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小麦粉食品と小麦

 日本でもっとも多く栽培されている作物はコメですが、世界的にみると、栽培面積、生産量ともに小麦が最大です。その理由として、比較的、気候や土壌に対する適応性が高く、栽培しやすいこと、品種や栽培技術の改良で収量性が向上したことなどがあげられます。また、粉にすることによって、その品質に応じて様々な食品に加工できることもその要因の一つです。 

 日本では、小麦粉は、小麦の種類や品質によって強力小麦粉、セモリナ、普通小麦粉(中力小麦粉)、薄力小麦粉に分けられ、食パン、フランスパン、ナン、菓子パンなどのパン類、うどん、ラーメン、スパゲッティ、そうめんなどのめん類、まんじゅう、ケーキ、ビスケット・・と、数多くの小麦粉食品に加工されます。現在、日本人1人が年間に消費する小麦粉の量は約30kgで、コメ消費量の約半分なっており、小麦粉食品は日本の食生活に無くてはならないものといえるでしょう。

 しかし、小麦については、国内では、収穫時期が梅雨と重なるために品質が不安定であることや、面積当たりの収益性が低いことなどから栽培面積は少なく、大部分をアメリカ、カナダ、オーストラリアからの輸入に頼っており、自給率も7~8%台と非常に低くなっています。そのため、品種改良、技術開発や産地振興を進めて、自給率を向上させることが国の重要な施策目標にもなっています。

 県内では、桜井市、広陵町、山添村などで、40数ha栽培されていますが、実際の小麦やその栽培されているところを見たことがない方も意外と多いのではないでしょうか?

 今後、消費者にとっても小麦がより身近なものになれば、今までのもののほかに、日本の食生活に合ったさらに新しい利用方法や小麦粉製品も創り出されていくことと思います。

1997年7月
奈良県農業試験場 作物開発担当 主任研究員 杉山高世