ナシの病害

ナシの病害
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黒斑病
被害の特徴と発生形態
葉、枝、果実に発生し、黒褐色の病斑を生じる。果実は肥大とともにひび割れる。菌糸の形で、枝の病斑、病芽などで越冬する。3月下旬から病斑上に胞子を形成し、空気伝染する。小袋かけ時に胞子のついた幼果を包み込むと付着胞子による果実被害が多発する。

黒星病
被害の特徴と発生形態
葉、葉柄、果実に発生し、黒いすす状のかびのある病斑を生じる。品種間差が大きく、一般に赤ナシに発生が多い。芽の鱗片部で菌糸で越冬し開花後約3週間の降雨日数に影響する傾向があり、5~6月に低温で雨の多い年に発生し易い。9~10月に発病が再び増加する。窒素肥料が多いと鱗片の感染率が高くなる。



赤星病
被害の特徴と発生形態
葉面に多数の毛状体のある病斑を生じる。菌糸がビャクシン上で越冬し、2~3月頃にこの上で冬胞子ができる。4月~5月頃雨を得て冬胞子が発芽して小生子となり、これがナシに飛来して赤星病を発生させる。4~7月はナシに寄生し、以降ビャクシン類に寄生する。


うどんこ病
被害の特徴と発生形態
子のう殻で枝に付着して越冬し、4月末頃子のう胞子が放出され、葉に付着し、第1次発生をおこし、葉裏に白いかびのある病斑を生じる。発病盛期は8月以降である。



胴枯病
被害の特徴と発生形態
幸水や豊水に発生が多い。春になって病班に雨が当たると胞子殻を出して飛散し、傷や剪定の切り口、寒害を受けた枝幹、ナシカワモグリの食痕などから侵入する。病斑は春と秋の2回、とくに夏の終わりから秋に拡大する。同心円状の褐色病斑を生じ、健全部との境に亀裂が入る。


白紋羽病
被害の特徴と発生形態
枝にははじめ丸いいぼを生じ、のちに座ぶとん状に枯死する。果実には褐色の輪紋を生じる。主として枝のイボ内に生成された柄子殻内で越冬する。柄胞子溢出期間は2月下旬~10月下旬であるが、とくに7月中旬~9月中旬(8月上、中旬が中心)に湧出量が多くなる。枝葉及び果実に発病し、収穫後の果実にも発病する。



輪紋病
被害の特徴と発生形態
根及び樹冠部が侵され、白色の菌糸が多数からみ、腐らせる。土中に枯れた樹や枝などの粗大有機物で繁殖して伝染源になる。

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