集落対策推進モデル事業



奈良県の過疎地域における集落対策推進モデル事業(曽爾村の取組)


1.事業の目的
人口減少と高齢化などにより衰退が懸念される小規模集落を維持・活性化するため、過疎地域において、「集落支援員」を設置して自立・活性化に取り組むモデル集落を選定し、集落が抱える課題とその解決に向けて講じられる取組について、外部有識者等による助言、支援を行いながら、その取組の進行過程を記録し、参考事例として県内の他の過疎地域に紹介することを目的に行いました。

2.モデル地区選定の経緯
平成21年5月、各市町村に通知してモデル地区を募集したところ、曽爾村から応募がありました。
曽爾村は、平成20年11月に、全9集落に各2人ずつ合計18人の集落支援員を設置しており、村と住民が協働で主体的に集落対策に取り組む積極的姿勢が認められることから、県では、曽爾村の9集落をモデル地区に選定しました。

3.事業の進捗状況
曽爾村の取組を、奈良県立大学の教員、学生を中心とする大学チームがサポート。
平成21年5~6月に、集落支援員に対するアンケート調査を実施し、その調査結果に基づいて集落支援員インタビューを実施しました。
平成21年9月末からインタビュー結果を基に、第1回住民ワークショップを開催して、集落の課題等を抽出、また、平成22年2月に第2回ワークショップを開催し、第1回目の結果を理解したうえで、課題解決に向けた取組を議論しました。

■第1回住民ワークショップの概要

1.目的
第1回住民ワークショップは、集落支援員インタビューによって得られた集落の課題を参考に、様々な立場からより現実的な課題を聴き取り、集落の住民同士でそれらを共有することを目的に行いました。

2.内容
ワークショップの冒頭で、全体的な状況を認識し、また外部者から見た集落の姿を知ってもらった後、グループごとにわかれて、様々な立場(主に女性、若者、高齢者でグループを構成)からの意見を聞きました。最後にグループごとに発表して全体での結果の共有を図りました。



■第2回住民ワークショップの概要

1.目的
第2回住民ワークショップは、まず住民が第1回目の結果である集落の課題を理解したうえで、集落の地域資源を利用し、それらの課題解決に向けた取組を考えることを目的に行いました。挙げられた取組の中から、次年度以降、実際に集落で取り組める方策を導き出すために、各取組に対する住民の簡単な評価(取組への参加意向の調査)を実施しました。

2.内容
まず、前回の課題の振り返りを行い、他の地域での取組について紹介しました。次に、グループごと、集落の地域資源を主に、自然環境、産業、伝統、コミュニティの4つのテーマごとに挙げてもらいました。その後、それらの地域資源を利用して、各自が取り組みたい方策を考え、さらには各方策について実施時期及び実施主体を選択してもらいました。最後にグループの代表的な取組について、全体で旗揚げ式のアンケートを実施しました。