私たちのチャレンジ

~季節のお話や人形劇で親子一緒に
楽しめる空間をつくっています~
 
  おはなしらんどカンブリア
  松谷圭子さん
 (吉野町在住)

「おはなしらんどカンブリア」は、絵本大好き、おはなし大好き、楽しいこと大好きなお母さんが集まって出来たグループです。小学校や幼稚園、老人会に出かけてお話会や人形劇をされています。松谷さんのこども時代の思い出やこれまでの経験がすべて今のチャレンジにつながっています。

-ワクワクした子ども時代の楽しい思い出が原点?-

小さい頃、テレビでは「ひょっこりひょうたん島」が流行っていました。人形劇への憧れはその頃、芽生えたと思います。小学生の頃は巡回劇場で学校で人形劇公演があったり、映画鑑賞会が開かれるのが楽しみでした。
松谷みよ子さん原作の「たつのこ太郎」の人形劇を見た時はドキドキしました。テレビとは違って、目の前で生き生きと動く人形達に釘付けでした。そして、この物語が自分の生まれ育った長野県に語り継がれてきた昔話をもとに書かれたことを知り、民話や神話に興味を持つようになりました。

-長野県での教師時代に人形劇やかたりべとの出会いが

                             あったんですよね-

地元の大学の教育学部を卒業し、長野県南部の小さな山の小学校に赴任しました。近くに飯田市という町があり、そこでは毎年8月に人形劇カーニバルが開かれます。日本中のいえ世界各国からもプロ・アマの人形劇団が集まり、4日間、町は人形劇一色となります。子ども達を連れてカーニバルにゆき、「人形劇をしたい」という気持ちが大きくなっていきました。
この頃、もうひとつの素敵な出会いがありました。学生の頃、童話作家松谷みよ子さんに憧れて入会した「日本民話の会」が毎年開催している全国交流会に初めて参加したのです。会場は群馬県の猿ヶ京温泉でした。降るような星空の下でぽよ~と露天風呂につかっていると、東北の語り部、遠藤登志子さんが入っていらっしゃって、みんなに請われるまま大きな岩の上にデンと腰掛けて、昔話をして下さったのです。それは夢を見ているように心地よい時間でした。人の語りがこんなにも心を温かくするのだと初めて知りました。

-教師を退職して奈良へ・・。そして7年目に長女誕生-

3年間共に過ごした8人の子ども達と別れ、結婚して夫の故郷である奈良県吉野町にやって来ました。
なかなか子宝に恵まれず、辛い不妊治療や民間療法、神頼み・・等々色々試し、精神的に追い詰められた時期もありました。しかし、クヨクヨしていても始まらないので、不妊治療とアルバイトの間をぬって大阪へ人形劇の講座を受けに行きました。京都の人形劇団「まある」の大原めい氏に初歩的な人形劇製作のプロセスを学びましたが、私がめい先生から教えて頂いた1番大切なことは、人形劇は生活のあちこちに溢れているということに気づかせてもらったことでした。料理をしながら、おたまもフライパンも個性を持ち、生き生きと動き出してしまう、そんな不思議な「ものの見方」を教えて頂いたのです。
結婚して7年目、待ちに待った赤ちゃんが我が家にやって来ました。
長女の誕生が私にもっともっとたくさんの出会いを運んできてくれたのです。

-いよいよ松谷さん本人もかたりをはじめたんですよね-

-そして、カンブリアのおはなし会と人形劇の誕生ですね-

長女が1才の時、吉野町保健センターに子育てサークルができました。そこで出会ったお母さん達とサークルのクリスマス会で小さな人形劇をしました。それがきっかけで幼稚園入園後、「ひよこ座」というおはなしのグループを結成。校区の違う幼稚園のおはなしグループ「なないろ」と情報交換などをしているうちに、子ども達にこの吉野の町でプロの人形劇を見せてあげたいという思いで一つになり、「おはなしらんどカンブリア」が生まれたのです。
大阪の人形劇団「クラルデ」さんの公演チケットはわずか数日で完売でした。
その後、子どもゆめ基金の助成を受け、川上村や東吉野村のおはなしグループも誘って「まある」の大原めい先生に人形劇講座をして頂くことになりました。その成果を発表する場として「おはなしカーニバル」を開催することになり、三町村のグループで「子育てネットワークのほほん」を立ち上げました。毎年、多彩なメインゲストを招き、開催するカーニバルは1年に1度の同窓会のような温かいイベントになってきたように思います。

-人形劇でまちおこし?-

吉野は悠久の歴史と豊かな自然の町です。この町には、たくさんの素晴らしい物語のモチーフが残されています。その中のひとつ、吉野に縁の深い源義経の物語を人形劇にしたいという夢がありましたが、あまりにも壮大なテーマにどのように取り組んでよいか分からずに悩んでいました。そんな時にクラルデさんの「銀河鉄道の夜」を見たのです。紙で作られた人形達はシンプルゆえに見る者の想像力をかきたてて、言葉以上に語りかけてくるものがありました。吉野の特産の和紙で人形を作りたい!!この思いを受けとめて下さったクラルデさんは足繁く吉野に指導に来て下さって、2008年11月「カンブリア版 義経千本桜」が完成しました。
それを機にクラルデさんの人形を吉野町の空き施設で保管することになり、町の人権集会や特別老人施設や幼稚園でクラルデさんが公演して下さることになりました。まちおこしといったら大げさですが、これからクラルデさんも一緒に吉野でもっと楽しいことが出来るような気がします。夢はいっぱいです。おはなしを過ごして人形劇を通してあったかい笑顔いっぱいの吉野になればいいなと思います。


松谷さんから女性へのチャレンジメッセージ
 
なにごとも「始める」ことよりも「続ける」ことの方が数倍もエネルギーが必要です。
でも、まずは小さな一歩から始めてみたらどうでしょう。
そして、何よりも無理をしないこと、楽しいと思う気持ちが1番です。
私も家族を大切にして、仲間を大切にして、ゆっくりとのんびりと続けていきたいな~と思います。
 
 

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