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稲  環  境

 近年、環境問題に対する国民の関心が高まり、農業は農産物を生産するだけではなく、環境を保全する機能をもつことが注目されています。しかし他方では米の輸入自由化が進み、稲作が岐路に立たされています。そこで農業試験場では、県民の皆様を対象として、稲作が環境を保全する効果をもつかどうかのアンケート調査を行いました。結果は図のとおりです。

 稲作がもつ環境保全機能は、国土保全機能とアメニィティ維持機能に大分類できます。国土保全機能には、空気をきれいにする機能、流れてきた水を受け止めるダムのような機能、流れてきた土を受け止める砂防ダムのような機能があります。アメニティ維持機能には、季節感や郷土感をかもしだして心を落ち着かせる機能、自然教育や情操教育の場を提供する機能、リクリエーションの場を提供する機能があります。

 これらこれら機能があるかどうかを質問した結果、「ない」とした割合は、全ての項目で10%未満でした。特に、季節感や郷土感を醸成するという、稲作がもつノスタルジアに関する機能が高いようです。

 稲を作る水田は、米を生産するだけではなく、大きな環境保全機能をもっています。しかし、農業の高齢化や農産物の輸入により、荒廃した水田は年々増加しています。特に、環境保全機能が高いとされる中山間地域の水田の荒廃が顕著です。米は輸入できますが、環境は輸入できません。農業問題は農家だけの問題ではなく、国民全体の問題として考える時期が来たように思います。