平成28年7月13日(水)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。
 ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日の発表案件は、お手元の2件でございます。知事より発表いただきますので、よろしくお願いいたします。


案件:地域の総合ニュースアプリ、7月20日無料配信開始!
《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

知事:
 お手元の資料にありますが、1つ目は、奈良県はアプリの放送局になります。地域の総合ニュースアプリを7月20日から無料配信を開始いたします。
 
 中身は、広報誌の県民だよりや各種ジャーナルを電子書籍で配信、また県内の災害情報や天気予報を毎日配信するといったような内容になっております。このアプリでアクセスになれていただきますと、災害など、いざというときの情報などが、より密着した最新のニュースをお伝えできるんじゃないかと思っております。バランスのとれた配信を心がけたいと思います。アプリの名称は、「ナラプラス」という名前にしております。

 アプリのとり方は、私はあまり詳しくありませんが、アイコンに出て、それを押すと新着ニュースや関連ニュースが出るようになっておりますので、ヤフーやグーグルなどのニュースアプリと同じように、地域ニュースアプリということで親しんでいただければと思います。都道府県レベルで配信するのは初めてだと聞いております。

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案件:「HOUSE VISION 2016 TOKYO EXHIBITION」に「奈良の木」を約1,500本展示します!
《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

 2つ目のご報告は、「奈良の木」ブランドのプロモーションですけれども、「HOUSE VISION2016 TOKYO EXHIBITION」というのが、2回目ですけれども、2013年に続いて2016年、3年目で展開されます。「奈良の木」ブランドのプロモーション努力を東京でしておりましたので、その関係の人脈ができております。今回は、初めての登場ですけれども、奈良の木約1,500本をモニュメントの展示などを行います。前に奈良の木の展示物が展示されておりますが、何か説明できる、この違いとか。

担当課:

 赤いほうが対面柾目材でございまして、樹齢約230年の木を使用しております。これが約750本です。白いほうが集成材でございまして、これも約750本、合わせて約1,500本をモニュメントとして展示いたします。

知事:

 この赤いほうが高そうな気がするけど。

担当課:

 3メートルの木で、1本約3万円になります。

知事:

 3メートル、この大きさで3メートルで3万円。思のほか安いな。

担当課:

 白いほうが、集成材で約6,000円になります。

知事:

 同じ3メートルで6,000円。随分安いですね。木というのは高いかと思ったが、そのような木を展示します。プロデューサーの1人が隈研吾さんでありますので、隈研吾さんは新国立競技場の木を生かした設計をされましたが、「奈良の木」ブランド化のプロジェクトで隈さんは随分奈良県へ協力していただいておりますので、その関係でトークセッションもすることになっております。隈さんと、古谷さんというのは早稲田大学と奈良県が連携協定をしておりますけれども、その関係で奈良の木を東京で売るお手伝いを随分していただいております。そのような関係で、古谷先生と3人で奈良の木のトークセッションをして、奈良の木というよりも、木造、木質の振興というようなことでございます。

 HOUSE VISIONを見てみますと、大変大きな展示会でございますので、奈良県も力を入れて出展するということでございます。地方自治体の参加は、奈良県が初めてだと聞いております。

 ご報告は、以上でございます。

司会:

 それでは、発表案件につきましてのご質問をよろしくお願いいたします。

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質疑応答
産経新聞:
 ニュースアプリなんですけれども、基本的には地域の話題とか明るいニュースを配信して、例えば事件、事故等は配信しないのですか。

知事:

 そのようなことは、皆様にお任せいたします。事件、事故は、県庁の直に扱う仕事でございませんので、警察等だと思いますので、このクラブで発表するような県庁ニュースを配信するということでございます。

読売新聞:

 基本的には奈良県がつくる、発信するニュースなんで、ここにあるように奈良はいいところだと、明るいニュースとか、そういうものを中心に配信するのですか。

知事:

 捏造はしません。事実を編集してアプリに載せるだけでありますので、明るいニュースもたくさんありますので、それを選んで出すということになりますが、配信の要諦はバランスよく真実を、なるべく地域の出来事を知ってもらうということでありますので、毎日更新するには天気予報が一番いいかと思います。あるいは緊急情報です。地震、災害情報、天気、大雨注意報などは、このアプリでも配信しておくと、身近ないろんなニュースがここでわかると思います。お役立ち、主に明るいと、こう言っていますけれども、明るいは語弊があるかもしれません。お役立ちニュースですね。身の回りのニュースが届くように。事件、事故は、それは大事な報道ですけれども、我が身に関係するかというとそうでないことが多いので、それは皆さんにお任せいたしますが、身近に役立つものを中心に配信できたらと思います。

 これは、こういうアプリは、イベントやグルメ等関心事項をこの地域配信で検索できますので、カテゴリーで分けてできるので、何を今知りたいかといったことが選別できるのではないかと思っております。だから、身の回りの役立つ情報を中心にお届けして、これに常時アクセスをなれていただくと、ああ、イベントをやっているなとか、何か新しいサービスが始まったなとか、健康ステーションで特別なイベントをやりそうだとかということは、月1回の県民だよりや市民だよりで掲載をされますけれども、検索が大変です。県民だより等はカテゴリー別で、健康になりたい方のイベントとか行事とか、あるいは医者の健康情報とか、随分載せていますけれども、県民だよりと、おいしい季節のものは何かとかね、生活に役立つものを心がけて編集していきたいと思います。今もコンテンツは結構あるんですけれども、こういう形で配信して身の回りに役立つ情報が漂えばと思っております。

産経新聞:

 このアプリのために例えば県の職員が取材したり、新たな仕事を行うんでしょうか。

知事:

 今も編集でジャーナルをたくさん発行しております。例えば大宮通りジャーナルを発行しておりますけれども、大宮通りの整備、花壇を植えましょうとか、みんなできれいにしましょうといったプロモーション、地域プロモーションジャーナルですけれども、そういうものも職員が出がけて担当が編集したりしておりますので、だからそれをアプリ化するというのが当面の目標ですけれども、だんだんこれが総合通信局として人気が出てくれば、総合編集局のようなものは要るかもしれませんけれども、それはこれから始まるコミュニケーションで、いいねと押してもらったり、何か違う分野も載せろよと、こういうようなコミュニケーションがあれば工夫をしていきたいと思っております。エコーがあればなおありがたいと思っております。県民の皆様と行政とのコミュニケーションのパターンに成長すればと希望がございますので、そうすれば広報機能だけじゃなく広聴機能で、それにまた反応するといったタイプの通信局機能が必要だったら、発展形としてあろうかと思っています。

 没になった記事でも載せられるかどうかはわかりません、みんな没にはならないのかもしれませんけれども。

奈良テレビ:
 差し当たり何カ月ぐらいで何十万人の方にインストールしていただければとか、そういった目標数値のほうはありますでしょうか。

知事:

 まだ初めてのことなので、ちょっと相場観がわかりません。今までのアクセスというのは何か出ていたと思いますが、どこかで見たような気がしたが、アクセス数というのは…

担当課:

 類似のアプリで県庁でつくっているものがございます。例えば、奈良公園室の「なら旅」というアプリですと2万2,000ダウンロード数。ほかに例えば「奈良マラソン」のアプリですと4,000数、そういうダウンロード数がございますので、当面はそういったところを目標にしております。

知事:

 イベントが近づいてくると、奈良マラソン情報というのが検索されますが、それが今までアプリで「奈良マラソン」というアプリを立ち上げるまでにもなりましたけれども、それでないと、個々で発表して記事になるとわかるというようなルートでありましたけれども、あるいは報道発表とともに冊子を配ったりするというペーパー的な発表でありましたけれども、「奈良マラソン」アプリをつくると、やはりそれなりの、どんな様子だろうかというアクセスがあったということです。もう少し災害とかのほうは、総合アプリですので、そういうものは全体、このアクセスをするといろんなカテゴリーで出てくるというメリットがあるんじゃないかと思っています。それがもっとアクセスの多い分野がだんだんわかってくると、それを充実させるとか、いろんな工夫が出てくるかと思っております。

朝日新聞:

 今おっしゃった県庁との類似アプリで、「なら旅」とは差別化を図って、別々に併存していくイメージですか。

知事:

 ということではないと思う。「なら旅」もここに入るか、また別のアプリにしているのかな。

担当課:

 大きなイベントの情報等は共有したいと考えております。

知事:

 共有ということ。だから、アプリの種類は二本立てということになります。

朝日新聞:

 では、より広く情報が欲しい方はこの「ナラプラス」を使っていただいて、イベントだけでいい人は「なら旅」で良いという使い方になりますか。

知事:

 そうですね、こちらでもアクセスして、「なら旅」だけでアクセスできますし、この総合アプリでもアクセスして「なら旅」まで入り込むということですね。

担当課:

 奈良アプリの画面をごらんいただきまして、全画面で見ていただくほうが理解もしていただきやすいと思いますので、別途記者クラブと調整をさせていただきまして、できれば本日の午後に、広報広聴課から画面を見ていただきながら操作をごらんいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。

知事:

 よろしいですか。都合のつく方だけでも参加していただいても結構でございますが、そういう提供をよろしければさせていただきます。

司会:

 発表案件につきまして、ほかにご質問はございませんでしょうか。
 それでは、ほかの案件につきましてもご質問のある方はよろしくお願いいたします。

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質疑応答

政府が発表したリニア中央新幹線延伸8年前倒しについての知事の評価

時事通信:
 政府がリニア中央新幹線延伸8年前倒しの大阪までの開通方針を打ち出しておりますけれども、これに対して知事の評価をお伺いいたします。

知事:

 そうですね、財投を活用した国の財源措置を既に発表されて、その際も歓迎します、喜んでいますということを以前の定例記者会見でご質問になり、申し上げたんですが、それが経済対策の一環として総理が発言されるほど力が入っているのかなと思います。8年前倒しでも、東の部分ができてから間がありますので、できるだけ間を詰めて着工し、開業できるように希望いたします。そのためには、財源措置が一つの大きなネックであったわけですけれども、1期工事、2期工事と分けてJR東海でされる理由が、自主財源でされる中で債務残高が5兆円を超えるのを、株主さんがおられる会社ですのでそれを避けたいという財務の話が中心でありました。財投支援するというのが政府の考え方であります。それは一つですけれども、本当の前倒しをするためには環境影響評価を前倒ししていただかないといけない。それには前倒しという声はまだないわけでありますので、環境影響評価の前倒しということを切に願っているところであります。だから、歓迎でございますが、環境影響評価の前倒しというまだハードルもありますと認識しています。

時事通信:

 実務的にというか、作業のプロセスをもう少し前倒しする具体的なスケジュールが出てきたらよいということですか。

知事:

 そうですね、作業の前倒しということになりますね。財務が、負担が軽くなると、現実に前倒しができる環境になるということでございます。できる環境をつくっていただいたことが大変歓迎でございますが、現実に前倒しができるかどうかは、作業が前倒しされないとできませんねということを、単純に言えばそういうことを申し上げたいといいますか、そのように思っていますということでございます。

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奈良市月ヶ瀬の砂防法違反事案に関する県担当者の管理不備についての知事の考え

関西テレビ:
 月ヶ瀬の掘削問題で、きょう業者の社長が初公判を行われているんですけれども、
 当時の県の対応について弊社のほうが情報公開請求を行ったところ、許可が切れてから1年後に当時の担当者がパトロールを行ったにもかかわらず、許可が切れていたことを把握していなかった。それはどうしてだといったら、掘削の申請書類をまともに管理していなくて、許可がいつまでの期限なのかを把握していなかったと書かれていたんですけれども、そのような対応について知事はどのように思われますか。

知事:

 貴社が情報公開請求を要求されましたのは、奈良土木事務所の上司と担当の間のやりとりだと聞いております。上司が、担当に対して、しっかりと見ないといけないじゃないかというように叱っているようなメモが情報公開の対象になって出ていると認識しております。それで私がそれを知って、これはどういうことなのかという、感想というご質問でもあり、考え方というご質問でもあります。前の、それも関テレさんだったと思いますが、その情報認識の緩いと思いますけれども、緩い内容がどういうふうに緩かったのかということの感想ですけれども、ここで申し上げていたのは、法のたてつけが悪いと関テレの記者がおっしゃって、なかなかいい的確な言い方されるなと思って、それはそのように思います。法のたてつけが悪い中での認識不足というようなことかなと改めて思っています。

 法のたてつけと認識不足というのは、気づきはちょっと複数の要素があるので誤解されるといけないと思って何度もこういうことを言っているんですけれども、許可をして、許可違反かどうかという、許可の内容で期限の中で行為をしなさい、許可面積の中で行為をしなさいということ。もう一つはっきりしていないのが、勾配を急にしてはいけません。その勾配を急にしてはいけないということが一番きつい月ヶ瀬の例であって、これがはっきりとした条件になっていなかったということが、法のたてつけが十分じゃなかったといことがはっきりと言っておきたいと思います。

 7月1日からの条例では、勾配が30度と決めてあるのに45度にしちゃいけない、罰則かかりますということは、この7月1日から初めて条例が改正、適用になったということです。その改正前の本件の違反の何を見過ごしていたのかということになりますが、期限が過ぎているのを見過ごしていたということ、これは確実であります。面積が、許可されていない面積までやっていたかということは、その時点ではやっていたかどうかわかりませんので、その後の発覚ということになります。つまり、そのときに見過ごしていたことは期限が過ぎていたということでありますので、手抜かりだったといえば手抜かりなんです。期限が過ぎているのに掘削が続けられていたということは、やめろということになるわけで、それは手抜かりだったと思います。一番のこの問題になった、こんなに削っているのかというのは、当時あまり条件違反かどうか、これだめだよというところまで言えるのかどうかということが、どうも議論をしていた中でのこの上司と担当のやりとりのように思います。

 その両方とも、条件違反だったら告発ということになるんですけれども、今度の告発は面積を、よそで掘っていいと許可が出てないところで掘ったものを告発したということで、この角度は告発の対象になっていないんです。一度告発した、土を埋め過ぎたというので告発したら、それは条件ではないから不起訴だと言われた事例がありますので、多分そういうことも反映したのでじゃないか、これは法のたてつけが悪かったからではないかと思います。あれだけ深く掘ったら、いかにも条件違反のように見えるんですけれども、法のたてつけが悪いというのは、条件違反ということがはっきりしていなかったということが、今度の条例改正ではっきりと条件をつけて違反になりますよということが明確になったということであります。

 それを、あれだけ掘ったらいかにも危ないのは悪いことでありますので、危ないところまで条件を厳しくしなかったのかということが責められる問題であります。違反に3つの要素があって、期限が過ぎていたことを見過ごしていたというのが、この事例で叱られている本当の内容だというふうに理解しています。それで気がついたら期限を過ぎているんだから、もう掘っちゃいけないよということを言うべきであったと思います。それは担当の手抜かりであったと思います。

 よくその後の報道で、これだけ掘ったのに、これを見逃していたのかということがここで何度かやりとりがありましたが、法のたてつけが悪いという面も背景にあろうかということは何度も申し上げていた点であります。これは7月1日からは罰則が適用されておりますので、30度と決めて条件をつけると、45度に掘ると条件違反だから罰則がかかりますということは明確に言えますので、それを見逃すと罰則つきの法規違反を見逃したということになりますので、もっと厳しく見逃したことを叱らなきゃいけませんが、このときの見逃しは、内容を明確にした上でこのやりとりを読もうとしておりますけれども、そういうことであったかと思います。だからそのときの上司と担当のやりとりのメモが出た上で、その部分を切り取って報道されるケースもあるんですけれども、その本質、私から見たこのやりとりの意味というのは、期限が過ぎているのを見逃したということをああいうやり方で叱っているのだなと理解をしております。

関西テレビ:
 その書類自体もまともに管理していなかったようです。

知事:

 書類。それももう一つですね。期限が過ぎているのを、期限が過ぎたかどうかということを、書類がなかなか見つからなかった。書類管理が不備だった、その2つは管理の不備と思います。現地を、これ以上掘ってはいけないということがはっきりしていれば、こんなに掘っているのはおかしいじゃないかということをほかの担当が言って、おまえ見過ごしているのかということをきつく言えるんですけれども、期限が過ぎている、それとその期限が過ぎていることの関連で書類がわからなかったということは、期限切れということに対する認識がとても低かったと言わざるを得ないと思います。期限切れというのは、罰則もかかってなかったと思いますけれども、期限切れの工事というのは罰則がかかっていなかったと思います。だから告発の対象にもなっていないんですよね。だからそういう法のたてつけの不備が、期限までにやることということが条件で明示されていれば、届け出で期限までに終わりなさいよといったことを言ってもらっておくというような法の仕立てが、条件の立て方が悪かったと思います。それは条例できっちりとした法体系が要るべき、あるべき分野だったと思います。結果的にあんなに掘削し、これは自分の敷地を掘るのは大丈夫だと思って掘っているんだからと言われてしまったということです。

 砂防指定地の管理ということになりますが、やっぱり行政は法の義務があって、それを執行するのが基本の役目でありますので、ここでやりとりさせていただいて、関テレさんのほうから法のたてつけが悪いと言っておられるんですねというやりとりは、ああ、そういうことだった、正確なご指摘だったと思います。法のたてつけが悪かったのは、7月1日の条例改正で随分よくなったし、それに基づいたマニュアルを作成いたしましたので、今後同じようなことが起こってはもちろんいけないと思っておりますが、その従前のやり方で、今おっしゃられたように期限を過ぎていたと、書類が管理が悪かったというのは、不備だったと思います。

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7月10日投開票の参議院議員選挙における、佐藤啓氏当選に関する知事の感想とその理由

共同通信:
 3日前の参議院選挙で県内では自民党新人の佐藤啓さんが当選しましたが、それについての知事の感想とその理由をお聞かせください。

知事:

 感想は、参議院選挙というのは大変なんですね。暑いときだったし、若い初陣ということでありましたけれども、終盤、お姿を拝見いたしましたけれども、随分頑張って元気に演説されていましたので、私が出たときよりも元気でされているなという印象を持ちました。最後まで元気で走り切られたんだなという印象を持ちました。それがまた勝利を呼んだということだと思いますが、選挙はなかなか難しい作業でありますので、結果がどのように出るか、本当に本人、陣営、党も予断を許さないわけでありますが、候補者がきのう県庁に来られましたですけれども、当選証書をもらった後挨拶に寄られました。初陣でよく頑張られたねと思いましたので、そのように申し上げました。

 それは自分の選挙のときに比べて、当時私も初陣でしたけれども、大きな選挙は何度やっても最後までわけがわからないままでありますので、しっかりとされていたのには感心いたしました。自分の参議院選挙のときは、もう終盤になると、あと3日だ、あと2日だ、とお正月を待つような気持ちで毎日の選挙活動をしておりましたので、大変なことでありましたが、佐藤さんは途中はいろいろ大変だったと言っておられましたけれども、よく最後までされたと思います。この奈良選挙区の佐藤さんの選挙ということについての感想ということになります。

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7月10日投開票の参議院議員選挙における野党統一候補についての知事の考え

産経新聞:
 関連して、今回野党統一候補ということで、民進党や共産党が連携して選挙活動をするという形が全国的にあったと思うんですけれども、1人区で共闘の効果があったところもあれば、奈良のように自民の新人のほうが勝っているところもあって、そういう野党統一候補、そういう戦い方については知事はどのように見ておられましたか。

知事:

 そうですね、これは政党の作戦ですので、それぞれ与党のほうからは、特に共産党と民進党というのは随分考えが安全保障なんかで違うとこがあるので、選挙のための集合だと批判されておられました。しかし、逆に反安倍で結集しているんだという言い方も新聞紙上で出ておりましたので、これはどちらが正しいか、正しいという問題じゃないと思いますけれども、どちらが選挙でアピールするかということになろうかと思います。

 アピールするのは、各地では基本的に同じようなことを言っておられましたので、民進統一候補は反安全保障とかというようなことで大きな争点でされました。与党のほうはアベノミクスの評価、経済と社会保障の評価ということでアピールをされております。地域で結果に違いが出たのだと思いますけれども、その地域の選挙の結果というのは、皆さん方の政治部あるいは選挙担当の方の分析のほうが詳しいかと、時々座談会が出ますけれども、座談会でもみんな出ませんけれども、まだこれからどういう評価をされるのか、出るんじゃないかと思います。一般的な興味はありますけれども、各地の事情があるんだなと思います。そういうことだけで決まるわけではなく、候補者自身のアピールというのもそれぞれあろうかと思います。同じようなことを言っていても、ある地域での民進党候補者のアピールと他の地域での民進党の候補者のアピール、あるいは与党の候補のアピールというのはそれぞれ違う面があって、有権者へのアピールの結果が投票にあらわれるのが選挙だと思いますが、だから候補者のそのアピール度を査証しても、その政党のアピールについてはどうだったのかというご質問にもなろうかと思いますけれども、何だかそのことだけでよかった、悪かったというのは、選挙の結果から見てよかった、悪かったとなかなか言えないのかなと思います。勝敗の数だけでアピールした、しないという見方もあると思いますけれども、候補者の魅力とかアピールというのも大きな影響があろうかと思います。選挙ですから、とりわけ国民投票ではありませんので、その地域ごとの人物を選ぶのが間接代表制の本質でありますので、私の選挙観というのは、日本の選挙は皆、人を選ぶ選挙で、国民投票というのは今まで行われたことがなかったと思いますけれども、人を選ぶ選挙でありますので、人のアピールというのが大きな要素になるんじゃないかと思います。

 そのときに、選挙の作戦ということで、統一候補や推薦等、いろいろされるわけでございますけれども、やはり基本的にはいい政治家が各地から出てくるのが一番大事かと私は思います。だから新人ないし政治家というのは、すぐに役に立つ政治家か、志のいい政治家かわからないわけでありますけれども、佐藤さんには、これからですよと、選挙はよかったけれども、政治家として成長するのは勉強ですよ、いろんな人の教えを請うて研さんをしてください、地域の期待としては、いい政治家になってもらうことの願いを昨日申し上げました。いい政治家が出るというのが選挙で一番大きな要素だと思います。だからその都度、政党のアピールが勝った、負けたという評価ももちろんあるわけですけれども、それは大きな波の中の上に行ったり下に行ったりという程度である。基本的には、いい政治家が続々と輩出され、かつ育ってくるのを切に望みます。

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衆・参両議院で与党が3分の2以上の議席を持つことに対する知事の感想

毎日新聞:
 関連して、今回の参議院議員選挙の結果で自民党、公明党などの改憲勢力が3分の2議席に到達したというとこで、衆参どちらも改憲発議の議席ができたというところなんですけれども、それに関する知事のお考えは。

知事:

 安倍さんは選挙後の会見で、民放の質問にもありましたけれども、はっきりと言っておられましたけれども、改憲にシンパシーのある勢力が3分の2を超えたという事実はあると思いますが、それでどの条項を改憲するのかというのは、まだ明確になっていないし、私の個人的な考えでは、直ちにいかないんじゃないかなと思います。どの条文をどう変えたらいいのかということは、加憲というようになる憲法もあるし、地方自治だとかあまり書いていないので、もう少し書いたほうがいいじゃないかといったような条項もあります。改正という意味では、一番焦点になっているのは9条ということでありますが、9条を直ちに改正することは拙速ではないかなと個人的には思います。憲法を改正するのは国民の権利でありますので、その手続はできますので、ただ、大変貴重な憲法なので、さわってはいかんという政治勢力があるのも確かでありますけれども、変えるべきところは変えてもいいんじゃないかというのが、条項によってくると思います。

 それと、3分の2がとれたから変えるといったら、次、国を割るような国民投票で改憲するというよりも、なるべくコンセンサスに近いほうで改憲の条項が抽出されるのが望ましいんじゃないかと思います。国民全体の憲法でありますので、なるべくその議論を尽くして、これは大体3分の2どころか、国会でも国民投票でも8割、9割が賛成の条項じゃないだろうかというようなことから、手をつけられるほうが望ましいと私は思います。なるべくコンセンサスというのは、全員一致のコンセンサスは民主主義じゃないと山本七平さん言っておられたように、必ず反対はありますけれども、憲法改正はどんな条項も反対だという考えの方ももちろん、なし崩し論だと思いますが、9条まで行くぞと言われている方ももちろんおられるわけでございますけれども、しかし、それは国民が、いや、あそこは、ここまでは改正優先度ということがもし並べられたら、ここまでは加憲なり改正をしてもいいけれども、ここからはより慎重に、ここからはやっちゃいかんというような分野が、概念的には出てくると思います。みんな何でも改憲3分の2がとれたからというのは、政治の手法としては非常に稚拙だし、改憲するぞということも多少単純な見方かなと私は思っています。そうはいかないのが政治だと思います。民主主義が機能している限りは、そんなの十把一からげに憲法なんて改正できないぞという人が国会議員でも多いんじゃないかなと思います。

 どの条項も、その条項一つ一つが改憲発議ですごく議論が行われる、一つの何条何項のパラの第1文の1行目、2行目、みんな重大な結果になりますので、国会の中での議論が出てしかるべきだと思いますので、自民党草案をこのまま国民投票にするなんて、そんな乱暴なことはしてはいかんと思いますし、それが国会議員で勢力があったら数でやれというような勢力には、普通政治的にはならないはずだと思いますし、今の自民党の国会議員の中でも、そういう人は3分の2どころか半分に行かないんじゃないかなと私は思っております。したがって、改憲勢力が3分の2、改憲してもいいよということを言っておられる方は、今度の党派別に分けたらそうだと思いますけれども、あるいは民進党の中でも、参議院時代おつき合いした方でも憲法改正に前向きな議員さんも結構おられましたし、民進党の保守は、右寄りと言われる方でもありますけれども、最後は9条の問題が残るわけでありますけれども、その前にいろんな条項がありますので、やっぱり憲法改正に発議権が国会にありますので、それにどういう条文を改正するのか、加えるのかというのは、国会議員のすごく大きな仕事だと思います。そう乱暴にはしてもらっては困りますし、できないんじゃないかと思います。

 総理もそのように言っておられますので、そのとおりだなと思います。もしかして疑っておられるかもしれませんけれども、それは私はそこまではっきり言われるからそういうふうに進められるのが普通ではないかと思います。総理側近もやれやれと言う人もいるかもしれないけど、そんなにマジョリティーにならないんじゃないかなと見ておりますというか、希望としても強くあります。

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奈良県、和歌山県、三重県の連合について

時事通信:
 選挙中に知事もいらっしゃった場だと思うんですけれども、二階総務会長が、奈良と和歌山と三重で連合をつくってみないか、という話ですが、具体的にご相談等あれば教えてください。

知事:

 そうですね、間もなく8月の最初に3県知事会、紀伊半島知事会があります。毎年行っておりますけれども、ことしは奈良県で行いますので、その場でも二階先生のそういう提言をご紹介して協議したいと思います。今、3県でやっております知事会議で、奈良県のテーマとして出そうとしております、幾つかありますけれども、3県共同でしませんかと言っているのは、林業大学校・林業教育です。奈良県ではフォレストアカデミーをつくって、林業教育をもっと振興するという方向で3県共同しませんかという提案をしたいと思っています。これは今まで言ってきたアジェンダの中に入っております。

 奈良県はスイスのベルン州と提携しております中で、スイスの森林環境管理制度というものが大変優秀だということがわかってきております。フォレスターという制度があって、フォレスターは森林環境管理のリーダーになる重要な役割ですけれども、その一人が奈良に来て、森林環境管理で大事なのは整備環境、搬出の作業道と搬出のエレベーターのような機械が大事だということでありましたが、それをどのようにつくっていくかということと、もう一つは森林教育だとおっしゃっていた。森林教育は、山持ちから、山守りから、搬出作業者あるいは現場の作業者、いろんな階層の人を含めての教育が大事だということです。

 スイスで長年、すごく熱心で、何でも長い長期ビジョンでされますけれども、100年以上の築き上げがあると思いますが、奈良と同じなのは急峻だということと、民有林が多いということです。8割、9割が民有林。賃金は日本の2倍ですけれども、生産性も日本の2倍だということです。何が違うんだろうということで、できればフォレストアカデミーにスイスのフォレスターを招いて、3県共同で教育をしてもらおうかというアイデアを持っておりますので、11月にベルン市へ行きますけれども、それで両県お誘いして、担当でも行って、林業大学校、奈良県の名前はフォレストアカデミーを3県がそれぞれ設立して連携しませんかという提案をしたいと思っています。

 3県共同の提案の一つはそんなような分野であり、これはかねてから両県に働きかけてきたテーマで、二階先生がおっしゃったのは、多分リニアや観光のことが大きいんじゃないかと思いますので、観光連携というのは一つのテーマだと思います。これは奈良の奈良市の観光というよりも、紀伊半島の南のほうの伊勢とか熊野とか、奈良では吉野の連携のほうが身近ですね。吉野・熊野公園、吉野・熊野国をつくりませんかといって、一応できたんですけれども、議会でそんな勝手に統治機構をつくっていいのかというご質問があって何となく勢いがつかないままですけれども、そんなに国という名前のブランドをつくるということでありますので、吉野・熊野という国をブランドで観光ルートとして売り出そうということで、吉野・熊野という国が、吉野、熊野ともう一つ何だったかな、国の名前をつくって売り出そうということで、国の名前でいけないならば、もう少し違うブランド、地域ブランドの芽をつくって、観光のエリアとして、デスティネーションとして協働しましょうかということは前から話が出ております。紀伊半島の南は道路が悪い、168、169のアンカールートと紀勢線という南のほうがなかなか道路、鉄道が弱いですので、アクセスという面ではなかなか難しいと思いますけれども、和歌山の奈良に近いほうでは高野山がありますし、昔は先駆け道と言ったのは、高野山と大峯山を行く修験者や、そういう方の道がありましたので、そういう山を利用した観光というのをスイスのまねをしてじっくりと投資をして、未来への投資と安倍さん言っておられますが、投資をするような気持ちで構想を練って、推進できたらいいなと思います。3県知事会でもそういう議論を早速したいと思います。

時事通信:

 その二階会長の提案というのは、3県知事会をもっと頑張ってくださいということですか。

知事:

 直接3県知事会ということじゃなかったんですけれども、まず和歌山と奈良とおっしゃって、三重も入れたらどうかと付言されましたので、私の念頭は、すぐにある会議は3県知事会だから、そこで提言してみようと、いずれにしても3県知事が、あるいは和歌山・奈良の知事が、何かいいテーマを見つけましょうということにしないと進まないと思いますので。長期的には和歌山も入るのは、私の頭ではリニアです。リニアを軸に3県、三重、奈良は中間駅で、和歌山は離れていますけれども、京奈和自動車道ができますと奈良インターまで1時間で京奈和自動車道が来るんです。関空も、南からも割と近くなっていますので、駅がどのあたりになるか、まだこれからですけれども、和歌山と連携した、和歌山にもアクセスのいい場所にと全体的に動く可能性はあると思います。そのようなことを二階先生が希望されているのかなという感じはいたしました。それも一つのアイテムだと思います。

司会:
 ほかにご質問よろしいでしょうか。
 幹事社さん、よろしいでしょうか。
 それでは、以上をもちまして知事定例記者会見を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

お問い合せ先: 奈良県広報広聴課 報道係 TEL 0742-27-8325 hodo@office.pref.nara.lg.jp

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