算定要件について

平成29年度から見直しされる処遇改善加算について、「◇厚生労働大臣が定める基準」及び関係通知により、算定要件とされている項目は以下のとおりです。

A.賃金改善計画の策定  B.全介護職員への周知  C.県への年次届出報告  D.労働法令の遵守 
E.キャリアパス要件Ⅰ  F.キャリアパス要件Ⅱ  G.キャリアパス要件Ⅲ  H.職場環境等要件 
関係通知等[介護保険最新情報]  [参考]職場定着支援助成金  [参考]相談援助事業について   

A.賃金改善計画の策定

◇介護職員の賃金の改善に要する費用の見込額が介護職員処遇改善加算の算定見込額を上回る賃金改善に関する計画を策定し、当該計画に基づき適切な措置を講じていること。

つまり・・・・、
→当該年度の加算算定額をシミュレーションし、算出された見込額を上回る賃金改善計画を策定することが第一です。
→この際、加算算定の前年度の賃金総額と比較して、加算算定年度の賃金総額を低下させることなく、加算見込額を介護職員の賃金改善で使い切る必要があります。
→加算算定の前年度と職員数が増減している場合、当該職員分は当時から在籍していた(いなかった)場合の賃金総額を試算して計画策定してください。

B.全介護職員への周知

◇上記Aの賃金改善に関する計画、当該計画に係る実施期間及び実施方法その他の介護職員の処遇改善の計画等を記載した介護職員処遇改善計画書を作成し、全ての介護職員に周知し、都道府県知事等(各サービスの指定権者、以下同じ)に届け出ていること。

つまり・・・・、
→策定した賃金改善計画を「介護職員処遇改善計画書」にまとめ、その内容を全ての介護職員に周知しなければなりません。(介護職員とは、人員配置基準上、介護職員として配置される職員を指します。)
→また、介護職員から賃金改善に関する照会があった場合は、当該職員についての賃金改善の内容について、書面を用いるなどわかりやすく回答してください。

C.県への年次届出報告

◇都道府県知事等に届け出ていること。
◇加算の算定額に相当する賃金改善を実施すること。ただし、経営の悪化等により事業の継続が困難な場合、当該事業の継続を図るために介護職員の賃金水準を見直すことはやむを得ないが、その内容について都道府県知事等に届け出ること。
◇事業年度ごとに介護職員の処遇改善に関する実績を都道府県知事等に報告すること。

つまり・・・・、
→年度ごとに、①都道府県知事等に当該計画書を届け出ること、②賃金改善を実施すること、③改善の実績を報告すること、は、加算を算定するための要件として定められています。
→賃金を下げなければ、事業の継続が困難なほど経営が悪化している場合、労使間で賃金見直しについて合意を得ることが先決です。その上で、所定の届出書を、計画書と併せて提出する必要があります。

D.労働法令の遵守

◇加算算定月の前12月間において、労働基準法、労働者災害補償保険法、最低賃金法、労働安全衛生法、雇用保険法その他の労働に関する法令に違反し、罰金以上の刑に処せられていないこと。
◇労働保険料の納付が適正に行われていること。

つまり・・・・、
→労働者の待遇改善に努めることを評価して行う加算であるため、事業者は、労働法令等を遵守する者であることが求められます。

E.キャリアパス要件Ⅰ

◇(一)介護職員の任用の際における職責又は職務内容等の要件(介護職員の賃金に関するものを含む。)を定めていること。
◇(二)一の要件について書面をもって作成し、全ての介護職員に周知していること。

つまり・・・・、
→介護職員の職位(ポスト)や職務の内容等に応じて、任用するための要件や、これに応じた賃金体系を就業規則等の書面で定めている必要があります。
→定めた内容については、雇用された時期を問わず、全ての介護職員に周知していることも要件となっています。

F.キャリアパス要件Ⅱ

◇(三)介護職員の資質の向上の支援に関する計画を策定し、当該計画に係る研修の実施又は研修の機会を確保していること。
◇(四)三について、全ての介護職員に周知していること。

つまり・・・・、
→介護職員をキャリアアップさせるため、計画的に研修を実施するか、研修の機会を確保する必要があります。
→具体的な計画策定に際しては、介護職員と意見を交換しながら、資質向上の目標と以下の項目を盛り込む必要があります。
 ○資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供又は技術指導等を行い、介護職員の能力評価を行う。
 ○資格取得のための支援(研修受講のための勤務シフトの調整、休暇の付与、費用の援助等)を実施する。
→定めた内容については、雇用された時期を問わず、全ての介護職員に周知していることも要件となっています。

G.キャリアパス要件Ⅲ

◇(五)介護職員について、経験若しくは資格等に応じて昇級する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けていること。
   具体的には、次の①~③までのいずれかに該当する仕組みであること。
   ①経験(「勤続年数」や「経験年数」)に応じて昇給する仕組み
   ②資格(「介護福祉士」や「実務者研修修了者」等の取得)に応じて昇給する仕組み
           ただし、介護福祉士資格を有して就業する者についても昇給が図られること
   ③一定の基準(「実技試験」や「人事評価」等の結果)に基づき定期に昇給する仕組み
◇(六)五について、全ての介護職員に周知していること。

拡充後のキャリアアップの仕組み(キャリアパスⅢのイメージ )(pdf 187KB)

つまり・・・・、
→上記①~③いずれかの昇給の仕組みを、明確な条件で定義され、就業規則等の書面で定めている必要があります。
→定めた内容については、雇用された時期を問わず、全ての介護職員に周知していることも要件となっています。

H.職場環境等要件(旧定量的要件)

(新しい加算Ⅰ及びⅡを算定する場合)

◇平成27年4月から、上記Bの届出の日の属する月の前月までに実施した介護職員の処遇改善の内容(賃金改善に関するものを除く。)及び当該介護職員の処遇改善に要した費用を全ての職員に周知していること。
(新しい加算Ⅲ及びⅣを算定する場合)
◇平成20年10月から、上記Bの届出の日の属する月の前月までに実施した介護職員の処遇改善の内容(賃金改善に関するものを除く。)及び当該介護職員の処遇改善に要した費用を全ての職員に周知していること。

つまり・・・・、
賃金改善以外の手法で、介護職員の処遇を改善する内容に、事業者の費用負担で取り組んでいる必要があります。
加算Ⅱ又はⅢは従前の加算算定時に届出済の旧定量的要件でも有効ですが、加算Ⅰは平成27年4月以降、新たに実施した取組が求められます。
→法人が実施する当該取組の内容と、法人が全額負担する当該取組に係る費用について、全ての介護職員に周知していることも要件となっています。

関係通知等[介護保険最新情報]

 

平成29年3月9日

介護保険最新情報Vol.582 基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の掲示について等
平成29年1月30日 介護保険最新情報Vol.580 体制等に関する届出における留意点について

 

都道府県労働局が実施する職場定着支援助成金について[参考]

 

(厚生労働省HP)職場定着支援助成金(個別企業助成コース)のご案内  [お問い合わせ先]
奈良労働局 職業対策課分室
奈良市法蓮町163-1新大宮愛正寺ビル405号
0742‐35‐6336

介護労働安定センターが実施する相談援助事業について[参考]

 

キャリアパス構築等のための相談援助事業のご案内
 

お問い合わせ

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〒 630-8501 奈良市登大路町30
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