠を理解しようとする児童生徒の方が正答率が高い傾向などということが述べられています。
 日ごろから子供たちに接している現場の教師の皆さんは、こんなことは言われなくてもわかっていると、わざわざ悉皆調査の結果で分析してもらう必要などあるのかという思いを持っておられます。
 また、文部科学省が進める諸施策を導くかのごとき分析が随所に見られると思います。例えば朝食を毎日食べる児童生徒の方が正答率が高い、これは当たり前のことですが、生活習慣の確立をねらう文部科学省の政策を導くためにこういう結果を分析しているんじゃないかと思わざるを得ないような状況で、しかもこの分析は昨年と全く同様だということですので、わざわざ毎年同じ結果、同じ分析をするために、毎年57億円もの巨額の費用をかけて悉皆調査を行う必要があるのかと思うわけです。
 くしくも政権がかわりまして、この57億円も毎年かけるということがどうなのかという議論が始まると思うんですが、悉皆調査を行う具体的な必要性がどこにあるのかというのを、教育長のお考えをぜひお聞きしたいと思います。
 2点目は、学力テストの結果の公表の仕方についてですが、ことしも各都道府県別の正答率が公表されました。この公表によってどこそこの県が何番だという、学力テストによる競争をあおる風潮が一層広がっています。さらにこの動きに拍車をかける危険性が、例えば8月13日に大阪府が2007年度、2008年度の学力テストの結果について、情報公開請求に応じるという形で市町村別の結果の公表を行う、あるいは鳥取県も市町村ごとの結果を公表するということで、一層競争をあおるという結果を招いています。これらは、文部科学省が定める実施要綱にも反するものではないかと思います。
 確認だけさせていただきたいのですが、本県は市町村ごとの結果公表をやらないとの立場を取り続けておられますが、その考えに違いはないのか、教育長の基本的な考え方を確認させていただきたいと思います。
 最後に、高校生を持つ家庭への教育費用に対する支援についてです。新しい政権のもとで、高校授業料の無償化や、あるいは給付型の奨学金の導入などが検討されています。県として、この機会をとらえて国に対して授業料無償化の早期実現を求めるべきだと考えておりますが、そういう考えがないのかお聞きしたいと思います。
 それから2点目は、この経済不況の中、雇用不安と大幅な所得減少という状況の中、高校生、大学生と一番教育にお金がかかる世帯に支援策が必要だと思います。授業料以外の負担も非常に大きくて、新日本婦人の会が調査を行った結果を見ますと、入学時に制服や副教材の費用などで10万円から20万円かかると。通学費でいえば、電車とバスの定期代や自転車の駐輪場費用などで1カ月2万円近くかかるという声も聞いてます。せめて遠距離通学の場合に支援する必要があると思うんですが、そういう支援はできないのかどうか、高校生が通学にかかる費用について、その実態を把握して一定額以上の通学費を負担している家庭に助成制度を設けるべきではないかと思うわけですが、その点お聞きしたいと思います。以上、よろしくお願いします。
 
○冨岡教育長 学力テストのことについて見解を述べよとこういうことですので、その他の問題につきましては各課長から答弁させていただきたいと思います。
 まず学力テストの調査方法は、悉皆でなくてもいいんじゃないかということなんですが、ご存じのようにこの全国学力・学習状況調査といいますのは国が実施主体で市町村が参加主体として行われております。児童生徒の学力や学習状況を把握するだけでしたら、これは抽出でも問題ないと考えておりますし、奈良県でもこの学力テストになるまでは抽出でやっておりました。
 ですけれども、この調査は、各児童生徒の学力や学習状況を把握するだけではなくて、児童生徒への教育指導や学習状況の改善に役立てることもその目的としており、国はこの意味からも悉皆の調査が必要であると考えているようでございます。
 なお、正答率を記した個人票を児童生徒個人にまで戻しているというのも実態でございます。そういう目的で、実施主体は国が、参加主体では市町村がこれを実施してるという状況でございます。
 2点目の確認ということでございます。これは昨年同様、市町村ごとに一覧表にして公表するということが改善につながるという道筋が明確ではございません。ですから、去年に引き続き同じ考えで臨みたいと考えております。なお、市町村、学校は保護者や地域住民等から要請等があれば、これは説明責任の一環として公表する必要があるのではないかとも考えております。以上です。
 
○久保田教職員課長 労働時間の変更、短縮についてのご質問でございます。教員が多忙化していく中でというご質問の内容でございます。
 教員の現場におけます現状につきましては、組合交渉等を通じて各先生方から、ほか現場の校長、教頭あるいは市町村教育委員会を通じまして教育現場の現状については把握に努めさせていただいておるところでございます。一方、国の第8次公立義務教育諸学校の教職員定数改善計画、いわゆる第8次定数改善計画でございますが、ご承知のとおり先送りされておるのが現状でございます。そのような中にありまして、こういう今回の労働時間の短縮につきましては、労働者側にとりましても長年かち取ってきた労働時間の短縮につきまして、実現に向けてお互いに合意形成を図っていこうということでおおむね了解を得ておるところでございます。以上でございます。
 
○吉田学校教育課長 まず、読書活動と図書標準の達成状況、それから高校生の通学費に関する補助でございます。
 まず1点目の読書活動と図書標準の達成状況でございますけれども、文部科学省が調査いたしておりまして、平成20年度学校図書館の現状に関する調査の中で県内の公立小学校の92.5%が、中学校の86.9%が全校一斉の読書活動に取り組んでいることは明らかとなっております。県教育委員会といたしましてはこれらの状況をさらに進めるために、8月に実施をいたしました新教育課程の説明会で読書活動の重要性について説明いたしまして、今年度作成する指導資料にも読書活動の推進について記述するなど、その推進に努めているところでございます。
 次に、学校図書館図書標準の達成状況についてでございますけれども、同調査で平成5年に図書の整備を図った際の目標として、国が設定しております委員お述べの学校図書館図書標準の達成状況でございますけれども、県内公立小・中学校の割合はそれぞれ24.5%、22.4%となっておりまして、平成19年度の調査から比べますと4ポイント、それから4.6ポイント増加いたしておるものの、全国の割合に比べて低い状態になっております。
 学校図書館の整備と充実につきましては、ご質問の小・中学校においては、学校図書館法で市町村の役割が明確に定められておりますけれども、県教育委員会といたしましては、これまでから学校図書館図書購入のための経費として地方交付税措置されていることや、各市町村単位での達成状況などをあわせて各市町村教育委員会に示すなど、学校図書館図書標準の達成に向けて努力しているところでございます。今後も一層読書活動や図書標準の達成について市町村に促してまいりたいと考えております。
 それから、通学費の件でございますけれども、通学費の実態を把握して助成制度を設けることにつきましては、本県の場合、通学区域を高等学校に設けていないことから、通学手段や費用等も考慮しながら学校選択は一定可能であること、さらに通学費の負担の軽重は、その金額そのものというよりも所得全般にかかわる問題でございまして、就学機会の確保を目的とする奨学金で対応すべきものであると考え、緊急対応として約300人を追加できるよう、この議会に補正予算案を提出しているところでございます。なお、通学困難を伴うへき地の自宅通学者に対しましては、就学支援奨学金や育成奨学金ともにこの通常枠を超えたへき地加算、月額1万2,000円を行っているところでございます。
 
○宮本委員 学力テストについてですが、昨年と同様の答弁で、情報公開の請求があったときには説明責任として公開する必要があるという点は変わらないという点が気になるところです。
 このテストの結果をどう分析するかということで、全日本教職員組合が全国のアンケートをとった結果を見ますと、年々テスト対策というものがひどくなっているという声が特徴的でして、前の日の夜7時まで、できない子を集めて補習した学校があったとか、昨年の問題を見せたり、解くコツを教えたりしたとか、ひどいケースでは、不登校ぎみの生徒について、この子を来させない方法はないのかと管理職が言ったというような、まさに教育とは無縁の姿が告発されています。
 これらの事実は、学力テストとその結果公表が教育のあり方をますますゆがめていることを示すものではないかなと思うんです。かつて国連・子どもの権利委員会が、日本の教育の現状を過度に競争的な教育だと指摘して日本政府へ勧告しましたが、学力テストによって競争があおられるという事態が広がっている以上、学力テストの実施そのものを中止するべきだと思います。国に対してどういうふうに声を上げていくのか聞きたいところではありますが、政権がかわったということで、これはきょうのところは置いておきたいと思います。
 それから、条例提案をされている件、労働時間の短縮だと、おおむね了解を得たことを久保田教職員課長からお答えいただきましたけれども、労働時間が短くなることは大いに賛成だと思うんですが、学校の先生の場合はそうはならないです。早く帰ろうと思えば効率をものすごく上げるか、ただでさえ全力で頑張っているわけですから、持ち帰り残業をふやすか、どちらかの選択肢しかないと。ですから、教育条件の整備ですとか人的配置、さらには定数内講師の解消ということ抜きにこの時間短縮だけやっても何の意味もないということが多くの教員の実感であり、教職員組合の皆さんの最後まで主張されていたのもこの点ではないかと思うんです。
 ですから、この条例は反対するものではありませんけれども、労働時間短縮というその精神を生かすんであれば、一刻も早く定数内講師を解消することと教育条件の整備をすることが必要だと思いますので、その点は意見を申し上げておきたいと思います。
 それから、子どもの読書活動の推進についてですが、先ほど図書標準の達成率が小学校で24.5%、中学校で22.4%とお答えいただきました。これ、全国平均はどれぐらいなのかをお聞きしたいのと、全国平均と比べて大きくおくれていると思うんですが、その原因はどこにあると考えているのかをお聞きしたいと思います。
 それから、通学費の援助の件ですけども、これは遠距離通学については寮があると、あるいは学校選択は自由なので、手当てをする制度は持っていないという答弁だったと思うんですが、その遠距離通学の実態というものは県教育委員会として今、把握されてるのかどうか。例えば通学時間が1時間以上かかる生徒は何%ぐらいいて、90分以上かかる生徒は何%いるのかとか、あるいは定期代で平均幾らぐらいかかっているのかという実態を把握されているのかどうか、この点お聞きしたいと思います。以上、お願いします。
 
○吉田学校教育課長 まず、図書標準の達成状況の全国平均でございますけれども、平成20年度では小学校で45.2%、それから中学校で39.5%でございます。
 その原因はどこにあるのかということでございますけれども、この図書標準の達成状況でありますけれども、かなり市町村によって差異が生じております。したがいまして、市町村個々の事情まで具体的に把握していないというのが現状でございます。
 それから、遠距離通学の実態を把握しているかどうかでございますけれども、これも現状把握はできておりません。
 
○宮本委員 全く実態が把握できていないということですから、これでは何の手も打てないというのをみずから述べているようなものだと思いました。それで、電話一本でわかるんですね。例えば西和清陵高校に電話をして聞きますと、即座に事務長さんが答えてくれました。30分以内の通学時間の生徒は9.0%ですと。30分から1時間以内が64.9%で、1時間以上かかる生徒は26.4%いて、そのうち1%は90分以上かかってますということですとか、あるいは徒歩で来る生徒は何名、自転車は何名、近鉄電車が何名、自転車と近鉄の組み合わせが何名と。あるいはバスとJR、近鉄、3つ使っている人が何名ということも即座に答えていただけましたし、平均的な定期の額というのは、これは一人一人抽出をしないと、乗る駅とかバス停によって違うので即座に答えられないけれども、調べよと言われたらいつでも調べられますというのが学校サイドの声なんです。
 ですから、そういう点ではぜひ調査、実態把握に努めていただきたいと思うんですが、そういう準備はあるのかどうかをお聞かせいただきたいと思いますのと、それから図書館、読書活動の推進についていいますと、これも大きくおくれている現状はつかんでいるものの、それぞれの市町村の実態はということですので、これもいろいろ聞きますと、実はこの5年間の1,000億円が地方交付税措置だということですので、財政難の地方自治体にとっては、それだけの額が見込まれていると言われても十分に学校に回せないという状況があるんだということです。実際に図書館に足を運んで見てみますと、相当古くなった書籍、それも昭和40年代、50年代に購入されたものを大事に大事に使っておられるという状況があります。
 これを何とか新しいものにしていくことはできないのかと。特にこのインターネットが普及した時代で、インターネットの有害サイトの対策なんかも議論しなければならない時代に、図書館が魅力的なものになってこそ、インターネットよりも魅力的なものになってこそ、子供たちの豊かな情操活動が進むんじゃないかという声をよくお聞きするわけなんです。ですから、そういうところに原因があるなと思いました。
 それで、読書活動の問題についていいますと、同じことが司書教諭の問題でも言えるんじゃないかなと思いました。2003年度から12学級以上ある小・中学校については司書教諭の配置をすることが義務づけられましたが、この司書教諭の配置状況は現在どうなってるか、これをお聞きしたいと思います。
 
○吉田学校教育課長 実態把握について検討をしていくという計画があるのかということでございますけれども、今、委員がおっしゃられましたように、私どもの方も学校へ訪問する機会等がございますので、そういった機会を通じて、把握することも含めて検討してまいりたいと思っています。
 
○久保田教職員課長 学校図書館法の改正がございまして、平成15年4月1日から12学級以上の小・中・高校及び特別支援学校、各学校につきまして学校図書館司書教諭を置かなければならないということになっておるところでございます。平成21年度6月現在の状況につきましては、244校中242校に配置しておると、配置率99.2%というのが現状でございます。2校未配置になっておりますが、引き続き努力しておるところでございます。以上でございます。
 
○宮本委員 通学費の援助についてですが、実態把握には努めていただけるという答弁をいただいたと思うんです。その実態把握に努めた上で、ぜひこういった通学や高校の授業料以外の部分に対する援助というのを検討していただきたいと思っております。
 今、世界は高校授業料は無料にしようという流れが主流でして、OECD加盟30カ国で高校授業料が有料なのは日本と韓国、イタリアとポルトガルの4カ国だけで、26カ国は無料です。高等教育無償化をうたう国際人権規約A規約の第13条2項b及びcというのがありまして、これを批准していないのはアフリカのマダガスカルと日本、2カ国だけという状況になっておりまして、お金のあるなしで学ぶ権利が左右される、進路が左右されるという時代は、いち早く過去のものにしなければならないと思いますので、そういう高い通学にかかる費用、特にバスの定期でいいますと、西和清陵高校の近鉄信貴山下駅から学校前までのバスの定期は1カ月約5,000円かかるといっているんです。そういう実態がありますので、ぜひ補助制度を、京都府もやっておりますし、検討していただきたいと思いますので、要望しておきたいと思います。
 それから、図書館の問題ですが、司書教諭がおおむね配置をされているということですが、未配置の学校が2校あるんですね。司書教諭というのは、資格がないと発令ができませんが、奈良県の場合の有資格者数は870人おられるということですので、これをうまく配置すれば100%はそんなに難しいことではないと思いますし、またこの司書教諭の問題でいいますと、現場の先生の数がかつかつですから、例えば学級担任と司書教諭と兼務ということがほとんどですから、そうなってくると図書館の手入れにかける時間がそれほどとれないというのが実態で、発令しただけで実際役割を果たしているのかというと、そうではないというのが現状だと思いますので、冒頭述べましたような条件整備ということとあわせて、ぜひ魅力的な図書館づくりに力を注いでいただきたいということを申し上げて、きょうは質問、これで終わらせていただきます。以上です。
 
○藤野委員長 ほかにございませんか。
 
○岡委員 3点ほどお聞きしたいと思いますけれども、1点ずつお尋ねします。
 まず1つは、先ほどご説明いただきました補正予算の件でございますが、基金7億4,000万円、高等学校等修学支援ということでございます。これについて、基金というわけでございますので、これは3年間ということで条例に書いておりますけれども、運用益で支援を考えておるのかと思うんですけれども、その具体的な内容と、3年後はこの基金のお金はどこへ行くことになるのでしょうか。お尋ねしたいと思います。
2点目は、先般もここで質問させてもらいましたけれども、教職員の人事についてでございますが、先般、担当窓口の皆さんに資料提出をお願いしている中でまだいただいていないものがございます。それは内申書等の希望と実際行われた人事がどうだったのかという、その構成比を教えてほしいということでお願いをしておるところでございます。毎年1,500~1,600名の人事異動があるように聞いておりますけれども、それらの人事の中で、内申書に書いたことと実際行われた人事とがどのようになっておるのかということを教えていただきたい。これについて先般お聞きしましたら、内申書というのは個人情報に類するものなので、それを公表するということについては云々ということで、できないような説明を受けております。
 しかし私は、個人の情報を教えろというんじゃないんです。毎年1,600件ほどある人事の中で、内申書も全員恐らく出しておるわけでございますから、恐らく1,600人の内申書を見た上で人事されていると思うんですね、動いてる方については毎年。それがどのように内申書に書いた3カ所の希望される地域にはまったのか、もしくはそれ以外のところにはまった方は何人いているのか、その数字を教えてほしいという希望でございますので、それについて、これは資料としてぜひ提供してもらいたい。これが2点目でございます。
 それから3点目は、これは私の地元の橿原市の話でございますけれども、橿原市の西池尻町という町があるんですけれども、そこの小学生が、小学校に通学するのに非常に徒歩では遠い、それから危険も高いということで、もう従前から、近鉄電車を使って通学してるわけでございまして、1カ月1,000円程度と思いますけれども、父兄が毎月定期券を購入して子供に渡して通学するという実態があるわけでございます。
 橿原市も一向にこれを改善しようとする意向が今のところ見受けられないわけでございますけれども、県教育委員会として、この実態についてどう考えるのかをご意見をお伺いしたいし、私の立場からすれば、義務教育をする中で月1,000円程度の定期券代を、それも全員じゃなくてそこに住んでいるがために、半ば強制的に定期を買って小学校に通学をしなければならないという実態は解消すべきであると思いますが、お考えをお聞きしたい。この3点でございます。
 
○植田学校支援課長 今回設立を予定しております基金を活用した奨学金をどういうふうにやっていくのかということだと思いますが、まず、この基金といいますのは、地域活性化・経済対策臨時交付金を原資としまして奈良県高等学校等修学支援基金を設立いたします。今度はその基金の取り崩しによりまして、具体的には平成21年度、特別貸与修学支援奨学金と特別貸与育成奨学金、その2つの奨学金を設けまして、おのおの150名、トータルで300名の方に対して特別貸与するという予定をしております。ということですので、その運用益でこの奨学金を実施するというものではございません。基金の取り崩しによると。
 原則としましては、この平成21年度貸与しまして、3年間その貸与を行います。平成23年度末でその基金を精算しまして、その剰余分につきましては国庫に返還すると。既に貸し付けて取り崩した分についてはいずれ償還、返還があるわけなんですが、その分については県費の一般財源に繰り入れるということになっております。以上でございます。
 
○久保田教職員課長 教職員の人事異動についてご質問いただいております。県内に教職員、1万人超おります。例年4月1日付の異動を目指しまして3月末に内示をしております。
 結論から言いますと、内示をして4月1日に人事異動を発令しておりますが、それが人事異動に関しましてはすべてであるという認識でおります。ご質問の中で、3つの希望云々のご質問がございましたけれど、希望どおりにいく教職員、希望かなわない教職員等あるかと思いますけれど、人事異動につきましては4月1日付の発令がすべてであると認識しておりますので、お尋ねの資料提供はありませんので、ご了解いただきます。
 
○吉田学校教育課長 通学区域につきましては、市町村で条例規則等で定めておると認識いたしておるところでございます。ただ、通学区域を弾力的に運用するということも可能であるという認識もいたしておりますので、どういった状況であるかということも含めて把握させていただき、そして橿原市で、どういった規則に基づいて通学区域が定められているかという事情を聞かせていただきたいと思います。
 
○岡委員 まず1番目の基金の運用については大体わかりましたけれども、ただ、ちょっとわからないのは、既に執行された3年後に、既に執行されて減免されたものは、当然これもう支出で返りがないわけですよね。返ってくるとすれば貸与の分ですね。この分が本人もしくは、まあ本人からでしょうね、返されるということがあるんだろうと思います。奨学金の分については。それが返ってきたときにはこれはもう、国に返すんじゃなくて、県の一般会計に算入するということで今説明受けましたけれど。この辺の考え方で何か問題はないんですか。国から受けたこういう特別の基金をいただいて貸し付けをした部分で、返ってきた部分を県の一般財源に編入するという説明ですけれど、それは間違いないのかどうか、大丈夫なのか。もちろんルール的に問題がなければいいんですけど、普通、素人考えからいうと国に返すのとちがうのかなと思うわけでございますが、それは大丈夫なのかどうかの確認だけしておきたいと思います。あとは結構かと思います。
 それから、2番目のことでございますけれども、これもここで長々言う気はしませんけれども、なぜこれを言うかという背景については前回、また前の代表質問でも申し上げております。要は、各市町村の教育長さんが人事異動のときにいつも悩まされているのがこれでございまして、内申書をどう扱うかということでございまして、なかなかその人事配置が思うようにいかないというお声がたくさん私の耳に入りましたもので、その原因は何かというと、内申書に縛られておる人事が行われてるということでございます。簡単に言いますと、前にも言いましたように、本人が希望するところ以外への人事は原則しないという暗黙のお互いの了解事項があると、はっきり聞いております。これは教職員組合と県教育委員会との恐らく、もしくは市町村の教育委員会かもしれませんけれども、暗黙の了解事項だと思います。
 ここでもう一回言いますけれども、ここら辺を改革していかなきゃならない一つのかぎがあると思うんです。全部調べたわけではございませんけれども、ある私の知っている県に聞きましたら一笑されました。奈良県なんてまだそんなことやっているんですかと言われて笑われました。
 いずれにしましても、この今の内申書のあり方、取り扱いについては教育委員会として、やっぱり改革すべきであると。その観点から今申し上げました情報を教えてほしい。扱いについてはどうなっているのか。
 先ほどの答弁では、4月1日の人事発表以外何もないと。一見正しいように聞こえますけれども、人事というのはある日突然に出るものではございますけれども、出るまでの経緯を問題にしているわけでございまして、これは現場で何人かから事情聴取しておりますし、またデータもいただいておりますし、文書もいただいていますので、必要とあらば公表しますけれども。
 いずれにしましても、そういう問題を解消するために、とりあえず一つの切り口としてはこの内申書の扱いについての考え方を改めるべきではないかと。そのためには、今現在どのようになっておるかという実態を把握する話がないことには話が前に行かないわけでございまして、これ委員長、お願いしたいんですけれども、教育委員会の見解は個人情報保護法ですか、その個人の情報に関する部分があるので公表できないということでございますけども、私が求めているのは個人の情報じゃないと思うんです。年間1,600件ほど異動のある中での、内申書がどう扱われているかという、占有率であるとか件数を教えてほしいということをお願いしているわけでございまして、この辺については保護すべき情報ではないと思いますので、ぜひこれ委員長、資料を提出していただくように再度お願いしてほしいと思います。答えはどうせ同じでしょ、何遍聞いても。どうですか、もし後であったら言ってください。なければぜひ委員長にお願いしたいと思います。
 それから、3点目の橿原市のある小学校の件でございますけども、学校教育課長から、今までご存じなかったですか。これはもう、実は地元で市会議員しているときから問題視しておりまして、市の方には再三申し上げたんですけれどもなかなか解決できないで来ているわけです。
 そのとき思ったことは、金額の多寡ではないと。義務教育という精神からして、やっぱりそこに住んでおるがゆえにそういう費用が、半強制的に払わないと通学できないという環境に置かれてるってことは、これやっぱり義務教育の精神にもおかしいじゃないかなと。ほかの学校ではそんな負担せずに通学しているわけですよね。
 もちろん、解決策は当然言いました、校区の線引きを変えたらどうかとか、いろんなことも議論されてきました。当然そういう解決方法はあるわけです。ところが、なかなかそれはすっといかんわけですよね。
 であれば、当面はこういう子どもたち、父兄に負担させてるものについて県教育委員会として市に対して何らかの措置をするように、そしてそれが嫌ならば早く校区の線引きをやり直せということを強く指導するべきでないかと思いますけれども、改めてその辺についてもう一回答弁をお願いしたいと思います。
 
○植田学校支援課長 基金につきましては、国の交付金の方で3年間の時限措置ということになっております。その3年間で執行した分については返還の必要がないということになっております。
 県の方ではこれをできるだけ有効に活用したいと思っておりまして、平成21年度、今年度で150名、150名、計300名の募集をいたします。平成22年度におきましても、同様にその特別枠での募集もやっていきたいと考えております。平成23年度におきましても同じようなことをやっていきたいと思っておりますが、平成22年度の300名、もしそういう執行をいたしますと3年間ということになりますので、平成23年度をオーバーして平成24年度にかかります。この期限自体が平成23年度までの3年度間ということになっておりますので、平成22年度実施したら平成24年、それから平成23年度に実施します平成24年度、平成25年度分につきましてはこの基金の対象外ということになるんですが、それは長い目で見まして、平成21年度に貸し付けた分については早い方で平成24年度から返還が始まると。その始まった、返還された額を平成24年度、平成25年度に貸し付けた方の財源に充てていくと。そういうふうに活用していきたいと考えております。
 制度自体につきましては、平成23年度までに活用したものまでを基金を取り崩しまして県の方で活用させていただくと、剰余につきましては精算しまして国庫に返還させていただくということになっております。
 
○久保田教職員課長 内申書というものを、どういうものをとらえていらっしゃるのかよくわからないんですけれど、通常教職員を異動するということになりますと、知事部局の職員もそうですけど希望調書というのをとっているわけですけれど、それはおおむね家庭の事情であったり通勤の状況であったり、そういういわゆる本人のみぞ知るような情報が書かれておるわけで、その中に仮にそういう希望勤務先というようなものも含まれておるとしましても、そういうものを公表するということになりますと、対象となる職員が実際に本当に自分が何を考えておるのかということを書かなくなるというおそれが多分にありますので、仮にそういうものが存在するとしましても、我々はそういうものを公開することを拒否いたします。以上でございます。
 
○吉田学校教育課長 県下でこういった状況が場合によっては起こっている可能性もあるわけですけれども、個別の状況ととらえさせていただいて、まず状況を確認いたしながら、どういった助言ができるのかどうかということも含めて検討してまいりたいと思います。
 
○岡委員 最初の基金の件については結構だと思いますけれども、これ要望ですけれど、あと大変ですけれども、貸し付けたものは必ず返してもらうというようになりますので、その作業がかなり尾を引くと思うんです。でもこれは公平を期する上で、減免するものはこれはもう返してもらわないわけでございますけれども、奨学金については返してもらうわけですから、しっかりその管理を、責任者がいないというようなことにならないように、ちゃんと責任を持って最後の回収を見届けるよう、ぜひともそれは要望しておきたいと思います。
 それから、さっきの小学校の通学の件でございますが、これはぜひ早急に実態調査していただいて、適切な助言、アドバイスを市の方にしてもらいたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから先ほどの内申書の件でございますけれども、やっぱりああいう答弁聞くともういら立ってくるんです、紋切り型のね。なぜこのことを言ったかという背景はご存じでしょう。これは現場の校長先生、それから教育長等から、何人かからそういう話があったわけでございます。
 ざっくばらんに申し上げます。ここへこの人をこう異動したいんだけれども本人が希望しないから異動できませんと、簡単に言えばそういうことです。本人が希望しないところへは異動できないという暗黙のお互いのものがある、それに違う異動をしようと思えばもう大変なことになる。
 特にここで問題ということで提案したのは、一つは山間へき地への先生の異動が難しくなっている。だれも手を挙げてくれない。前にも例を挙げました、ここに名前出しますけれども、十津川村の教育長さんなんか悩んでいらっしゃいました。だれも手を挙げてくれない、仕方ないから新卒の先生に来ていただくしかないんだと。それはそれでまたメリットもあるんだけれども、ベテランの先生ももっと手を挙げて来てほしいんだけれども、なかなか来手がないと。
 もう一つ、これも名前上げて申しわけないですけれども、大和高田市内の学校がたいへん荒れました。だれも手を挙げない、大和高田市に希望する先生がいない。もう教育長以下、各校の校長先生が大変悩まれています。ちなみにこの大和髙田市の教育委員会が持ってらっしゃる資料を見せてもらいますと、長期勤務者が非常に多い。中には20数年間1カ所にいているというような先生もおります。これは先生が悪いのか、来手がないからやむを得ず置いているのか、よくわかりません。そういうふうにして10年以上の長期勤務者をなくそうということで、今、県が取り組んでもらっているさなかでもございます。
 そういう中で、今言った、そういう暗黙のルールが現実に障害になっているという認識が教育委員会になければだめです。それをちゃんと持っているんだったら持っているで、しっかり扱いについてできるだけ県民に対して情報公開できるものは情報公開して、理解を得ていく。また、全国の都道府県の実態はどうなのかということも1回みずから調べてください、どんなことなのか。
 内申書をとることを悪いと言っていません。前にも言いましたように、いろんな家庭の事情があります。家族に介護者がいる、もしくは本人が病気がちである、いろんな問題抱えています、先生方も。それはそれで大いに配慮してあげてほしいと思います。
 そのことと、今言ったようにすべて希望しないから異動できないという、それだけの理由で動かせないというのは、これは人事でないですよ。ほかの職員さんはどうなんですか、先生以外の県の職員さん。そんなもの認めてもらっているんですか。教職員だけでしょうが、実態は。だから問題があるということを言ってるのはそこなんです。
 委員長、そういうことでございますので、今もこういう答弁でございますので、資料を、今言ったように全体の数字で結構です。何も個人の情報を出せとは言いません。3年なら3年間、過去こういう異動があって、その中で希望したところへ行けた方は何名、そうでないところへ異動した方は何名と、こういうものを教えてほしい。
 聞くところによりますと、私が聞いた話ですよ、昔は学校の名前を書いたそうでございます、3つの学校の名前を。今はそれではいけないということで、地域、市町村とか方面とか、例えば吉野方面であるとかね、そういう地域を指定するようになっているようでございますけれども、その辺のことも含めて実態がどうなっているかということを、やっぱりつまびらかに県民の前にすべきであると。人事という建前上ですね。そこでみんなが公正、公平に人事がされているということが、安心感がない限りは、正直者がばかを見るということになると思いますので、ぜひ委員長、取り計らいお願いいたします。
 
○藤野委員長 後ほど協議いたします。
 ほかにございませんでしょうか。
 ほかになければ、これをもちまして質疑を終わります。
 次に、委員長報告につきましては、正副委員長にご一任願えますか。
     (「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、そのようにさせていただきます。
 これをもちまして本日の委員会を終わります。