保安林制度

保安林制度

 

 森林には、豊かな水をはぐくんだり、洪水や土砂災害を防止したり、健康で快適な生活環境を維持したりする様々なはたらきがあります。
 保安林制度は、これらのはたらきをうまく活用し、私たちの生活や生命を守るために伐採や開発に一定の制限を設け、森林を適切に管理していくためのものです。




保安林の種類

行為制限

優遇措置

お問い合せ先





保安林の種類■

 保安林は、その目的や期待するはたらきによって、全部で17種類に区分されています。それぞれの名称は次のとおりです。

1 水源かん養保安林 2 土砂流出防備保安林 3 土砂崩壊防備保安林
4 飛砂防備保安林 5 防風保安林 6 水害防備保安林 7 潮害防備保安林 8 干害防備保安林
9 防雪保安林 10 防霧保安林 11 なだれ防止保安林 12 落石防止保安林 13 防火保安林
14 魚つき保安林 15 航行目標保安林 16 保健保安林 17 風致保安林


(注1)国有林及び民有林の1~3の保安林の指定・解除は農林水産大臣権限、民有林の4~17の保安林の指定・解除は知事権限です。

(注2)保安林の指定の理由が消滅したとき、または、指定目的に優先する公益上の理由により必要が生じたときは保安林の指定を解除します。

(注3)現在、奈良県内で指定されている保安林は、1、2、3、8、12、13、16、17の全8種類です。




 

行為制限

保安林に指定されると、森林のはたらきを維持するために伐採の制限や伐採後の植栽の義務、その他、森林内での様々な作業行為についての制限が課されます。



1 伐採の制限

伐採方法

手続き

申請及び届出の受付期間

禁伐の指定が
ある場合

伐採は禁止されています

なし

択伐する場合

天然林の択伐は知事の許可が必要です

伐採する日の30日前までに申請を行ってください。

人工林の択伐は届出が必要です

伐採する日の90日前から20日前までに届け出てください。

皆伐する場合

知事の許可が必要です

皆伐面積の許容限度の公表の日(年4回)から30日以内に申請してください。

間伐する場合

間伐の届出が必要です

間伐する日の90日前から20日前までに届け出てください。


(注1)市町村森林整備計画で定める標準伐期齢(例;スギ40年、ヒノキ45年、マツ45年、その他広葉樹20~45年)に満たない立木は、皆伐及び択伐はできません。

(注2)樹冠粗密度が80パーセントに達していない森林は間伐できません。

(注3)皆伐面積の許容限度の公表の日は2月1日、6月1日、9月1日、12月1日(これらの日が土曜日、日曜日に当たる場合はその翌月曜日)の年4回です。

(注4)詳細についてはお近くの農林振興事務所にお問い合せください。

  (注5)火災、風水害その他の非常災害に際して緊急に保安林内立木を伐採する必要がある際には、 事前の伐採許可は不要です。

 ※ 緊急に立木の伐採を行った際には、伐採完了後30日以内に、保安林内緊急伐採等届出書  を奈良県庁森林環境課森林保全に提出してください。




2 植栽の義務

 立木を伐採(皆伐、択伐)した後、植栽をしなければもとの森林状態に回復しない保安林には、伐採跡地への植栽が義務づけられています。

植栽例

植栽方法

満一年生以上の苗を、おおむね1ヘクタールあたり保安林の指定時に定めた本数以上の割合で均等に分布するように植栽してください。

植栽期間

伐採を終了した日を含む伐採年度の翌伐採年度の初日から起算して2年以内に植栽をしてください。  (※)

植栽樹種

それぞれの保安林について指定時に定めています。
(例)スギ、ヒノキ、マツ、その他高木性の樹種


    (※)但し、土地の形質変更等に伴う伐採については取り扱いが異なります。

       (「3 土地の形質変更等についての制限」を参照してください。)

3 土地の形質変更等についての制限

 保安林内において、次に掲げる行為を行う場合は知事の許可が必要です。

立竹の伐採 立木の損傷 家畜の放牧 下草の採取 落葉の採取
落枝の採取 土石の採掘 樹根の採掘 開墾 その他土地の形質の変更

 
 これらの行為については、保安林のはたらきが損なわれない場合に限り許可されます。
 保安林内作業許可申請書の作成につきましては、下記資料を参照してください。
作業許可の取扱い(pdf 2177KB)

作業許可様式(word)(zip 106KB)


(注1)各種作業についての許可申請は随時受け付けています。
(注2)植栽が義務づけられている保安林で、土地の形質変更等に伴い立木を伐採する場合は許可の期間内に

   植栽してください。

(注3)低高圧架空電線、特別高圧架空電線の保守のための枝払いについては、知事の許可は不要です。
  なお、立木の生育を阻害するほど大幅に葉量を減少させる場合、芯止め等樹幹を損傷する場合は、
  知事の許可等が必要です。

  詳細については県庁森林環境課森林保全係にお問い合わせ下さい。
                                (令和6年4月1日 事務処理改正)


 


優遇措置■

 

 

1 税制上の優遇

固定資産税、不動産取得税、特別土地保有税は課税されません。また、相続税、贈与税は伐採制限の内容に応じて相続税等の評価の際に3~8割が控除されます。

2 日本政策金融公庫の融資の特例

一定の条件を満たしている場合には、長期で低利の資金を借りることができます。

3 伐採の制限に伴う損失についての補償

禁伐や択伐など、立木の伐採について厳しい制限が課せられている保安林については、立木資産の凍結について損失の補償が受けられます。

4 治山事業による整備

山崩れの防止など公益上重要なはたらきをしている保安林については、必要に応じて治山事業での森林整備が行われます。






 




お問い合せ先■

名称 所在場所 電話番号 管轄 対応業務

県庁森林環境課 
森林保全係

〒630-8501
奈良市登大路町30番地
(県庁分庁舎5階) 

(0742)
27-7475

県全域

各種作業行為
保安林全般

中部農林振興事務所
森林共生推進課

〒634-0003
橿原市常盤町605-5
(橿原総合庁舎2階)

(0744)
48-3084

奈良市、大和郡山市、天理市、生駒市、生駒郡、大和高田市、橿原市、桜井市、御所市、香芝市、葛城市、磯城郡、高市郡、北葛城郡

皆伐・択伐、間伐関係

東部農林振興事務所 
森林共生推進課

〒633-2221
宇陀市菟田野松井486-1

(0745)
84-9501

宇陀市、山辺郡、宇陀郡

皆伐・択伐、
間伐関係

南部農林振興事務所 
森林共生推進第一課

〒637-0006

五條市岡口1丁目3番1号
    

(0747)
            32-8313

五條市、吉野郡
(十津川村を除く)

皆伐・択伐、
間伐関係

南部農林振興事務所 
森林共生推進第二課

〒637-1443
吉野郡十津川村折立631-1
(林業会館内)

(0746)
64-0671

十津川村

皆伐・択伐、
間伐関係


保安林の確認は、県庁森林環境課及び管轄の各農林振興事務所で行っております。
また、FAXでも確認を受け付けております。保安林台帳索引簿確認申込書に必要事項をご記入のうえ、県庁森林環境課森林保全係宛てFAX(FAX番号:0742-24-5004)にてご送信ください。
※保安林は地番指定です。

※確認結果をFAXにてお送りしますので、必ず、確認申込書中にFAX番号をご記入ください。

保安林台帳索引補確認申込書様式(pdf 97KB)
保安林台帳索引簿確認申込書記入例 (pdf 31KB)

 

注意事項:保安林は、土地登記簿上での地目が保安林になっている場合そうでない場合があります。一筆の土地の一部が保安林に指定されている場合などは、土地登記簿では確認できませんので、保安林に指定されているかどうかは、土地の所在地(地番を登記簿等により調べたうえで、必ず保安林台帳索引簿で確認してください。

国有林野の活用については、林野庁ホームページをご確認ください。