●第297回定例県議会(平成22年2月26日提出)

 


    知 事 提 出 議 案 説 明 要 旨

 

 

 

  目    次

  県政運営の基本方針 

  
  主要施策
  
   1 活力ある産業づくり
   2 観光の振興 
   3 県内消費の拡大と雇用対策 
   4 農林業の振興 
   5 健康長寿の奈良県づくり 
   6 教育の充実 
   7 安全・安心の確保 
   8 くらしやすいまちづくり 
   9 中南和・東部地域の振興 
  10 効率的・効果的な基盤整備、協働の推進及び市町村の支援、
     行政運営の効率化と財政の健全化
 

 

                                       
 本日、平成22年度当初予算案をはじめ、平成21年度補正予算案など多数の案件を提出して、県議会のご審議をお願いするに当たり、新年度の重点施策を中心に所信を申し上げ、議員各位をはじめ、県民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと思います。

 わが国の本格的な首都「平城京」がこの奈良に誕生してから1300年にあたる記念すべき年を迎え、県内4カ所で開催された「カウントダウン&オープニングイベント」を皮切りに、平城遷都1300年祭が開幕いたしました。

  この1300年祭では、日本の歴史・文化が連綿と続いたことを祝い、感謝するとともに、日本のはじまり奈良を素材に、過去・現在・未来の日本を考えることを趣旨として、県内各地で一年間を通して多彩な行催事を展開しております。特に、4月の大極殿完成式と10月の大極殿前広場での祝典は、最も重要なイベントであり、祝典には、天皇、皇后両陛下のご臨席もお願いしておりますが、実現しますと奈良県にとって、大変光栄なことになります。

 また、平城京が誕生した八世紀初頭の日本は、他の時代に比べても、国際交流が極めて活発で、東アジアとりわけ中国、韓国から様々な文化や文明が伝わり、今日に至る日本という国家の基本的枠組みがつくられました。このような特色のある歴史をこの機会に再確認し、「東アジア未来会議 奈良2010」や「弥勒プロジェクト」などの取組により、日本と東アジアの将来が、平和と繁栄に向かうよう努力してまいります。

 平城遷都1300年祭の大きな目標の一つは、訪れた方々に奈良の奥深い魅力を味わってもらい、感激していただき、気持ちよく帰っていただくことです。県民の皆様とともに、もてなしの心を持って国内外の方々をお迎えし、2010年以降のリピーターが増え、奈良の活力につながるよう精一杯努める必要があると考えます。

 なお、1300年記念事業の開催にあたりましては、多くの方々からご寄付や協賛を賜り、昨年12月の時点で、目標の20億円を確保できる見込みとなりました。これは、本事業が国家的・国民的事業としての閣議了承をいただけたことが大きな力となり、また、記念事業協会関係者をはじめ多くの方々のご尽力や、せんとくんグッズの売上げが伸びたことなどによるものと思います。関係の皆様に心より感謝申し上げたいと思います。


 次に、予算編成と取りまく諸環境について申し上げます。
 まず、我が国を取りまく経済情勢を見てみますと、景気は持ち直してきていると言われるものの、自律的回復の勢いがなく、失業率が高水準で雇用状勢が深刻であるほか、デフレ圧力の高まりによる需要低迷、中小企業の経営悪化など、依然として厳しい状況下にあり、将来の不安要素も数多くあります。

 一方、本県についても、本年度の県税収入等は、法人関係税や地方消費税等を中心に大幅に落ち込み、22年度は更に減少する見込みであるなど、厳しい経済・雇用情勢を反映して、財政の状況は、極めて厳しいものとなっています。

 このような状況の中、国においては、政権交代後初の予算編成が行われ、平成21年度第二次補正予算と22年度当初予算が相次いで編成されました。

 21年度補正予算では、現下の厳しい経済・雇用情勢への「緊急対応」として、緊急性と即効性を求める諸施策についての予算が計上されたところであります。

 また、22年度当初予算では、地方の財政状況にも配慮しつつ予算編成が進められたところであり、地方交付税等が増額されたことや、地方分の自動車関係諸税の税率水準が維持されたことなど、評価できる内容となっております。

 このような、経済・財政の状況下における来年度予算編成の基本的考え方について申し上げます。

 県政の基本的立場は、直面する諸課題から逃げることなく、オリジナルな知恵を出し積極果敢に対応することを旨とし、国の予算・情報等を活用し、財政の健全化を図りつつ、奈良の良き未来を築くための事業を着実に実行していくことにあると考えております。

 このような基本姿勢のもと、平成22年度は、引き続き「経済活性化」と「くらしの向上」を二本柱として、以下申し述べます8つの政策課題に重点的に取り組むこととし、また、これらを支えるため、「効率的・効果的な基盤整備」「協働の推進及び市町村の支援」「行政運営の効率化と財政の健全化」を併せて進めてまいります。

 なお、これらの取組を進めるに当たっては、次の5点を踏まえることといたします。

 1点目は、県の考えや方針をタイムリーにお示しし、県民の皆様に広くご理解いただくとともに、寄せられたご意見を施策に反映いたします。

 2点目は、県庁職員各々が知恵を絞り、県民ニーズを踏まえた効果のあるオリジナルな施策の実現に努めることとします。

 3点目は、県民は上司との意識のもと、奈良県のため、地域のため、県庁が率先垂範して心を込めて行動いたします。

 4点目は、市町村、企業・NPO、地域で活動されている方々等とのさらなる協働・連携に努め、効果的
に施策を進めます。

 5点目は、各種指標による現状分析やニーズの把握に努め、施策・事業を客観的に評価し、これらを次年度に活かす行財政運営のマネジメントサイクルの取組を進めます。

 また、これまで述べた閉塞感のただよう状況の中でこそ、将来に向けた新たな芽を出すような取組が必要であると考え、奈良の未来を創るうえで、「こうあればいい」「これを目指したい」という願いを、5つの「構想案」として、順次発表してきたところです。

 その1つは、平城遷都1300年祭を一過性のものとせず、その後の観光客の増加につなげる「ポスト1300年祭」の取組を進め、奈良観光の活性化を図ることです。

 2つ目は、大阪のベッドタウンとして発達してきた本県の構造的な課題を克服するため、産業・経済の振興、雇用の促進、県内消費の拡大等を図る「ポストベッドタウン奈良」の取組を進め、投資・雇用・消費を県内で活発に循環させることです。

 3つ目は、予防・治療・療養・在宅まで一貫した連携のある医療・介護・療養システムを構築して、奈良を「健康長寿県」にすることです。

 4つ目は、生涯を通じた学び・くらしの充実、きれいにくらせる奈良づくり、協働型の社会づくり等を進め、「くらしやすい奈良」を創造することです。

 そして5つ目は、大きな可能性と魅力を持っているものの活力低下が著しい「南部を元気にする」ことです。

 これらについては、効果的な取組の方法等について引き続き検討を加えていくことになりますが、県民の皆様から寄せられる幅広いご意見を反映し、協議・調整のうえ、同意をいただいたものから順次、着実に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上のような考えをもとに編成した、22年度当初予算案の一般会計総額は、4,653億1,800万円、21年度当初予算に対し、0.7%の増となりました。また、先ほど申し述べました地方交付税等の増額に加え、職員定数の削減や自主的な給与抑制措置の継続、歳出事業の無駄の排除など、財政健全化に向けた取組の結果、財政調整基金等の取り崩しは行わずにすみました。なお、この当初予算と併せて、国の補正予算を活用し、一般会計で、211億5,200万円余の21年度第四次補正予算を編成し、経済・雇用の回復等に役立てることといたします。


 以下、予算案につきまして、主な取組を簡潔に説明いたします。


 まず1つ目は、「活力ある産業づくり」についてです。

 先端的技術を有する大学、企業等の学研都市高山地区への集積を図るため、奈良先端科学技術大学院大学が中心となって行う先端的共同研究を新たに支援いたします。

 企業誘致については、引き続き、ターゲットを絞った戦略的企業誘致活動を展開します。併せて、京奈和自動車道や中和幹線等の幹線道路、西名阪自動車道のスマートインターチェンジなど、インフラの整備を推進し、企業の立地環境の向上に努めます。

 また、学研高山第二工区におけるまちづくり方策の検討を進めます。

 さらに、本県の産業を牽引するリーディング企業や成長に向けて意欲ある企業を重点的に支援するとともに、緊急特別対策資金等により中小企業の資金需要に即応した低利融資を実施いたします。
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 2つ目は、「観光の振興」についてです。
 
 平城遷都1300年記念事業については、本番の年ですので必要な予算を措置し、成功させたいと思います。また、関連事業として展開される「全国都市緑化ならフェア」や、中国一級文物等を展示する県立美術館の特別展なども実施いたします。さらに、この機運を一過性のものとしないため、新年度は次のような取組を進め、2010年以降の観光振興につないでまいります。
 
 まず、周遊型観光地としての魅力の向上です。良質のホテル誘致に引き続き努力するほか、奈良公園内道路の一方通行化、園内周遊バスの新規運行、奈良公園・平城宮跡・西の京を巡る観光周遊バスの実証運行、郊外駐車場から平城宮跡を結ぶシャトルバスの運行、関西国際空港からJR奈良駅までの直通特急列車の臨時運行などに取り組みます。
 
 食の魅力向上では、昨年秋に初めて実施し好評を得ました「奈良フードフェスティバル」を今年は春と秋に開催するとともに、奈良の食材を活かした奈良のうまいものづくりを推進します。

 また、新たに近鉄奈良駅前など県内主要駅や万葉文化館などの文化施設に、大型ディスプレイを設置し、観光情報等を提供することといたします。

 オフシーズン対策として、初めて「奈良フルマラソン」を実施するほか、若草山焼き行事に併せた「冬花火の祭典」、奈良公園周辺での光のイベント「しあわせ回廊なら瑠璃絵」などを引き続き行います。

  さらに、世界一の奈良公園を目指し、奈良公園を訪れる観光客が、ゆっくりとくつろげる環境を整備するほか、登大路駐車場のバスターミナル化の検討などを進めます。

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 3つ目は、「県内消費の拡大と雇用対策」についてです。

 国の補正予算で措置された交付金を活用して、15%のプレミアムを付与した「平城遷都1300年記念プレミアム商品券」を34億5,000万円発行し、県内消費の拡大と小売・サービス業等の活性化を図ることといたしました。

 また、商店街での空き店舗の有効活用や高齢者向け宅配サービスの実施など、やる気と工夫の見られる元気な商店街づくりの取組を支援します。

 雇用対策では、引き続き継続的な雇用機会の創出を図る「ふるさと雇用対策」、一時的な雇用機会を創る「緊急雇用対策」を実施し、県、市町村を合わせて約2100人の雇用創出を図ります。

 また、求人・求職のマッチング支援、就職困難者のための職業訓練の実施、効果的な女性の就労支援等に取り組んでまいります。

 なお、県が取り組む政策目標の明確化を図るため、「商工労働部」を「産業・雇用振興部」に改称します。
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 4つ目は、「農林業の振興」についてです。

 大和野菜・サクランボ・切り花ダリア等新しい販路拡大を目指すチャレンジ品目や、イチゴ・柿・茶・大和畜産等、ブランドの確立した農産物でさらなる振興を図るリーディング品目について、意欲ある担い手と協定による協働をしながら、マーケティング・コスト戦略に基づき、生産の効率化、販路の開拓、販売プロモーションの強化などに取り組みます。また、県と協定を締結した農産物直売所「地の味 土の香」のブランド力強化を図ってまいります。

 さらに、意欲ある担い手の確保・育成を進めるとともに、農業への新規参入者に対するきめ細かな支援を行います。

 農地の保全・有効活用については、地域の振興と農業とのバランスを図りながら土地利用を進めるとともに、耕作放棄地の再生利用等に向け、市町村と地域の協働による多様な取組を支援いたします。

 林業の振興では、「奈良県森林づくり並びに林業及び木材産業振興条例」を新たに制定し、これに基づき、森林を「木材生産林」と「環境保全林」に区分することにより、重視すべき機能に応じた、森林の適切な整備及び保全を図ることといたしました。

 また、県産材の安定供給を図るため、林内路網の整備や県産材流通加工施設の整備などを促進するほか、国の住宅版エコポイント制度の対象となる住宅での県産材利用に対して、先に述べました商品券を活用し県独自の助成を行います。
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 5つ目は、「健康長寿の奈良県づくり」についてです。

 「健康づくり」「医療の充実」「福祉の充実」の3つの視点から、それぞれの連携を図りつつ、安心して健やかにくらせる健康長寿県を目指してまいります。

 まず、「健康づくり」です。

 県民ひとり一人が楽しみながら取り組める健康づくりを推進します。本県山添村や長野県での先進的な事例を参考にして、地元の熱心な総合医や保健師等による草の根ネットワークの構築、有用な健康長寿情報の効果的な提供など、保健、医療、福祉が連動した総合的な取組を進めます。また、庁内の推進体制を強化するため、「福祉部」を「健康福祉部」に改称し、新たに「健康づくり推進課」を設置します。

 スポーツによる健康づくりでは、まず、日常的な運動の場として、地域住民が主体的に運営する「総合型地域スポーツクラブ」の設立・育成のため、橿原公苑内にスポーツ支援センターを設置します。また、地域住民が気軽に運動できるよう、公園や広場への健康遊具等の設置を進めるとともに、橿原公苑に、フットサルコートやジョギングコース、壁打ちボード等を整備いたします。新県営プールについては、PFI手法による整備・運営の方策について検討を進め、平成26年中の完成を目指します。

 このほか、がん予防等の啓発や、集客施設等での健診受診の促進、妊婦等のたばこ喫煙防止対策などを進めてまいります。

 心の健康づくり・自殺対策について、相談機能の充実や対策に関わる人材の養成などを進めます。

 次に、「医療の充実」です。

 県民の誰もが安心できる医療体制を構築するため、昨年の秋に「地域医療再生計画」を作成し、お示ししたところです。課題は多岐にわたっておりますが、計画の具現化に向けた取組をできる限り速やかに進めてまいります。

 まず、北和及び中南和地域の高度医療拠点病院の整備に向け、県立奈良病院の建て替え整備にかかる基本構想・計画の策定や、県立医科大学附属病院に、「(仮称)中央手術棟」を建設するための基本・実施設計等に着手することといたしました。

 救急医療については、救急の医療相談に対応する電話相談窓口「奈良県救急安心センター(♯7119)」を運営するほか、救急患者を適切な医療機関へ速やかに搬送できるよう、救急隊と医療機関の搬送・受入ルールを策定します。 

 また、脳卒中や急性心筋梗塞などの重要疾患は、個々の病院だけでは十分な医療提供体制を整えることが困難な状況にあります。そこで、県内の重要疾患の診療過程や結果に関するデータの収集・点検・分析を実施するとともに、県内公立病院間の協定の締結により、適切な医療提供の役割分担を構築します。

 がん対策については、「がん対策推進計画」に沿って、地域がん登録による、がん医療と患者の実態把握や、がん診療について連携拠点となる病院、がん診療設備の整備を行う病院への助成などを行います。

 さらに、これらの取り組みを支える医療人材を養成・確保するため、県立医科大学との連携により、必要な医療機関、必要な診療科へ医師を派遣する仕組みを構築するとともに、奨学金制度等による医師や臨床研修医の確保、看護職員の確保・定着に努めてまいります。

 また、県立病院では、最新の医療機器等の整備を行うとともに、患者アメニティの向上に向けた施設整備等を進め、サービスの充実を図ります。

 なお、医療政策の庁内推進体制を強化するため、福祉部「健康安全局」に替わり、「医療政策部」を新設します。

 次に、「福祉の充実」です。

 障害者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、ライフサイクルに応じた本県独自の医療、教育、福祉サービスのサポート体制の整備を進めるとともに、障害者のグループホーム・ケアホームの整備を促進します。また、重症心身障害児施設の看護師確保に取り組みます。

 高齢者福祉については、高齢者の相談・支援の中心となる地域包括支援センターの機能の強化を図るとともに、市町村が行う高齢者に対する支援事業の経費を負担するほか、高齢者と家族からの各種の相談に対応するセンターを運営します。併せて、福祉・介護分野の人材確保を図るため、社会福祉施設の経営者に対して、人材育成計画の策定や給与制度の見直しを支援し、魅力ある福祉の職場づくりを進めます。

 子育て支援については、仕事と子育てが両立できる環境づくりに向けて、保育所整備を促進し待機児童の解消に努めるとともに、放課後児童クラブの整備及び運営の支援を行います。

 また、児童虐待の未然防止、早期発見・早期対応への体制の強化と、被虐待児や家族への支援を行うとともに、児童相談機能と要保護児童のケア体制を強化するため、中央こども家庭相談センターの機能充実について検討いたします。
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  6つ目は、「教育の充実」についてです。

 本県の児童・生徒の体力、規範意識の向上が課題となっています。このため、幼児期の運動能力・生活習慣等の調査を行い実態把握をするとともに、ノーテレビデーや規則正しい就寝・起床・食事等を実践する家庭と学校の協働プロジェクトを進めることといたしました。

 学校においては、生徒の問題行動とりわけ暴力行為と体力との相関関係が見られることから、中学校で部活動の活性化を図るとともに、県立学校の運動場芝生化を推進し、芝生の敷き方や管理方法、活用例等を県内の小学校などに示し、拡大を図ってまいります。来年度は、新たに私立学校の芝生化についても助成することといたしました。また、特別教室による中学生の不登校対策や、自立に困難を抱える青少年を地域ぐるみで支援する取組をモデル事業として実施し、各市町村への浸透を図ってまいります。

 地域の教育力については、公民館等での通学合宿をはじめとした様々な体験プログラムを推進するとともに、学校支援地域本部により地域ぐるみで学校運営を支援するなど、その充実を図ります。

 さらに、安全で安心な教育環境を確保するため、県立学校の耐震工事や施設・設備の整備を進めるとともに、本県の学校教育において重要な役割を果たしている私学についても、教育経常費補助の充実を図ってまいります。
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 7つ目は、「安全・安心の確保」についてです。

 防災・危機管理の強化については、新たに自主防災組織設立時の資機材等整備への支援を行い、組織率の向上を図るほか、県営水道施設をはじめとしたライフライン等の耐震化の推進、エコポイント制度の対象となる住宅リフォームにあわせた耐震改修に県独自に商品券を交付するなど、地震防災対策の充実に努めます。併せて、浸水被害の軽減や、土砂災害警戒情報等の伝達システムの整備にも取り組んでまいります。

  新型インフルエンザ対策では、第二波の発生に備えて発生状況の分析・予測等を確実に行うとともに、今回の経験を活かして、相談センターの設置、休日夜間応急診療所への助成などの取組を推進します。

 犯罪及び交通事故抑止対策については、県民の身近なところで発生する犯罪が増加している現状から、初動警察体制の強化や地域住民と一体となった自主防犯活動の拡大に努めるとともに、交通事故死者数ゼロを目指して、高齢者及び自転車交通安全対策の推進、運転者対策の充実、交通環境の整備に取り組みます。
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 8つ目は、「くらしやすいまちづくり」についてです。

  美しく風格のあるまち並みを守り、育てるため、景観条例や景観計画の効果的運用を図り、地域住民との景観住民協定の締結や修景整備等への助成を進めるとともに、屋外広告物条例を改正し、広域幹線道路交差点周辺の景観改善に取り組みます。また、エコポイント制度の対象となる住宅リフォームにあたっての景観への配慮にも、県独自の助成を行います。

 きれいでくらしやすい生活環境の創造にも努めてまいります。まず、水需給、水質保全、治水、水辺環境等のバランスのとれた水循環の確立に向け、水行政の基本的な方向性を示す「(仮称)水循環ビジョン」を策定することといたしました。また、県と市町村が連携し現在の水道システムの一層の合理化・安定化を図るため、「(仮称)県域水道ビジョン」の策定にも取り組みます。

 さらに、産業廃棄物の排出抑制、減量化、リサイクルに係る設備の導入を支援し、様々な資源が地域で循環し、環境に負荷を与えないシステムづくりを行います。また、産業廃棄物最終処分場周辺の環境整備を行う市町村に対する助成を充実することといたしました。

  このほか、住宅用太陽光発電パネルの導入経費に対する無利子の貸付制度の充実、省エネ施設等の導入を行う県内民間事業者や市町村に対する助成など、低炭素社会の実現に向けた取組を進めます。

 地域の元気を引き出す活気のあるまちづくりも進めてまいります。このため、「一市一まちづくり」を念頭に、ハード及びソフトの両面から地域資源や特性を活かしたまちづくりについて、関係市と連携し検討を進めます。

 人権を尊重した社会づくりについては、全部局で人権尊重の視点に立って行政を推進するとともに、多様な媒体・手法による人権啓発や「こころの健康相談」の開設など、「人権教育・啓発」及び「相談・支援」に取り組みます。
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 次に、「中南和・東部地域の振興」についてです。

 過疎地域及びその生活圏を含めた中南和・東部地域全体の振興を図るため、「(仮称)新過疎地域振興方針・計画」を策定するとともに、特に、活力の低下が著しい南部地域を元気にするため、県オリジナルの「(仮称)南部振興計画」を策定することといたしました。併せて、庁内推進体制を強化するため、地域振興部に「南部振興対策室」を設置します。 

 また、京奈和自動車道大和御所道路(仮称)橿原南・御所インターチェンジ周辺において産業用地調査を進めるとともに、山間地域ケーブルテレビの施設整備や難視地区における共聴施設の整備への支援、運行経費の助成による広域的・幹線的なバス路線の維持、バス事業者等と連携した広域的な病院通院バスの実証運行など、安全・安心で快適な生活環境の確保を図ってまいります。さらに、安全な通行を確保するための道路防災対策の推進や、県立五條病院やへき地診療所での「総合医」養成等によるへき地医療体制の確保にも努めます。

 地域資源を活用した観光交流などを進めるため、三重・和歌山と連携した「(仮称)吉野・高野・熊野の国」の建国による魅力的な観光ルートの開発や、県内で4番目となる「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の世界遺産登録に向けた取組を引き続き推進するとともに、
新たに、史跡・名勝飛鳥京跡苑池の復原整備に着手することといたしました。
                 
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  来年度予算案における主な取組の内容は以上ですが、このような県政の様々な施策を支える3つの基礎的な条件の整備のためとして、「効率的・効果的な基盤整備」「協働の推進及び市町村の支援」「行政運営の効率化と財政の健全化」を進めます。
 
 「基盤整備」では、国の新年度予算において、公共事業が厳しい状況に置かれている中、真に必要な整備を推進するため、効果の高い事業や緊急性のある事業への「選択と集中」を一層強化いたします。

 この方針のもと、交通事故対策や中山間地域の道路防災対策、河川の浸水常襲地域減災対策など、県民生活の安全・安心につながる取組や、橋りょうの予防保全及び快適な公共空間の確保など、既存施設の機能維持について、最優先で取り組むことといたします。

 また、「奈良の今後5カ年の道づくり重点戦略」により供用目標を宣言している道路等の整備、奈良公園及び周辺地域整備等の大型プロジェクト、景観向上に資する電線類地中化等について、計画的・重点的に取り組みます。なお、これら以外についても、個々の事業効果等を踏まえ、「選択と集中」の徹底を図ります。

 コストの縮減では、道路橋りょうや県営住宅などにおいて、予防保全型維持管理への転換を図り、ライフサイクルコストの縮減に向けた取組を推進します。

 「協働の推進及び市町村の支援」については、新たに策定する「奈良県協働推進指針」に基づき、NPOや自治会、事業者及び教育機関等多様な主体による協働型社会づくりを推進するとともに、民間からの寄付を募り、地域貢献活動を行う団体等を支援するしくみとして、「奈良県協働推進基金」を創設することといたしました。

 市町村への支援では、本県に最適な行政の仕組みづくりを目指し、新たに「奈良モデル検討会」を設置し、実情に即した県と市町村との具体の役割分担を進める方策について検討いたします。

 新年度に実施する具体の支援としては、市町村管理橋りょうの点検業務や長寿命化修繕計画策定業務を県が受託するほか、早期健全化基準を上回り、計画を策定して財政健全化に取り組む市町村に対し、引き続き、無利子の貸付を行います。また、市町村の行政経営努力について自己診断等ができるよう、行政経営状況の分析・診断手法の検討を行います。

  なお、県からの補助金に加え、国から直接交付される補助金や県庁力によるサポートなどを分野別に整理し、「市町村サポート一覧」としてとりまとめましたので、市町村の職員をはじめ多くの方々にご活用いただきたいと思います。

 「行政運営の効率化と財政の健全化」では、ATMや携帯電話、インターネット等による電子納税のための条件整備や、コンビニエンスストアでの納税の拡大、クレジットカードによる税の支払いを可能にするなどとともに、市町村と連携した徴収の強化、差押財産のインターネット公売等の推進などにより、県税収入の確保を図ります。また、各種貸付金や使用料等の未収金について、支払督促の強化や債権回収の民間委託などにより、収入の確保に努めてまいります。歳出についても、引き続き無駄を排除するため、事業見直しの徹底を図りました。

 職員の定数については、一般職員の定数減に努める一方、医師・看護師・警察官の定数増を図るなど、適切な管理に努めたところです。

 県有資産の有効活用については、北部地域の県有施設再配置計画に基づき、拠点施設となる旧片桐高校と法蓮庁舎の改修に着手します。また、低・未利用資産の整理計画に基づき、県で活用見込みのない資産の売却・貸付を積極的に進めます。

 また、新たな行革計画の策定などにより、行政運営の効率化を図ってまいります。

  このほか、多様な媒体による県政情報の積極的な提供に努めるとともに、県・市町村への各種相談や問い合わせに一元的に対応する「相談ならダイヤル」を新たに設置することといたしました。


 以上説明申し上げましたのは、22年度議案の議第1号から議第15号と21年度議案の議第102号から議第104号の一般会計及び特別会計予算案における主要な施策の概要です。

 予算案とあわせて、予算外議案として25の議案を提出しました。これらは主として、申し上げた予算案に関連して、当面必要とする条例の制定及び改正案等ですが、個々の説明は省略させていただきます。

 このほか、詳細につきましては、関係部局からの説明及び予算概要など別途関係資料によりご承知いただきたいと存じます。

 奈良県は、ともすれば自然の美しさや神社仏閣の古美術ばかりが称揚されますが、私たち奈良県民には、未来を切り拓く力があると確信しています。

 新年度予算に関連して、本日、説明申し上げた政策は、「地域の自立を図り、くらしやすい奈良を創る」ための土台をつくりたいという強い思いを込めて策定したものであります。

 何卒慎重にご審議のうえ、よろしくご議決いただきますようお願いいたします。