平成29年5月17日(水)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。
 ただいまから知事定例記者会見を始めます。
 本日の発表案件は1件です。知事から発表していただきますので、よろしくお願いします。


「国文祭・障文祭なら2017」応援サポーターを募集しています!
《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

知事:
 では、早速開始させていただきます。

 こちらからのご報告は、お手元の資料にありますように、国文祭・障文祭なら2017の応援サポーターの募集を改めて会見で発表させていただくものです。これは今までに募集を開始しておりますけれども、国文祭・障文祭にサポーターとして参加していただくというのはとても重要ですし、奈良の国文祭はとりわけ、障文祭と言っておりますが障害者芸術文化祭と一体開催ですので、障害者の方の大会にはやはりサポーターが不可欠です。そのような方が、今までおられるサポーターだけでなく、この時期にこのようなイベントで参加して障害者と触れ合っていただくというのも大事かと思っております。一般の芸術文化活動のサポーターとともに、奈良県といたしましては、一体開催をいたします障害者芸術文化祭のサポーターということにもぜひご参加いただきたいということをお願いしたいと思っております。

 報告案件は、以上です。

司会:
 ありがとうございました。
 それでは、発表案件に関するご質問をよろしくお願いいたします。

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質疑応答

障害者雇用率について

日経新聞:
 関連したことで、障害者の民間雇用率が奈良は47都道府県トップだと思いますが、改めてこの要因については知事はどのように見ていらっしゃいますか。

知事:
 障害者に対する施策は、生活をサポートするということを、やっぱり生きがい、親御さんが亡くなられた場合の住む場所と働く場所を確保するということが大きな地方行政の柱になっていると思います。働く場所の確保は、障害者を雇用しなければいけないという法定雇用率というものがあります。法定雇用率が最近少し上がってきておりますけれども、2%台の法定雇用率、これだけは雇用しなければということになりますが、幾つかの地域ではそれを上回った雇用が達成されておりますし、また、その雇用率が各県このように差があるということを発表されて、ランキングで上がるように競争させておられるのが実情であります。

 奈良県は、この法定雇用率を上げて、障害者雇用率をアップさせようということを一つの目標にしておりました。従来ずっと3位のレベルが続いていたんですけれども、去年1位になって、しかも多少自慢気になりますが、2位と大分差が開くマージンがある2.60というレベルになって、これはひとえに大変小さな事業所の方々が、本当に熱心に障害者を長年雇用されているという努力のたまものだと本当に感謝をしております。

 奈良県は、これは大事な指標だから上げるように、上げるようにということを願って、お願いに行ったり、見学に行ったり、集まってお話を聞いたりということをしてまいりました。立積住備という積水の方が、部屋で仕事されている方が全員障害者、知的障害者ですとか、黒瀬さんという植村牧場の方は、何十年と牛乳瓶配達を障害者の方に配達してもらうことをしましたとか、そういう話を聞いたり、障害者の方は覚えたら律儀にされるんですけども、困ったケースとして黒瀬さんがおっしゃったことは、少し旅行するからこの日は牛乳を要りませんということで、それを障害者の方に言うんだけれども、毎日配達しているとおりに配達されるので、そこだけスキップするということができなかったので、そういう器用なことをなかなかできないということに苦労したという話をされたり、そういう話を聞く機会もありましたので、それも一般の人に知ってもらう上でとても大事な話かと思って、間接的ですが、ご紹介するような次第です。

 それと大地という障害者を大変雇っていただいている会社は、クリーニングの会社ですけれども、経営者の人が皆、名前で呼ぶんです。何とか君、そこはこうしなければと言って、部屋の中で仕事の指導をされて、みんな真面目なもんですから、それと生活指導もその中でされているといったようなことを現場を見させていただきましたので、単なる雇用率がジャンプしたという喜びだけではなくて、そのような方々の積み重ねがそういう結果になってということを感謝するばかりです。

 ほかの県で、例えばユニクロが障害者雇用を大規模でされているという県もあったんですが、奈良県は、厚生労働省の方がおっしゃっていましたけれども、そういう小さな企業が多いから、これが力になってくればいいですね、と。大企業だから雇用率のアップには大きく寄与するんですけれども、その企業が調子が悪くなると障害者雇用が下がってくる傾向もありますので、その企業は大変絶好調の企業でありますけれども、そのような企業を指導している県も抜かしてしまったので大変うれしいと思っています。長くなりまして失礼しました。

司会:
 よろしいでしょうか。
 それでは、その他の案件につきましてご質問をよろしくお願いします。

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眞子様ご婚約について

共同通信:
 昨日、奈良とのゆかりの深い皇室の方の眞子様のご婚約が明らかになりましたが、知事としてのご感想をいただけますでしょうか。

知事:
 皇室の退位問題が最近議論になってきて、閣議決定をされたんでしょうか、陛下のお気持ちを、どういうお言葉使っていいのか、「忖度」でもいけないし、「理解して」も十分ではないし、お気持ちを十二分に酌んで退位問題について、けりがつけられたかどうかということを、一番最近の話題としては注目しておりました。

 このたび眞子様がおめでたいご婚約ということでありまして、そのことについては素直に喜んでおります。心からお祝いを申し上げさせていただく次第です。

 今年の2月に、お母様の秋篠宮妃殿下とともに春日大社の参拝にお越し願ったようです。また、神武天皇陵にも、23年、少し前にお参りなっておられます。春日大社は、皇室にとりましては、官幣という、官幣というのは臣です、君臣の臣の藤原家の神社ですし、神武天皇様はご先祖様の御陵ということですが、奈良にお参りになったからおめでたいことがあったというわけではないと思いますが、少し恐れ多いことでありますけれども、もしそうであればまことに奈良県にとってみれば喜ばしいことでありますが、ご先祖様も、臣の藤原様も喜んでおられることだと思います。奈良県のそのような歴史の背景からすると、歴史的な背景をもとにしたお喜びの仕方もつけ加えさせていただきたい気持ちです。おめでとうございました。

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地方消費税の清算基準について

時事通信:
 話題変わって、また少し前の話題なんですけれども、先月、総務省で地方消費税の配分基準に関する検討会があったと思うんですけれども、それに関する受けとめというか、ご感想というか、いただければと思います。

知事:
 地方消費税の清算基準、配分見直しですけれども、昨年少し改善されたように思います。今年は抜本的な見直しをしていただくということになっておりますけれども、どのようなところまで動くか、いよいよこれからです。総務省の都道府県税化がご本尊ですので、そちらのほうで勉強を大分していただいているというように思っております。損をするか得をするかという綱引きではなく、税制ですので、納得感のある内容にしなければいけないと言っておられますので、それはそのとおりだと思います。今までは奈良県にとりましては納得のいかない配分基準だったと申し上げざるを得ないわけでありますけれども、納得のいく配分清算基準にしてくださいということです。

 繰り返しになりますけれども、何が納得いかないかということですが、地方消費税ですので、消費税は全国一括で取られますけれども、消費地というものが大変大きな概念です。消費された地に帰属するというのが達成されているかどうかということです。消費された地というのはどういうことかということを整理する必要があるわけですが、今の清算基準では販売額をもとに計算されておりますので、販売額と消費された地というのは結びつきが薄いのではないですかということを主な軸で主張してまいりました。

 例えば、通信販売は長崎でタカタが販売されたら、それに長崎県の消費に計算されるというのはいかにもおかしいではないですかといった類いのことであります。あるいは、大阪で寝具を買ったり家電を買ったりされて奈良で配達され、今、物流でヤマト、佐川の配達というのは常時でありますので、販売地から消費地まで県を越えて配達されるのはもう日常茶飯事であります。そのような場合の販売基準でやっていると、消費地ではないということは確実でありますけれども、消費地がどのようにわかるかということを、ヤマトの配達先を家電で幾ら配達しましたかということを探索できればいいですが、そんな手間はなかなか大変ですので、違う方法を探すべき。今の販売基準依拠の配分基準はいかにもおかしいですということを繰り返し言ってきたわけですが、その点については理解があるわけですけれども、ではどのようにすればいいかということが焦点になってきておりますが、そのように販売地と消費地が分かれているようなもの、東京の秋葉原で買ったものを埼玉で消費、大都市近郊の販売と消費が分離しているということが大きな傾向であろうかと思います。そのようなことを改善する方途として、そのような品目は清算基準の販売の中から外して、人口基準で再調整されるのがいいのではないですかということをご提案してきまして、その品目はどれほど大きくなるかというのが一つの焦点になってきていると思います。

 理屈としてはある程度納得をしていただけるのではないかと思っておりますけれども、得か損ではなく、そのような品目はいかにも販売地と消費地が分かれている品目だということを洗い出すというのが一つの作業になってくると思います。現在の時点では、奈良県の税制調査会で理論とそのバックデータをつくっていただきましたので、それをもとにこれから運動を展開していきたいというように思っております。

時事通信:
 最後に、運動を展開していきたいというようにありましたけれども、奈良県の主張を伝えていく上で、今後どういった働きかけを、検討会のほうでは地方からの意見も参考にされるようですけれども、どういった闘い方を展開されるんでしょうか。

知事:
 そうですね、闘い方、どうすればいいですかね。いい手があれば教えてください。運動展開と、こう気楽に言いましたが、なかなかこうすればいいという案があるわけでもありません。これから知恵を絞って訴えていきたいと思います。

 とにかく納得のいくようにということですから、これは奈良が得か損かというのを、去年はある人に、奈良県は得だからそういうことをしているだろうと、こうおっしゃられて、そういう面が、損をするのを熱心にするほどの勇気はありませんけれども、得をするだけではなく、理屈に合わないのがどうも嫌いだということもあわせてありましたので、理屈に合うようにしてくださいということを盛んに言ってまいりましたので、奈良県の得はどの程度か余り計算したことはないので、多少は得をするかもしれませんけれども、小さな県ですので、どの程度の制度になるかで、一つ申し上げられるのは奈良県だけが得すればいいと思ってないことは確かです。得をするところも損をするところも、清算配分基準ですので、両方必ず同額あるわけですが、その配分基準が理屈に合うようにということが一番大事かと思います。今申し上げましたような理屈はぜひご理解いただくように、デシジョンメーカーの方々、税制を決められる方々がご理解をして決めていただければ大変ありがたいというように思います。運動をどのようにということは、デシジョンメーカーを探して、このように決めてくださいということを、どのようなパターンかで訴えていくということだと思います。

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共謀罪について

毎日新聞:
 共謀罪、いわゆる組織犯罪処罰法の改正案が大詰めの段階ですが、改めて荒井知事のお考えをお聞きしたい。本来、大詰めであれば、どこの県でももっとわあっと動きがあると思うんですけれども、奈良の場合だと、県民性なのかもしれないですが、あまりそういった声が聞かれない。

知事:
 市民にとってあまりそう身近な心配事ではないという見方もあるかもしれないです。訴えというか、誰が訴えるのか知らないけれども、足りないのか、国会だけが騒いでいるのか、誰かが騒いでいるだけの話なのか、その何が問題なのかということが、よくこんな大きな議論になるときは余り、生活感覚とか庶民感覚と言われますけれども、離れていることが多いですよね、右に行こうと左に行こうと。だからやっぱり市民の方は、身近なところにどう影響するかということがわからないとなかなか反応されないです。というような、どう思うのかと言われる中で、市民、県民の反応が盛り上がらないのではないかという見方に対しては、そのような感覚を一応持ちます。どういうように影響するのかということがぴんとこないのではないかと思います。私もそのような感覚の中にいるように思います。

 もう一つは、県知事としての見解、見識はあるのかというご質問であれば、どのようにお答えすればいいんでしょうかね。そう見識、見解といったぐらいのものはあまりありません。まあ余りありませんと言っておきますが、多少もし自分の中を検索すればあるかもしれないけれども、県政の中心事項ではないと思っていますので、私の立場からは今のところ余り考えていないなということが正直なところです。県政の重要課題には、まだ自分の頭の中では入ってない。先ほどの最初の盛り上がらないとか、そういうものとも結びつくかもしれません。

毎日新聞:
 所感は、そういうことでよろしいですか。

知事:
 はい。正直に言ったほうがいいかと思って、感覚の話であれば。

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東アジア地方政府会合 一帯一路国際協力フォーラムについて

奈良新聞:
 5月の10、11日が東アジアの地方政府会合、初めて国外へ出てということで、この間、担当の部署の方からもどんなことがあったということを私どもも聞いていませんで、向こうへ行っての成果なり、それから今後のことなり、感想なり含めて、トータルに教えてください。

知事:
 東アジア地方政府会合は8回目なんですけれども、奈良県でずっとやっておりましたが、成都市が東アジア地方政府会合を成都で開催すると言ってくれたのでありがたく行ってきました。二階幹事長から、北京の一帯一路の会議があるから参加しろというご打診がありまして、ちょうど続きで行けるから喜んで行かせていただきますといって、続けて行きました。

 両方出た上での感想ということでありますと、成都のやり方と北京のやり方と似てるところがありました。これはどこかの新聞に書いてあったが、主場外交、ホームグラウンド外交と訳されているらしい。主場外交、主な場所の外交。中国へ世界のなるべくトップクラス、学者や地方の首長でも良いのですが、北京でありますと各国首脳ということになりますけれども、を呼んで中国が中心になって外交を展開しているという場面を作るといったような意味かもしれませんが、主場外交と呼ばれているようですが、成都では、東アジア地方政府会合はそのようなものでなくて、成都市があわせて主催されました友好都市市長会合というのが、51の市長を呼んでおられ、市長みずから来られるのは少なかったんですけれども、友好市で来られた、その市が51ありましたけれども、覚えているところではロンドン市、サンフランシスコ市、ハミルトン市というオーストラリアの市ですけれども、世界で、チェコの市、ロシアのある程度有名な市、ベルサイユだったかな、パリ市だったか、スペインの市、私も初めて51の市長フォーラムに参加いたしました。

 そのようなやり方が日本へ帰ってきて新聞を呼んで、主場外交と、こう書いてあったので、ああ、同じようなことをされているんだなと思いました。成都市では、そういう51の市長を呼ばれた中で、例えばサンフランシスコ市長の奥さんが出てきて、夫に成りかわって、サンフランシスコを代表してこのお祝いのご挨拶を申し上げますというような、リーさんという方ですけれども、市長も中国系なんです。人口の4分の1が中国系だと、こうご紹介ありましたので、中国らしい主場外交かなという印象です。

 一帯一路の会議では、とにかく、開会式、総会と続けてありましたが、習近平さんが割と長々と趣旨を演説されて、これは印象的な内容でした。その後、プーチンさん、エルドアンさん、世界の元首が29か30、チリの大統領、いろんな人が続々と演説される。一帯一路はすばらしいと、こう言われるんですけれども、これも主場、似たような、レベルと範囲は違いますけれども、やり方が同じだったなというのが印象の一つです。

 もう一つは、そのテーマとして言っておられることが似通っているんです。それは創新という言葉なんですけれども、日本の創生と似たようなこと、創新というのは成都でも聞きましたし、北京でも聞きました。創新を英語で訳されるとイノベーションらしいんです。成都では、イノベーションと起業と、業を起こすというのが地方都市の大きな、これも日本でも大事だと言っておりますけれども、中国でも大事だという迫力が違うような印象を受けました。イノベーションと起業ということを地方都市の振興に使おうということであると思いますが、中央でも創新、イノベーションということを盛んに言っておられました。

 一帯一路と関係すると思いましたが、一帯一路も内陸振興、内陸開発をしようというたもとで、中国の内政の観点からは内陸開発をしようということなので、西安と成都というものが大きな内陸開発の拠点になっているということで、一帯一路は国際、国境を越えて、さらに西との交易によって中国の内陸を振興しようという目論見がおありになるのかなと、こう印象を受けましたので、その2つに行って、共通するテーマがそこにあるということが割とはっきりとわかったような印象ですので、そのような点は報告させていただきたいと思った点です。

 また、一帯一路でおっしゃったもう一つのテーマの、これは象徴的な言い方、シルクロード。海のシルクロード、陸のシルクロードで交易を振興して内陸を振興しよう。沿岸あるいは沿線の地域を振興しようというプロジェクトのようにお伺いいたしましたですけれども、シルクロードといえば奈良も入るんだけれども、余りお呼びではないな。東の端ですから、内陸のほうにシルクロードを向かおうということだから、東のほうはあまり目には入っていないような、あまりそういうひがみっぽい言葉で言ってはいけないんですけれども、シルクロードといえば奈良も関係するなという思いで一帯一路の英語名をシルクロード、ベルト・アンド・ロード、イニシアチブと言ってましたが、かわりにシルクロードプロジェクトというようにも言っておられました。

 習近平さんの演説で古代の話がよく出るんです。張騫(チョウケン)が紀元前2世紀に西域まで遠征して航路をつくった、そのような昔の歴史の話が随分演説の中で出てまいりました。唐の時代の話も出てまいりましたので、そういう歴史認識が大きな動きだと思います。

 また、中国の内政の観点では、この秋に5年に1度の大きな政権の人事がありますので、政権の人事を確定なものにするための主場外交だという印象は確かにありました。とにかくそればっかりの盛り上がりです。

 それと、訪問した印象をもう一つだけつけ加えさせていただきますと、ホテルのテレビ、ホテルに入るとテレビがぱっとついて、押すと最初に出てくるのがCGTNという番組が出てきます。CGTNはチャイナ・グローバル・テレビジョン・ネットワークで、これは中国のホテルだけではなく、世界中CGTNが出てるらしいんですけれども、チャイナ・グローバル・テレビジョン・ネットワークで最初出てくる、英語のCGTN、ロシア語のCGTN、アラビア語のCGTN、フランス語、スペイン語、アラビア語。日本語はないのですが、そのような多言語のCGTNがどおっと出るんです。すると世界のニュースをグローバル・テレビジョン・ネットワークで世界のニュースを流すぞといって、その中でよく出てくるのは、一帯一路は必ず、スペシャルレポート、ベルト・アンド・ロードといって英語のテレビが流れ、それが世界中、そのCGTNチャンネルをつけると流れるかと思うと恐ろしいPRツールだなと思いました。これはCCTVという中央電子台がやっており、広告は全然入りませんので、それを世界中に配信して、中国国営BBCみたいな感じのような印象、これはすごい世界のPRだと思います。

 その中で最後に帰る日に、そのCGTNを英語版でずっとつけていたら、シンガポール陥落特集をやり始めました。そんなことをどんどん流していると、中国中心の発信力が形成されて、もう全然違うなと思いました。日本の公的TVも頑張っていただいてというような気持ちになって帰ってまいりました。本当にテレビで民営になると国内の聴視者を対象にされますが、世界の聴視者を相手にそういう放送をするのは、何か別の投資がないとできない話ですので、あるいはBBC、アメリカのFOXニュース、商業化してアメリカ中心のニュースを流すというのは大国、世界のグローバルセンターならではの放送体制かなと感じました。この3つ目の申し上げたのは、CGTNというのは私はあまり知らなかったので、大変強烈なインパクトでした。長い報告ですみませんでした。

奈良新聞:
 今回の東アジアの地方政府会合では何か成果はあったのですか。

知事:
 東アジア地方政府会合を奈良県以外でやったということ。東アジア地方政府会合の成都市のテレビのインタビューがありましたけれども、東アジア地方政府会合があった後、記者会見で、あれほど持ち上げられて記者会見してもらったのは初めてです。向こうのために持ち上げてくれているわけなんですが、この会見の中で、大きな会見場で舞台に上がって、荒井正吾知事何とかかんとかって、荒井正吾知事っていうのは漢字で書いてあるからわかりますが、とても懇切丁寧なインタビューをしてくれました。それは別に成果ではないのですが、東アジア地方政府会合っていうのは向こうにとって持ち上げる一つの理由があったという面もあると思います。ただ、それに6ヶ国31地方政府が来てくれた。日本だけではなく、中国の各地や、韓国、ベトナム、インドネシア、西ジャワ州、ベトナムのフエ、フート省、マラッカ、マレーも来てくれましたから、東アジアで、そういう主場外交と違って実務的なマルチの会合ですので、テーマを決めて議論しようという会合が定着するといいなと改めて思いました。

 それについては、3つのテーマでやりましたけれども、観光と、まちづくりと、産業・雇用。先ほど向こうのテーマと合っていますね。創新、創新って、イノベーションと起業ということでしたので、産業・雇用の討議は合っていました。観光、まちづくりもあった。観光についての東アジア地方政府会合の発言が一番多かったです。各地域、今、東アジアはインバウンド需要が、国際観光需要がものすごく爆発的に増えていますので、東アジアの各国もそれを吸収しようという勢いが多いように思いました。インバウンド需要をどれだけ吸収するのかということを、ベトナムのフートー省もフエもこのような体系でやっていますということを盛んに、紹介していただくことを聞くことが大きな成果でありますので、いろんな知恵を仕込んでいただけるということが大きな成果であります。観光も随分いろんな地域がやっておられるんだな、その若干の知恵は仕込んでまいりましたけれども、具体的な身近な成果といえば、そのような感じです。

 それと、物事を進める上で、これは中国が成都でも中央でも言っているわけですけれども、共通しているなと思いましたのは、3つの重要な項目があるということを北京でも成都でも聞きましたが、1つ目はイノベーションです。創新はもう盛んに中央でも地方で言っていました。もう一つは、持続性です。持続性が大事だと、持続性がへたってはいけないということでもあるのでしょうが、持続性。それと3つ目が割と印象的だったんですけれども、体系です。体系をしっかりと作らないと持続性にもイノベーションにもつながらないということを言ってました。これが私にとりましては大変印象的で、イノベーション、持続性、体系と、その体系というものを作って進めるというのは日本は割と下手なように私自身は思っておりますので、中国の方は体系を作って持続性を持ってイノベーションするといった、体系というものがつけ加わっているのがとても印象的でした。

 私の学び方というのは、そんな程度の学び方であります。

奈良新聞:
 次回のスケジュールはもう決まったんですか。

知事:
 まだ決まりません。韓国の代表の方が来られて、忠清南道ですけど、大統領選に出られた知事がおられる、アンヒジョンさんという方がおられる州も来ておられましたが、百済になりますが、忠清南道で次はしませんかと。農業の分科会はしていただいたんで水を向けたりしましたが、いや、もううちはちょっと小さな州だから、ソウルでやるように働きかけましょうかといったような話は出ました。あとは、中国の中で手を挙げてくれていたのが西安です。

 それから、もう一つ紹介してもいいと思いますのは、西安と成都というのは、内陸の南北なんですけれども、近々新幹線が走るんだそうです。西安と成都は3時間でつながるそうです。すると日本人にとりましては、西安も成都も直行便がありますので、西安といって昔の魏の都を見て、長安を見て、成都は蜀の都を見て帰るといった、内陸の旅行も非常に容易になるのかなという感じはしました。そのようなことまで内陸開発。一帯一路は西のほうへ、東西に進むということで、中国の内陸では南北に新幹線、道路を結ぼうという構想が進んでいるという印象を受けました。

 それと、成都はご存知の蜀の都ですけれども、劉備玄徳が蜀の都を興したのは222年なんですが、4年後に建国1800年を迎えるんですけれども、4年後といえば聖徳太子没後1400年、聖徳太子が亡くなったのと劉備玄徳が建国したのは400年の差だということを歴史の間で、向こうでも発言したんですけれども、「三国志」の世界です。日本人は「三国志」が好きですからと中国の人が言っておられましたが、向こうからはあまりそういう「三国志」と発言はなかったんですが、北京に帰ってきて、旅游局長という観光のトップの人に会って、そのような成都の会合の紹介をしましたら、「三国志」の遺跡、訪問先は、蜀だけではなく、随分あるんです、という観光の宣伝をされていましたので、その劉備玄徳、「三国志」、1800年の時代というものも、向こうにとりましての観光プロモーションのテーマになりそうな気がいたします。日本人もその世界、興味津々であります。

 卑弥呼が行ったのは、蜀ではなく、魏です。「魏志倭人伝」に出るわけですから、北のほうの魏のほうへ、漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)って魏からもらった公印ですので、魏とはつき合いがあったが、蜀とはあまりつき合った証拠は、もしかしたらあるかもしれないけれども、魏のほうとつき合ってたということになると思います。

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奈良市長選挙について

NHK:
 奈良市長選挙なんですけれども、この前にお話伺ったときはまだ誰も候補者がおられませんでしたけれども、今週、先週、山下さん、現職の仲川市長の2人が出ることになりましたが、今どのように受けとめていらっしゃいますか。

 また、前回お伺いしたときに、知事としては原則、現職の方が出れば現職を応援するというようなお話もありましたけれども、現時点でいかがでしょうか。

知事:
 2つ目の応援するといってもあまり大した力でありませんので、ただ、現職の出陣式に行く、それはずっといろんなところでやっておりますので、そのようなことにすると思います。現職が出られたということであれば、現職支援というのが基本になると思います。誰が勝ちそうだ、負けそうだ、好きだ、嫌いだということを抜きにして、そのようにすることにしておりますし、ほかの市長さんもそのようにされるのが通例です。ここの市長さんはわかりませんけれども、今まではそういうことです。

 2人出られて、出る前の感想と出た後の感想、違うのではないかと言っておられるような気もするのですが、違うのかなあ。帰ってきたばかりで、2人出たからといって特段、前は出ないから適当にこう、余り言っても出ませんねというようなことを言ってたのかもしれませんが、出られたら余り言えません。どうだこうだとなかなか言えないなって、今日は余り良い答えではないかもしれないですが、正直に言ってます。

NHK:
 山下さんは前回知事選挙にも出られて、知事も一緒に戦われました。

知事:
 そうですね。

NHK:
 山下さんに対してはどういった動きをしてるんですか。

知事:
 選挙はその都度でありますので、今度の選挙に山下さんが出られることについても余り、それで前、知事選出た人だというか、人だからどうなのと、こうもし聞かれたにしても、あんまりだからどうってことはないです。選挙は、それぞれの候補者が、それぞれことを考え、その時のことを考えて出られると思いますので、むしろ選挙で戦って、後、仲よくなったり、仲よくならなかったりというのは常にありますので、それは選挙に出たから仲よくならなかったということではないんだなと思われます。仲よくならないのは、もとからそういうことだったのか、選挙に出たから仲よくならなかったって、政治だから、よく戦ったが仲よくしている人というような人は、例えば前田武志さんとはすごく。良いほうの例は挙げておきます。選挙後、仲よくさせてもらっていますが、政治家としては一歩も二歩も長けておられますので、その後もご指導を仰ぐことも多かったですし、人格的にも尊敬しておりましたので、そういうことがあれば選挙を戦ったからというので仲が悪くなったということはないというケースとして、そのような例はあります。私の数少ない経験でも、戦ったから仲が悪くなったというわけではないというケースはあります。

 だから、戦ったらみんな仲よくなるというわけでもないわけでありますが、それは個別なので、またその方がほかの選挙に出られる時にどうかというのは余り、その感慨、気持ちというのはあまりないのが政治の世界、普通であります。普通はエールを送るというのが、どの立場であっても政治で志して選挙に向かわれるのは大した志だと思いますので、お志が通ずるように頑張ってください、ということが普通の気持ちでありますので、山下さんに対しましても政治の志がまだおありになったんだということで、その志が実現するように頑張ってください、というのが普通の政治家としてのメッセージであります。

 そのようなことは山下さんに対しても、何を送るのかともし問われたとすれば、どう思われますかという中で、何か言いますかといったら、そのようなことが言ってもいいかと思っています。それは、そういう政治選挙に向けて出られる人は全てそういう気持ちを持っておられますので、好き嫌い、損得を超える政治家としてのエールというのは私はあるように思っておりますし、そのようなエールをいただいたこともたくさんありますので、政治を志すのは大変なんだ、と二階幹事長はいつも言っておられますから、立場は違っても政治だから当然だぞと、そういうことも聞いておりますので、そのように思います。

 我々、地方政治においては、良い地域を作るということが一番の大きなことですので、良い地域をどのように、奈良県みたいなところは、県と市町村が協力して、良い地域を作れるかどうかというのは、県民・市民の方から試されているように私は思いますので、それに必死ですので、良い地域を作るという観点にほとんど焦点が当たっています。先ほど、共謀罪に関心はないのかと、こう言われ、いやいや、正直に関心はそちらに、地域のほうの関心がほとんどを占めてきておりますので、あしからずみたいな感じでありましたけれども、急に言われると、少々探索した後だと適当なコメントを申し上げられたと思いますけれども、メインは、やはり良い地域をどのように作るのかということで、北京に行って帰ってきたばかりの頭でありますと、とりわけ中国の地方振興に負けないように、特に観光です、インバウンド観光に負けないように一生懸命やらなければいけないなと帰ってきましたので、CGTNの話ししましたが、向こうだと一帯一路スペシャルレポートばかり見てきましたので、英語版しかわからないですが、それで帰ると共謀罪、国会最終段階ってテレビでちらっと見て、ああ、日本は立派な課題が問題になっているんだなと思って、政治課題がやはりそれぞれ違って当然でありますけれども、向こうはもっと複雑な政治課題があると思いますけれども。今、チューニングの途中でありますので、少しずれていることが多かったかもしれません。

日経新聞:
 市長選絡みで、4つのまちづくりで、西大寺駅を中心に、市と県が今、連携していると思うんですが、現職の仲川さんが県と連携したいと言うのは当然だと思うんですけれども、山下さんも出馬会見の時に、割とまちづくりに関しては県と一緒にやりたいようなことを言っているみたいですけれども、このあたり何かご感想はありますか。

知事:
 まだ存じませんでした。まちづくりを県の多少の力を利用してでも、良いまちをつくるというのは普通考えていただけるようなフィールドだと思いますので、いや、知事とは仲悪いからまちづくり一緒にやらない、と言われると困るなと思います。だからさっき言ったみたいに、そういうことを超えて地域の共通テーマを一緒にやろうというのは当然のことでありますので、それは誰が勝とうとそういうことをしておりますので、そうしないとそれぞれ選挙で勝たせてもらった意味がないです。それぞれの立場でできることを精いっぱいやらないと。

 議員は、それぞれの勢力の分野を保持するとか向上させるというまた別の、会派、政党の大きな目標がありますが、首長はその時期、その場で与えられた仕事に全力を尽くさないと、僕の言葉で言えばばちが当たると内心思っていますので、口で言いましたが、ばちの当たらないように、地域の振興ということになりますが、その地域の振興は目先だけではなく、これも中国でも言いましたが、イノベーションというのは未来のことを考えてやるんだ、体系は未来のためだと、盛んにこう聞いて、なるほどなと思って帰ってきましたので、未来のために首長が何を考えて一歩を踏んでおくかというのは、そのまちづくりなんか本当にそうだと思います。あなたの任期でこれを全てできるのかというと、できないことのほうが多いに決まってますが、西大寺駅でも一歩を踏み出しておかないと、後の人が十歩一遍に踏むって、そんなことはめったにないわけでありますので、今一歩出した首長がいたかどうかで、その後が全然違うということは何度も経験していますので、良い方向での一歩が踏み出せるか、それに市が一緒の足をつけてこられるのかというのは、とてもその地域の幸不幸を左右する分岐点だと思いますので、それは誰がなろうと、公を超えた役目だと私は思います。

 有権者の方も、その点については絶対しろということを、これを再現みたいに、して良いのか、しては悪いのかということは争点になって、それは県と市が対立するというよりも、市の中でデシジョンメーカーが議会と調整して、市民と調整して決められるというテーマになっています。まちづくりは、県と市が両方乗り出したほうが良いテーマが数多くありますというのが県の目のつけどころでありますので、それについて協調できるところがあれば協調しましょうということを、そのアイデアをプレゼンしておりますので、それに乗って、いや、そういうスキームは嫌だとおっしゃれば発生しないだけでありますけれども、協調できるところは協調して、少しでも人の手を借りて、まちをよくしようということは、それは政治家としては当然のことだと私は思います。

時事通信:
 山下候補の出馬会見の際に、当選した暁には3期から4期、やりたい。また、他記者からの質問で、奈良市長を終えた後に奈良県知事宣言する腹づもりがあるのではないかということを聞いていらっしゃったんですけれども、それはないとおっしゃっていて、察するに、荒井知事へのメッセージというか、知事が4期目出られるとしても戦いませんということを言いたいのかなと思ったんですけれども、ご感想ありますでしょうか。

知事:
 まだ4期もどうするか、こちらのことだからわかりませんけれども、だから山下さんがどのように思われるのかは、それこそ先ほどのことでいえば、立候補して、この奈良県を変えたい、奈良市を変えたい、生駒市を変えたい、お志の中での話だと思いますので、通るなら出るとか、通らないから出ないということは、議員はそういうことは十分あると思いますが、首長は、何かこの役目があれば出ますといった類いの組み合わせになると思いますので、良い組み合わせになれば、あるいは良い首長が出れば、その地域は一時幸せになるなと私は思っています。汗水垂らして働く首長が一時でもいれば、本当にその地域は良くなって、その差があるのが、差が劣後的な差になるのは悔しいから、少しでも先ほどのイノベーションという言葉に感激して帰ってきたのは、創新という、日本語では創生という言葉を使われる、そのイノベーションをイニシアチブをなるべくとって、その時期とにかく一生懸命やったと言われたいがために一生懸命やっているような、気持ちとしてはそんなことでありますので、立場はその後の話かなと私は思っています。立場が要るのは選挙ということになるわけですが。

 答えになっているか、何を聞かれていたか、あまり理解をうまくしていなかったかもしれません。

司会:
 そのほかよろしいでしょうか。
 幹事者様、よろしいでしょうか。
 それでは、これで知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

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