平成28年8月24日(水)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。 
 ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。

 本日の発表案件は、お手元の1件でございます。知事より発表していただきますので、よろしくお願いいたします。


案件:「天平たなばた祭り~平城京天平祭・夏~」開催!
《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

知事:
 行事のご報告でありますけれども、平城京天平祭が今年で6年目の開催になります。職員が、少しエポックメーキングになるような催しにしようということで張り切ってくれまして、たなばた祭りの中心テーマにして展開をしてくれます。

 チラシのほうがいろいろ雰囲気が出てわかりやすいと思いますが、七夕を取り上げたのは、昔の7月7日、七夕祭りと言っていますが、昔の旧暦でありますので、今の時期では8月になります。それと平城宮跡で七夕祭りが行われていたということがわかってきました。七夕は「七夕」と書くんですけれども、「たなばた」と読むのは不思議な読み方でありますので、なぜ「たなばた」といって行われたか、起源を探ったわけでございますが、現在、日本で行われている七夕祭りの起源が、平城宮跡の宮廷行事であった可能性が高いということがわかってまいりました。

 平城宮跡では、旧暦の7月7日、現在の8月ごろに遣唐使が持ち帰ったと言われる、技巧、芸能の上達を願う「乞巧奠(きこうでん)」という行事が行われていたということがわかって、乞巧奠というのは何ですか、ものごいの「乞」というのと、「巧(たくみ)」というのと、「奠」はちょっと難しい、何といって表現していいかわからないんですが、後で漢字でお渡ししてもいいですが。それで、この行事に、昔から日本の七夕の語源だと思われる「棚機津女(たなばたつめ)」の祭りが結びついたと言われています。

 「棚機(たなばた)」というのは機を織る、この「棚機(たなばた)」の字は、「七夕」ではなく、書棚の「棚(たな)」と、「機(はた)」は機械の「機」で、「津女(つめ)」は大津の「津」に「女」と書いて、機を織る女性ということですが、それを棚機津女といって機を織る女性を尊しとするお祭りがありました。遣唐使が持ち帰った乞巧奠という行事に棚機津女の祭りが結びついて、さらに中国より伝わった、これは織姫、牽牛の二つの星が出会うという、今、七夕は二つの星が出会うというお祭りになっていますけども、これは中国より伝わった物語が、それに組み合わさって現在の七夕の源流が生まれたということがわかってきております。

 「万葉集」には、七夕に関する歌が100首以上もあるということで、平城宮跡でたなばた祭りを、源流祭りというようなお祭りにもなってまいりました。そのようなお祭りを、今年、チラシにあるような行事を入れてさせていただくということでございます。

 いわれをくどくど申し上げましたが、平城宮跡で七夕をする意味が、古来からのお祭りに関係するということがわかってまいりましたので、職員が張り切ってやっていただいております。

 ご報告は、以上でございます。

 「乞巧奠」と「棚機津女」と二星の漢字をメモにして、後ほどお渡しします。以上でございます。

司会:
 それでは、発表案件につきましてのご質問をよろしくお願いいたします。

知事:
 何か急に難しいことを言われて取りつく島がないと思いますが、そのような、職員が張り切って調べてくれましたので、うんちくを申し述べてしまいました。

司会:
 よろしいでしょうか。
 そうしましたら、ほかのご質問もお受けいたしますので、よろしくお願いいたします。

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質疑応答

「奈良モデル」の財源について

時事通信:
 昨日の共同給食センターの開館、竣工式のときに、知事が奈良モデルに関して、今後10年間で補助金ベースで100億で、無利子貸付200億というお話をされたと思うんですけれども、その話を詳しくお聞かせいただけますか。

知事:
 財源としてそのぐらい要るんじゃないかという試算をしているということでございます。県の奈良モデルのスキームだと、合意をして、ソフトは2分の1、国費などを引いた純粋な市町村負担となるソフト事業は、調査費や設計などで2分の1、それから、ハードの事業は4分の1を負担するというスキームを出しています。県が必要とする財源を大ざっぱに見積もるとそのぐらいの試算を財政課で行って、内々のこれだけの財源を積み立てていかなければいけない、地域振興基金というような形で10年間に使う基金を積み立てていかなきゃいけないという見当をつけています。

 それは広陵・香芝の共同給食センターのときに、市町村の義務ではありますけれども、市町村の給食センターを共同でやられるときには、共同という点に着目して、県が奈良モデルの認定をして助成をしようという発想のきっかけになったプロジェクトでありますので、感謝の気持ちを込めてそのような報告をいたしました。

時事通信:
 このタイミングでされたというのは、そのメニューが全部決まったので、これからの試算をされたということですか。

知事:
 いや、まだそこまでは行っておりません。今までも100億、200億の財源が要るということは報告を受けていて、用意しようということを発表はしていなかったかもしれませんけれども、そういう見当でお金が要るなということは他でも話したことはありました。奈良県・市町村長サミットなどでもそのような考えを披露したことはあります。一応の試算としてということで。増えるかもしれないし、それほど出てこないかもしれませんが、まちづくりとかいろんなプロジェクトで大きなものが出てくると、増える可能性があります。

時事通信:
 担当課から詳しい資料を出していただけますか。

知事:
 そうですね。試算はあると思いますので、財政課から後ほど個別レクをさせていただきます。

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リオ五輪金メダリスト 大野将平選手、髙橋礼華選手への県民栄誉賞の授与について

朝日新聞:
 先日、リオオリンピックが終わりまして、県出身の髙橋選手がバドミントンダブルスで金メダルを獲られました。以前の金メダリストを考えても、県民栄誉賞等の検討はされているんでしょうか。

知事:
 以前も金メダルを獲られた方に県民栄誉賞を出したことがありますので、今回も、大野将平さんと髙橋礼華さんに、県民栄誉賞を出したいと思います。これは選考委員会に決めていただくことになりますので、私のほうからお諮りをして、出す方向で検討していただくようにしたいと思います。

朝日新聞:
 スケジュール感としては、いつ頃になるんですか。

知事:
 県民栄誉賞の選考委員会の委員が6名おられるんですけれども、奈良県在住の方でございますので、すぐに持ち回りでお諮りして、数日のうちに、決定できるんじゃないかと思います。どのように伝達するかは、決定次第、正式発表をさせていただきたいと思います。県民栄誉賞に向けての選考委員会の起動をお願いするということは、きょう発表させていただきます。

共同通信:
 受賞を決定した後、実際にお渡しするのはいつごろになるんですか。

知事:
 大野さんと髙橋さんのご都合にもよりますので、日程の調整が要るかと思います。奈良へ帰ってこられた時に訪問していただけるかもしれませんし、訪問が近々あるならば、そのときに伝達ができればと思います。またそれぞれ別々になるかもしれません。伝達行事が決まりましたら、ご連絡させていただきます。そんなに先にはならないと思います。

共同通信:
 改めてのリオオリンピックを振り返ってみたときに、大野選手と髙橋選手の戦いぶりをどのようにお感じになっているか、教えていただいてよろしいですか。

知事:
 全体的に日本は大活躍でありましたが、大野さんは、柔道で最初の金メダルでした。柔道がメダルラッシュになった弾みになったのかなというような印象でありました。大野さんが金メダルを獲って、その後続々と獲られたので、それもびっくりでしたが、最初のトーナメント決勝はとても重圧がかかっておられたと思いますけれども、すばらしい戦いだと思いました。

 それから、髙橋さんのほうは、特に印象的だったのは、決勝の逆転ですね。もう負けたと思いましたけれども、すごい粘りで逆転されたのはすばらしいですね。訪問に来られたら、どうしてあんなに逆転の粘りが出たのか、聞いてみたいと思います。

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紀伊半島大水害から5年が経過することへの受け止めと今後の復興について

NHK:
 間もなく9月になって、紀伊半島大水害から5年ということになります。先日、知事も十津川のほうに行かれたと思いますけれども、この災害、改めてどのように受けとめておられますか。また、今後復興に向けて県としてどういった動きをしていかなければいけないと知事は考えておられますか。

知事:
 今、各地で大雨の水害がありますが、人ごとじゃないと思います。台風は、紀伊半島の場合は長く停滞していたのが、大雨が降った原因でありますが、各地でも、急な雨は河川の氾濫につながっている気がいたします。継続的な雨は、河川は流れると割ともつけれども、土砂は雨がたまると山から、土の中から水が外に流れるのは遅いですから、土が雨を含む量が多くなって土砂災害になりますが、だから停滞的な雨は大変怖いなと、紀伊半島の土砂崩れで実感しました。

 いろんな災害のパターンがありますので、各災害のパターンにできるだけ強靱な対応をするよう心がけてきています。日本は災害によって国民の精神も国土も強化されてきたと思われるところがありますので、その都度犠牲を払いながら、精神的、社会的、インフラ的な強靱化に向けた努力をしているのが実情であります。紀伊半島大水害にありましても、一つは、紀伊半島の特に南部が脆弱でありますが、大雨が降らないという保証はありません。降った場合でも犠牲が最小限になるようにというのが大きなことだと思います。それを乗り越えるのに、新十津川村を二度とつくらないように、県外へ行かれる方のないように復旧・復興を村内でしようというので、十津川村内に、新十津川村といえるものが谷瀬に集落をつくるという発想につながって、新しい取り組みが行われました。

 それと、かねてから過疎が進んでいる地域の復興を目的に、いろんなイベントをしたり、定住も視野に入れた、振興策を行っています。その中で、水泳ではなく、カヌーの種目も入れたようなトライアスロンといった、スポーツイベントで南部を元気にしようというようなこともやり始めています。紀伊半島大水害の土砂崩れの復旧のほうは、熊野川の下流がまだ土砂が堆積したままでありますので、3県知事会で国に熊野川の今後の治水対策と堆積土砂の排除のお願いをしようといった動きもございます。

 また、土砂災害ということでは、土砂崩れが起こるのは南部に限らない可能性があります。信貴山とか生駒山の丘陵地帯に、広島の災害パターンと同じような、多少なだらかなところでも土砂崩れが起こる可能性があると思って心配をしておりますので、そちらの土砂崩れについては、ケアも始めて、検討しています。

 それから、災害のパターンとしては、土砂崩れだけではなく、奈良県では災害が比較的少ないわけですけれども、水害、大和川の氾濫という危険性がありますので、直轄遊水池を100万立米、亀ノ瀬というところで、大和川が大変狭隘になっていますので、ダム効果で上のほうに水が貯まってしまうという危険性がもうずっと何百年とありますので、上に大雨で水があふれても遊水池でためられるように、今、直轄遊水池の事業を進めています。これがあれば、昭和57年に大和川が氾濫したわけですけれども、遊水池があれば氾濫は防げるようになると思っています。

 それから、地震はどこで起こるかわからないので、熊本の例を見ても、想定外の地震ということはあり得ますので、そのときも防災、みんな助かりましょうと、身の回りそれぞれの工夫で助かる人、助からない人が出ますので、助かるようなメンタリティーを、習慣をつけるようにしましょう。奈良で想定される土砂崩れ、南部だけでなく北部も。それから大和川の水害、それと地震、その3つの自然災害が当面考えられる災害ですので、それに向けた備えが必要です。しかし、備えがあれば安心していいというわけではありません。多少適切な心配することを常時心がけて、県民の皆さんにそのような訴えをして、一緒に災害は逃れましょう、助かりましょうということを、ずっと継続して、続けていきたいと思っています。

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国道169号線 大迫トンネルの事故を受けて、県南部のトンネルや道路の状況等についての考え

奈良テレビ:
 先週の大迫トンネルの事故で3人亡くなりましたが、その事故を受けて、地元の方もあのトンネルはセンターラインを越えてしまいやすいといった声も聞いたんですけれども、そういった南部のトンネルや道路の状況などをこれからどう変えていくべきだとお考えですか。

知事:
 大迫トンネルは、トンネル内がカーブしているのと、下りがあるのですが、原因は正確にはわかりません。警察が捜査・検証されておりますけれども、カーブがあって、検証して、トンネル内で誰もわからないままで正面衝突をされた。正面衝突だから、どちらかが中央線をはみ出されたと思われます。中央線をはみ出すのは、想定ですけれども、坂を下ってカーブがあると、カーブを曲がり切れないで出られたかもしれませんが、はっきりしたことがわかりませんので、軽々には言えません。すると、トンネル内の下り坂カーブというのはとても危険だと、今までも思われていましたが、ただ、地形上そうせざるを得なかったトンネルですので、違うトンネルにするということは難しいので、改めてそういうトンネルは、スピードを出し過ぎないようにという注意喚起のやり方を工夫してもらうようにお願いしました。

 とりわけ余り慣れておられない方には、危ないところだと認知されていればいいんですけれども、知らず知らずに、下り坂だ、曲がりカーブだということで、普通のアクセルでありますとスピードが知らない間に出ているということは、これは想像ですが、それを気をつけるような注意喚起をしていこうかと思っています。

 ほかのトンネルの事故ということになりますと、トンネル内の事故は怖いですけれども、このようなトンネルばかりではありません。むしろ狭くて行き違いが難しいという例が多いので、南のほうの道路で言えば、トンネルの外だと土砂崩れの危険性があって、土砂崩れに直撃して亡くなられたケースが国道169号で10年近く前にありましたけれども、そういった可能性もあります。トンネルの中は真っすぐ平らなところを走っていると、明るければそんなに事故はないはずだと思いますけれども、危険な面もありますので、注意喚起のシグナルを何らかの形で認知してもらうようにお願いしています。

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政府予算要望について

奈良新聞:
 9日、10日に上京されて、政府への29年度予算要望活動を行ってこられたと思いますが、何か早速成果というか、手応えはありましたか。

知事:
 毎年夏は、各省庁が概算要求として、財務省に次年度予算を要求し、その締め切りが8月末でありますので、概算要求の中に県の要望を入れてもらうための陳情でございます。そのために毎年この時期にしておりますが、今年は参議院選挙があり、また、内閣改造がありましたが、事務方の人事異動は、6月からありましたので、事務方への陳情は既に私も行っておりました。今度は、政務方へ陳情に、政治家も替わられたばかりの方が多いので、なかなかアポが思うようには取れませんでしたが行ってまいりました。また、重ねて事務方にも陳情いたしました。

 陳情は繰り返ししなければいけないと思っています。田中角栄さんみたいに、わかったと言ってすぐに実行できるようなことは、今、政治の場ではありませんので、あの人に陳情してわかったと言ってもらえればオーケーだというようなパターンはなかなかありません。もう何度も何度も、何年も陳情してやっとできたかなというものですので、今度行った成果は、と言われると、なかなか答えられないですが、「兆し」はいろいろあります。例えば、今度は高市総務大臣はお会いいただきましたが、その前に佐藤文俊総務事務次官にお会いいたしまして、その前に県選出国会議員への政府要望説明会を奈良でいたしました。その内容を陳情して、地方消費税の税収配分が奈良は不利になっているということを繰り返し、過去10年来ほど陳情してきております。

 少しは改善されましたが、奈良ぐらいしかなかなかそういったことを言う府県がないので、今度もちょっと新しい考えで、佐藤事務次官に陳情いたしました。この道路をつくれとか、そういう陳情とまた違った、制度的な陳情ですので、中身はちょっとややこしいんですけれども、よく聞いていただいて、「なかなか精緻になっていますね」と、「うちも勉強しなきゃ」とか、冗談も入っていたと思いますが、そのような反応がありました。勉強して持っていくと実ることもあるのかなという期待を持ちました。やっぱり何度も何度も陳情することが大事だと思います。

 大きな陳情から、小さいわけではないが、実質的な陳情がいろいろありますので、小さなことからきめ細かく、しつこく言ったら向こうは嫌がられますが、しつこく陳情するしかないと思っています。実際にそのような結果で少しずつ実ってきているのが実情ですので、やっぱり続けていかなきゃいけないなと思っております。

 夏の陳情は、県会議員の方も参加していただいて陳情いたしました。今度は秋に向けて予算編成をされる中で、大事なのは、公共事業などでは「箇所づけ」と申しますが、この道路を事業化するんだったら、このトンネルの事業費は幾らにするんだというのが現実には大事でございます。また、年内に色々な制度が固まってきますので、それに向けた陳情をまた秋から繰り返し機会を得て、その都度国の方々などに、波状的陳情といいますか、その都度、その都度行って訴えていくということを積み重ねております。行くたびに陳情ということをしておりますので、一発で決まるということはなかなかないんですけれども、何度も何度も行っていると、向こうの方の理解が進むこともあります。しつこさが信条だという、陳情には信条だ、という印象でございます。

時事通信:
 関連して伺いたいんですが、佐藤事務次官が「精緻になっていますね」とおっしゃったのは、昼間人口と夜間人口を計算してといったところを指しているんですか。

知事:
 陳情で言ったのは、地方消費税の配分基準で、例えば通販の、ちょっと細かい話になります。地方消費税の増税がありましたが、その配分基準は、8分の6が、本当は地方消費税だから消費された額について、その地で消費されたら配分するというのが原則ですが、その地で販売されたものに対して8分の6はカウントしますよ。消費統計がはっきりしないので、販売統計でされています。販売統計の中には実は通販が入っていることに着目して、通販が、例えば奈良の方が、東京から通販で購入する。秋葉原の店で例えば奈良県民、あそこは安いからといって買って、地方への配送は今たやすい。冷蔵庫を買ってもそれは東京の消費に計上されるんです。大阪で冷蔵庫を買っても大阪の消費税に計上されるんです。冷蔵庫を消費するのは家でしょうと、それは奈良でしょう、消費地は奈良じゃないですか、ということを言っているわけなんです。それは今の販売基準の落とし穴というか、少し弱いところなんです。消費地を明確にして配分してくださいと言っているんですが、なかなか統計がない。

 大阪で冷蔵庫を買うと、奈良の人が買っても、奈良に配送してもらっても大阪の消費税に計上される。それが通販になりますと、通販で、東京でも奈良でも通販のセンターがありますけれども、そこの通販の本社の売り上げに計上される。どこで消費したかということは全く関係ない。通販の額が分かりますので、通販分を販売統計の額から抜いて、人口基準で配分したらどうですかというような提言をしました。これは目新しい提言ですので、高市大臣にも奈良で陳情したときは、面白い着眼点だという感想をいただきました。これは自民党の政調の中で決めていただかないと税制になりません。

 また、昼間人口で消費される人が東京なんかは多くて、東京の消費額でなしに販売額で、5%から8%に消費税が上がると東京都は3,000億もの税収増になるので、色々な法人税とか、制度分散税制が出てきているわけなんです。本来の地方消費税の姿かどうか。東京の人が消費されるのはいいですが、消費される中身が食事だとか、その場で消費されたといっても、沖縄の人が東京で食事をすると東京の消費だと、こう言ってもいいかもしれないですが、統計上、沖縄の人が食べたら沖縄の消費だというわけにもなかなかいかないし、とりわけまた外国の人が来られて買われたときに、自分の国へ持って帰られるときは免税しますので、これは配分のもとになりませんけれども、来られて食事をされるときの観光消費が大きなところに今、外国人の消費が集中しているということであります。外国の方の飲食などの消費はどのように地方消費税の観点で計上されるか、その場で消費されることには間違いないので、販売税としてもおかしくないかもしれません。例えば奈良の人が大阪に行って消費するといったものは、大阪への消費の配分になる。これは消費税ではなく、販売税じゃないかと思われます。

 そういった、基本的な問題点をなかなか解決できない。地方消費税というからには、少し理屈上弱いところがおありになるでしょう。そういう人口で、夜間人口、昼間人口でいかれるときは、昼間人口、夜間人口の比率をもう少し夜間人口基準に調整するといいますのは消費税、地方消費税は社会保障に充当するために増税すると言っている限りは、昼間人口に社会保障が当てられるのではなく、夜間人口を基準に社会保障のニーズが計算されるのが普通だから、できるだけ夜間人口基準にしてくださいというのが奈良県の考え方の基本になっています。

 訴えても、言われることはわかっても難しいなというのがずっと続いてきている。それでも奈良県が陳情して、8分の1の人口基準が8分の1.2に増えたんですね。それだけでも約20億の奈良県の増収になっています。ほかに減収になっている府県もあるんですけれども、変化はありますが、税制の納得感がかなうように、地方消費税の納得感にかなうようにしてくださいよというのが、奈良県の、いろんな理屈をこねながらの陳情になっています。その税制の陳情に事務次官は、ぐっと見られて、なかなか凝った陳情になっているなというご感想でございました。

時事通信:
 前半の部分も、夜間人口、昼間人口の部分、両方とも含めて精緻になっていますねという感想だったんですか。

知事:
 人口基準をどのようにするかという観点で、今、8分の6が販売額で、大阪で販売したら大阪に行ってしまう。8分の1は就業者、今は8分の0.8になりましたが、8分の1.2が夜間人口、県に配分する基準になっています。昼間人口という概念が全然入ってないんですけれども、昼間人口を入れて補正できませんかといったようなことをお願いしています。まだ、これはテクニカルにもう少し詰めないといけない部分があるように思います。

時事通信:
 どちらかというと、通販のほうが反応としてよかったということでしょうか。

知事:
 2つともなるほどなと言っていただきました。2つの具体的な税制改正の提言です。お役人ですので、長年そういうこともされてきているので、なるほどなと、精緻に作られてますねとおっしゃって。こちらは必死で知恵を絞って陳情しているわけですので。

時事通信:
 夜間人口の理屈のほうが難しいのかなという印象がありますが。

知事:
 難しいですね。2つ目のほうが、理屈をもう少し精緻にしないと難しいかもしれないですね。

 上の2つを見て、なかなか精緻になっていますねと、2つを見ておっしゃいました。具体的な制度改正の提言になっていますので、検討の対象にはなると思います。

司会:
 ほかにはございませんでしょうか。
 幹事さん、よろしいでしょうか。
 それでは、これで知事定例記者会見を終了いたします。ありがとうございました。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

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