平成28年10月5日(水)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。
 それでは、ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、発表案件はございませんので、その他の質問からよろしくお願いいたします。

 


質疑応答

政務活動費について

奈良テレビ:
 政務活動費の関連で、奈良県議会でも議員1人が辞職届を提出されました。政務活動費については、昨今、地方議会で問題になっていますが、どのようにお感じになっているでしょうか。

知事:
 このことについては各地域で問題になっています。奈良県でも、これまでもオンブズマンの方が情報公開を行っておられたので、政務活動費の中身については心配していました。上田県議が自分で真正ではない書類をつくられたという発表をされ、辞職されたことは大変遺憾で残念なことだと個人的には思っています。

 政務活動費のあり方というのは、今、いろんな角度から検討されていますが、やはり適正化というルールを確立する過程にあるように思います。政務とは何かというのが一番の核心だと思います。政務に使うために支出し、お金を託しているので、政務のために使っているのかどうか。政務の範囲が政治の範囲となりますが、政治は非常に幅広いので定義が難しい。行政の補助とまた違う扱いになっていましたが、まず真正な支出かどうかという点に問題があるので、それは領収書の真正さということで話題になってくるのは当然だと思います。それと、情報公開というのは当然のことだと思います。その上で、政務として使っているのかどうか、適正性というのはどういう基準で判断するのかが話題、課題になってきているように思います。1つは、司法の場でどう判断が進むのかということです。それから、何といっても議会は政務です。議会は三権の一つですので、自律的に政務はこうだというように判断される道もあるのではないかと思います。

 繰り返しになりますが、上田県議の辞職は遺憾で、大変残念だと思っています。

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JWマリオット以外の国際級ホテルの誘致について

時事通信:
 昨日の予算委員会でもお話があったと思いますが、国際級ホテルのJWマリオット以外のホテル誘致の状況について、知事が方針を示されたようですが、改めてどういう状況かを教えてください。

知事:
 昨日の予算委員会の池田議員のご質問だったと思いますが、予算委員会総括審査の前の予算委員会でご質問があったようで、予算委員会総括審査でこのようなご質問をされるというお話がありました。奈良公園と高畑町裁判所跡地は、この「(仮称)登大路ターミナル」と一緒にどのように整備するのかということは、数年前から議会でもご質問があって、この辺りのアメニティーの改善が必要だと思います。アメニティーの中には今の静謐(せいひつ)さを維持するというアメニティーもあるし、極端に言えばトイレもないし、熱中症になって公舎の前で倒れられた方もおられるという意味での休み場所もないというような課題があるという認識をしていました。

 奈良公園地区整備検討委員会及び文化庁に対し、様々な調整と協議を行い、どのようなスタンダード、基準であれば、例えばホテルというアメニティーが立地可能かという研究・協議をしていました。そして、低層で雰囲気を壊さない、それから、既存の由緒ある建物は保存・維持するといった条件をつけたらいいのではないか、特に高畑はほったらかしになっているので、文化庁との協議の中でそのような進展がありました。

 JWマリオットの進出が決定し、世界のいろんな資本から、奈良に高級ホテルの立地場所はないかという問い合わせが来るようになりました。その中で、吉城園、知事公舎も含めた高畑地区については大変関心が深いという感覚が出てきましたので、それを受けて正式に公募をして選定をしようというプロセスに入ろうと思えるようになったので、今議会で附属機関として選定委員会の設置について議決を要求しているところです。そのような段階でのご質問でしたが、国際級ホテルの進出も願っているところであり、公募してみないとわからないところですが、関心が高まっていることは確かだと感じています。そのような趣旨を議会でご答弁申し上げたように思います。

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全国学力調査結果について知事の考え

NHK:
 先日、全国学力調査の結果が出てきましたが、初めて小学校が全国平均を下回ってしまった。聞けば、ずっと下がりつつあって、ほんの少しの差とはいえ、この傾向をどう受けとめて、どうやって巻き返していくのか、何かお考えがあれば聞かせてください。

知事:
 文部科学省の全国比較では、学力がよく注目されるわけですけれども、奈良は、学力、体力、規範意識、学習意欲の4項目がとても大事なんです。学力については小学校では神童、大学ではただの人という人も多いわけなんですが、それは学習意欲があって規範意識があると逆になるわけなんです。ノーベル賞をもらわれた人は、必ずしも神童で突っ走ってこられたというタイプではない人が多いと思いますので、学力というのは一時だと思っていました。ですから、奈良の弱点である体力、学習意欲、規範意識を強化し、それによって学力が上がり、また、維持できるということで、ここ数年、教育委員会と厳しい対峙をしてきたわけです。

 教育長は、これまで、体力が上がりました、学力は維持できましたと報告に来られたんですが、今回はあまり勇んでは来られませんでした。こういう状況でしたと報告を受けたのですが、教育長と対話していますと、現場の先生の意欲で随分違うなという感触は持っています。各県とも同じだと思いますが、先生の意欲を出す環境整備が大事だと、教育長とも話をしています。

 それから、私の持論ですけれども、IQには、世界的にも日本の中でも地域差はあまりないと思います。学力差は教育のインプットの仕方の差だと思います。ですから、先生の教え方でお子さんは正直どのようにでも育つということを、教育委員会には常日頃から言っています。その結果が今回の結果になったと思います。学力は、生徒さんの成績ですけれども、先生の成績でもあるんですと言っております。

 それで、先生の成績になるという観点の言い訳は、例えば、この成績は小学校6年生の学力で、小学校5年生の成績は良いんですという言い方もあるんですが、どうしてそういうことになるのかという分析はしないといけません。中学校では、学力の高い生徒は良い学校に集まる傾向があります。中学校、高校では、自主的にあちらの学校に行こう、こちらの学校には行かないという選択ができるので、学校の地域差が、学力差に反映されるケースがあります。小学校はそういう選択ができず、全教科を一人の先生が教えるので、その先生の影響を受ける傾向が強いと思います。

 それとやはり学力については、今ご質問があったように注目され、日本人はとても学力に敏感です。成績自慢をされる保護者もおられますし、子供が優秀であれば自慢の子だとなるわけですが、私の考えだと、体力自慢のほうがうらやましいですよと言うんですが、先生がきちんと教えていると良くなるということと、学力が遅れている地域があると認定されてくると、お子さんはそう刺激されないのですが、学校や、先生が刺激されて、学力などを上げなければというメンタリティーが強くなって、工夫をされ、ほかの地域ではどんな教え方しているのかと勉強されて、差が縮まっているという新聞記事も出ていましたが、そういう傾向はあると思います。やはり手を尽くし教えている地域は、学力も、規範意識も、学習意欲も高いと思います。奈良県にそういう傾向があるのは先生のせいではないかという持論ですが、教育長とそういう会話をしています。

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大和川の氾濫対策についての今後の方針

NHK:
 大和川の上流の流域で大和川流域総合治水対策協議会を国が中心となってやっていますが、来週あたりにその方針が大体固まってくるというタイミングということで、少しお話を伺いたいんですが、その発端が、去年の常総市の氾濫で、それをもとにシミュレーションをし直したら、大和川流域の深いところで浸水深が8メートルに達するなどという結構衝撃な話で、地域の人も衝撃的だと思うんですけれども、それを踏まえると対策が急務だと思います。一方で、県が今、条例を検討していますけれども、国の主導している協議会が対策をまとめるようなタイミングで、知事としてこれからどのように大和川の減災に向き合っていくかということをお聞かせください。

知事:
 大和川の氾濫対策は、実は紀伊半島大水害のときは深層崩壊に象徴される土砂崩れのタイプでしたが、自然災害は土砂崩れのほか、洪水、地震、山火事などがありますけれども、深層崩壊による土砂崩れは、県南部よりも傾斜度の低い大和平野の周辺でも起こり得ることなので、、そういったことに対するケアと、もう一つ大きいのは、大和川が昭和57年に大氾濫してからしばらく経っているので、次は大和川大洪水対策に集中しようということで、4年前に取りかかりました。

 それが今まで続いて来ているわけですけれども、そのような行動の中で、国に働きかけて直轄遊水地を作ろうということで、国が積極的になっていただき、下流の亀ノ瀬という生駒山を越える出口が狭隘ですので、大和川が堺から大阪湾へ流れる際に、下流の堤防が低いので、亀ノ瀬を開くと下流が大浸水を起こすことになる。ですから、亀ノ瀬は狭いほうがいいんだと、国がおっしゃったのでこれは大変だと思いました。横ダムのようになっている亀ノ瀬には半ダム効果があるので、上流でしっかりと貯めないと仕方がないなと考えました。紀伊半島大水害の次は大和川ということですが、国は大和川の亀ノ瀬の下流は100年かかるとおっしゃったが、100年待つわけにはいかないので、上流で貯めようと思い至って、国に働きかけて、亀ノ瀬の下流を整備しないなら、国も上流で貯めるための直轄遊水地整備に力を出してくださいと働きかけました。直轄遊水地は下流だけで貯めればいいというわけでなく、すごく大きな池が要りますので、上流から水が流れて、少しでも順番に貯めていこうということが上流対策で、昭和57年にそれぞれの市町村でどれだけ貯めるかという割り当てをした経緯があります。

 下流の市町村は洪水発生の危険があるので随分と成績が良い、上流の市町村はあまり対策されていないというのが実情なので、もう一度上流から下流まで見直し始めています。それは支川が大和川本流に流れて、大和川が溢れるというタイプなので、大和川の水かさが増してくると、支川から水を流し込めなくなり、そこで滞留してしまう。外水が内水に逆戻りすることを防ぐ堰を閉めてしまいます。すると内水被害が発生するということもありますので、この際、内水対策も完璧に行おうと思います。すると、これこそ支川の上流対策がすごく大事になっていくということで、支川ごとの上下流協議会というものをできるだけつくって、上流の市町村も水が貯まらないからといってサボらないでくださいといった呼びかけをし始めています。

 しかし、水が浸らないので義務を果たさないということが顕著な傾向ですので、どのようにするかが課題ですが、一つは内水対策です。これも内水の下流で貯めることが大事になってきています。川の水を流しても、ポンプで流してはいけないという状況にもなります。大和川を溢れさせると洪水被害が大変大きくなります。ですので、内水で、それぞれ貯める対策をしなければいけません。大和川に入る直前で貯めなければいけません。流す対策には限界があるので、貯める対策を一生懸命やろうという段階になっています。それは今おっしゃったような支川の上流対策からとなります。川は皆支川があり、大和川は特に平地の川なので、支川が70以上あって、支川の数が多い川ですので、それが大事だというのが今の計画です。

 それと、住宅が増えてくる時期がここ何十年かありました。昭和57年の大和川大水害の後、ここなら大丈夫だろうといって住宅開発がされたところがあります。調整池3,000平方メートルを超える住宅開発をする場合、調整池の設置義務があります。その設置義務を逃れるためにミニ開発が進んで、1,500平方メートルの住宅地をつくろうとした。その場合、家が建つと水が余計に流れますが、調整池がないので内水被害に転嫁される傾向が出てきていますので、それを規制しようというのが条例の大きな目的になっています。これには地元市町村との調整が要りますので、念入りに調整を進めている状況です。

 どうしても危ないところはこれから調整区域の解除はしないようにしようと考えています。控える対策と言っていますが、これ以上建ててはいけないようにしようと考えています。危ないところは用心しようというのがレッドゾーンの対策ですが、これからつくるところは、地形的にはつくれる状態でも水が浸きそうなところは住宅開発をしないようにという、イエローの対策もあわせてしようという条例の構成になっています。これから条例に全ての対策が盛り込まれますので、地元市町村との調整が要りますけれども、大事な時期になってきていると思います。

 鬼怒川が大氾濫しましたが、同じような雨が大和平野に降っていれば、あれ以上の大氾濫になっていたということがシミュレーションでわかっています。雨が逸れたといって喜ぶだけではいけないので、鬼怒川が氾濫した雨が大和平野の上に降り注いだ場合でも、少しでも減災されるようにしなければいけません。溜め池をつくるのも時間がかかりますが、昭和57年の大和川大水害対策の後の本格的水害対策に取りかかってから、かれこれ4年ぐらいになりますが、直轄遊水地の用地、測量などが進んできています。川西町と安堵町と斑鳩町の3町合わせて100万立方メートルというとても大きな量の直轄遊水地整備について川西町は用地測量に入りました。それから安堵町は測量を始めていいというところまで地権者と交渉が済んでいます。斑鳩町はこれからですが、理解が進んでいるように思いますので、もう少し頑張らないといけないところです。

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横浜ベイスターズ三浦大輔選手に対する表彰について

毎日新聞:
 この間、浜の番長と言われている、橿原市出身の横浜ベイスターズの三浦大輔投手が引退されたんですが、
県では三浦投手に対する表彰などは考えていらっしゃいますか。

知事:
 今までのところは何も考えていません。

毎日新聞:
 わかりました。

司会:
 ほかにご質問ございませんでしょうか。
 幹事さん、よろしいですか。
 それでは、これで知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

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