優良賞8

 僕の故郷

                              山添村立山添中学校 1年 德田 光叶

 僕が習い事に行く時は自動車で四十分間かかります。その四十分間で景色がガラッと変わることに気がつきました。色彩でいうと、草木の緑から建物の白、道路の黒といった、たくさんの色があふれ出す感じです。また、人を時々見かけるという景色から、人がいない場所を探せないという景色に変わります。聞こえるものも自然のきれいな音から、車や電車の音といった人工の音に変わるのです。僕の住んでいる村と町とではどのような差があるのか、気になりました。
 あらためてニュースを見てみると、人口減少、少子高齢化などの言葉を見かけるようになりました。なかでも、僕達の住んでいる場所、つまり村に多く起こっていることだと思います。村は元々人口が少ない所です。なぜ人口が多い場所ではなく、元々少ない場所でそのような問題が起こるのでしょう。人口の多い町と少ない村を想像してみます。町には電車が走り、大きな店がたくさんあります。村では農具を持った人が農作業をしているイメージしかありません。この町と村との差は経済が発展しているかどうかのちがいだと思います。経済が発展すると収入が増える。こうして技術が発展する。技術の発展でさらに経済が発展するという繰り返しが生まれます。当然人々は発展している、より便利な町に行こうとします。その結果が人口減少と、少子高齢化につながっているにちがいありません。この状態が続くと、僕の大好きな山添村は住む人がいなくなってしまうかもしれません。
 そんなことを防ぐには、村に人々を呼び込む必要があります。まず村の中にある観光資源を活用し、山添村のよさをアピールすることから始めるべきだと思います。山添村にはなべくらやめえめえ牧場などがあります。そのほか特産物ではお茶があります。なにより、僕のおすすめは夜の星の美しさです。考えてみると、山添村にはたくさんの良いものや場所があります。この観光資源を活用し人々を集めれば、村は発展すると思います。
 ただ、村が発展すると、問題も起きます。観光客がゴミを捨て、ゴミ問題が起こります。さらに、車で村を観光すると空気がよごれます。そんな事が重なり、緑が減り自然破壊が進みます。そうなれば山添の特色がなくなり人はまた減っていき、本当に山添村はさびれてしまうでしょう。
 観光客を呼ぶことと、美しい山添村を残すこと、この両方を僕は選びたいです。
 そこで、僕が考えたのは、江戸時代にタイムスリップしたかのような観光をしてもらうことです。江戸時代には車もペットボトルもありません。まず、車を村の入り口に作った、大きな駐車場にとめてもらい、神野山やなべくら、めえめえ牧場を歩いて楽しんでもらうのです。
 そうすればゴミになるものの持ち込みを防ぐことに理解をしてもらえると思います。車で村を走ることもなく、大気汚染は起こりません。また、歩いてつかれた所に、山添村で作られたお茶が飲めたり、山添村のお米で作られたおにぎりなどが食べられたりする休けい場を作っておくといいと思います。
 このアイデアがもし実現できたら、いろいろな問題は起こらず、人が集まり経済が発展すると思います。そうすることで、自然と人との共存が出来て、豊かな村になると信じています。そのため、僕は山添村の住民の一人として、この意見を主張していきたいです。また、自分に出来る、山添村の発展に貢献する活動にも関わっていきたいです。