2018年8月22日(水曜日)、灘の酒造会社である菊正宗酒造(株)の嘉納 毅人(かのう たけと)会長が、荒井正吾奈良県知事を訪問されました。
菊正宗酒造(株)は、吉野杉の樽丸だけを使った酒樽を利用してきた長い歴史を持ち、現在も吉野杉の酒樽に貯蔵後、瓶詰めした「樽酒」を独自商品として製造、販売されています。
吉野杉には無節で年輪が細かいという特長があり、樽丸に適していたことから酒樽材料として利用されてきました。
江戸時代、樽廻船で灘から江戸へ運搬される間に、吉野杉のほのかで上品な香りが酒に移るため、吉野杉の樽丸が重宝されたことも背景にあります。
意見交換会
嘉納会長から、
・日本酒製造の技術革新により昔に比べて日本酒が大変おいしくなり、世界的な日本酒ブームが来ていること
・灘は六甲のミネラル豊富な硬水を使用することで、辛口の日本酒が製造できること
・逆に京都などは軟水を使用することで、甘口の日本酒が製造できること
など説明がありました。
荒井知事から日本酒は料理にとても合うと話が出ると、嘉納会長からは和食と日本酒は補完の関係にあり、料理の味が引き立つと話がありました。
また、嘉納会長から学校給食で食器を木製のものに変更すると、食べ残しが3割減った事例を紹介されると、荒井知事は毎日吉野杉のお茶碗でご飯を食べており、食事が大変おいしいと話しました。
吉野杉の木樽での伝統的な鏡開きの実演
最初に、嘉納会長から奈良県の木材産業のさらなる発展のための口上を述べていただきました。
その後、荒井知事が鏡開きに挑戦しましたが、酒樽の上蓋が割れず、何度も木槌を振りました。
まわりから、もっと強く叩いて!と言われ、なかなか大変だ…と言いながら数十回叩いた後、上蓋が割れました。
割れた瞬間、吉野杉と日本酒の優しい香りがあたりを満たしました。
※今回は樽の中身は水でしたが、日本酒の香りが染み込んだ吉野杉の大変よい香りがしました。
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(記事投稿者)
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