司会: ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
まず、お手元の案件につきまして荒井知事から発表いたします。引き続き、記者の皆様からご質問いただきたいと思います。
平成20年度県内市町村普通会計当初予算の概要【資料】 (新しいウィンドウが開きます。)
知事:
本日は、5件ご報告させていただきます。
最初の案件は、県内市町村の平成20年度普通会計当初予算をまとめたものです。当初予算では、決算のような具体的な財政状況分析までは至りませんが、一定の傾向がありますので、その主な特徴をご報告させていただきます。
私が見て、総額で注目する点は、歳入で市町村税が0.3%減少しているのに対して地方交付税が2.9%増加しています。経年的に見ると地方交付税がプラスに転じたことで、これは一つの転機ではないかと思います。
また、歳出では、義務的経費が1.1%減、うち人件費が2.5%減、投資的経費が6.4%増となっています。
予算段階のため増減割合を単に列記していますが、義務的経費の1.1%減や人件費の2.5%減という割合は、充分に抑制されたといえる数値なのか、また投資的経費が6.4%増という割合は、頑張っているといえるのかどうか、また財源としての国の助成の裏打ちが確実なものかどうかなど、分析していくことが必要だと思います。
また、割合とともに額も問題になりますし、市町村の体力との関係も問題になります。県の立場としては、個々の市町村ごとに、大変になっている状況や頑張っている状況を分析しなければなりません。この点は、決算で十分行っていきたいと思っています。
基金の状況ですが、ご存じのように、地方公共団体の予算はお金の足らず米(たらずまい)、いわゆる財源不足が一番の問題です。そもそも、地方公共団体は、国とは違い、赤字だからといって特例債を発行するという仕組みがありませんので、財政調整基金等で財源の手当てをすることになります。予算での財源充当の結果、基金残高が減少し、米びつの底が見えてくる、いわゆる基金の枯渇(こかつ)が課題となります。
予算段階でも、県内市町村の財政調整基金や減債基金の残高は、ある程度分かりますので、その傾向をグラフ化してみました。経常収支比率の上昇と反比例して、それぞれの基金が大変減ってきている傾向にあることが分かっていただける資料となっています。これらの詳細につきましては、後ほど市町村振興課からご報告いたします。
このページのトップに戻る
県庁発の観光素材、ツアー化進行中
【資料】 (新しいウィンドウが開きます。)
知事:
2つ目は、観光素材のツアー化ということで、県庁初でこのようなことも始めています、ということです。ポイントは、企画旅行の商品化に取り組んでいるということです。特に、八十八面観音、八十八重塔というようなキャッチの資料、あるいは大和路八十八面観音巡りということで、「8体の十一面観音をお参りすれば、お顔が八十八面拝めますよ」ということです。
男の厄年、女の厄年、子供の厄年を合わせて88になるということもかけており、十一面観音には国宝が3つもありますし、また有名な十一面観音もありますので、重要文化財以上の8体を巡る、そのような商品を持ち込んでいます。
さらに、大和路八十八重塔では、奈良には三重の塔もありますし、十三重の塔もあるわけでして、20カ寺で合計八十八重の塔を巡るということです。これも厄年がけをしていますが、このような企画を含めて、いろんな商品を旅行会社に、持ち込んでいるというご紹介です。
大ざっぱにつかんでいただきたいのは、「県庁は旅行の企画もして持ち込むという仕事を始めた」ということです。企画旅行を持ち込んでパンフレットに載せていただいたり、それを商品化してもらうとかです。プレハブ(骨格のある)の旅行をもって商品にしてもらう。だから韓国へプロモーションに行ったときにも向こうの人に言ったんですが、韓国の人など遠くの人が、奈良ではどういうコースがあるのかを調べて、商品作りをするのは経費が大変なので、地元がイージーオーダーで出来上がった企画を持ち込んで、そこにJTBソウルだとか、ハナツアー(韓国の旅行会社)とかが、ブランド名を載せて、料金を設定して、何月何日どこ発というようにすると旅行商品がつくりやすくなる、といいうのがマーケットの実態です。
奈良はこういう仕事をあまりしてなかったのですけれど、特に県庁としてなかった面、行政があまりしないという流れが今までありました。旅行商品の企画を自分で売ることはないわけですが、「商品の企画を造成するのは別に行政がしてもおかしくないんだ」、「行政がした方が情報があるから」ということで、ホテルと足(交通手段)は旅行会社がつけるわけですから、その商品の中身の一番大事なところは地元の行政機関が持ち込んでも全くおかしいことはないと考えていきました。最近は、県庁もこのような商品の素材を、出来上がる直前の商品まで企画して作っていますということをご紹介しています。
このページのトップに戻る
「大切にしたい奈良県の野生動植物」を発刊【資料】 (新しいウィンドウが開きます。)
知事:
3つめは、奈良県の野生動植物という「レッドデータブック」を発刊いたしました。最初に申し上げますが、残念ながら47番目の発刊です。全国で最後になりました。こういうのは申しわけないというよりも残念だと言わなければいけない面があろうかと思いますが、それでも発刊させていただきました。
本書の内容は、絶滅種等々カテゴリーが5つあって、おもしろいので読んでいただきたいということですが、今後の取り組みとして、記念シンポジウムを7月にいたします。それと今後、条例もつくることを考えています。「(仮称)奈良県希少野生動植物の保護に関する条例」を制定するべく検討を開始いたしますということです。
内容は、また取材していただきたいと思いますけれども、近畿で一番高い山が奈良県にあります。大峯山脈に1,914メートルの八経ケ岳というのがあります。したがって、低地から高地といいますか亜高山帯といわれるところまで急速に上っていきますので、生息する動植物の種類が極めて多いという特徴があるんだそうです。
それから、例えば注目種というカテゴリーには珍しいのもあると。「南限が本県であるような種が動物でもあります」とか、それから、「植物の珍しいのもあります」というようなことですので、詳しくは後ほど担当からお聞きになっていただければと思います。
このページのトップに戻る
第1回「奈良県中央卸売市場のあり方検討会議」の開催結果について【資料】 (新しいウィンドウが開きます。)
知事:
4つ目はですが、「中央卸売市場のあり方検討会議」の開催結果です。中央卸売市場は、この時代の流れの中でどのように役目を果たしていくのかというのが、かねてから問題になってきていましたが、いよいよ関係者を集めて今後の生き残り方策を検討するということで、6月12日に発足いたしました。
また内容について適時ご紹介をさせていただきたいと思っています。昨日の会議の内容資料はお手元の通りです。
このページのトップに戻る
「奈良のうまいもの」あじわいグランプリの実施~弁当コンクール~【資料】 (新しいウィンドウが開きます。)
知事:
最後になりましたが、5つ目は、「奈良のうまいもの」あじわいグランプリを実施します。募集のテーマは「奈良で食べたいお弁当」ということです。8月22日までの募集期間で、最終審査は11月、その結果通知は12月と、年内半年かけてやる期間の長いグランプリです。これはプロ、アマどなたでも参加可能ですので、よろしくご承知願えればと思います。
ご報告は以上です。
このページのトップに戻る
質疑応答
司会: それでは、まず本日の案件につきましてご質問をお受けしたいと思います。
では、お願いいたします。
県庁発の観光素材、ツアー化進行中について
記者:
観光の話ですが、こういう取り組みというのは、例えばほかの県でやっておられるところはあるんですか?
知事: 奈良で言う観光連盟とか、よく観光協会というのは、県の行政組織じゃありませんが、そういう外郭団体がされてるところが多いと思います。それと、旅館の団体などされてるところが多いように思います。奈良でしかやってないということはないと思いますけれども、プレハブ(骨格のある)の本当に出来上がった商品をつくるというのは、行政がやるのかどうかはいろいろと考え方があるところだと思います。今どき、情報が一番集まるのは行政でもありますので、仕立てて持ち込んでもいいのではないかと思っています。
知事: ここは、すごくやってるという県は、あるかもしれませんが、ちょっと思いつきません。プレハブ(骨格のある)という言い方は、適切かどうか分かりませんけれども、さきほど言ったみたいにレッテルを張って、ホテルと足(交通手段)をつければすぐに商品化できるという意味ですね。旅行会社の経費は商品の中身を良くするのがすごく大変なんです。足と宿は旅行会社の得意分野ですので、それをアレンジして、いつにしようというようにすればできます。
それともう一つは、商品の持ち込みは6カ月前が厳守なんですね。6カ月前にパンフレットができていないと売れないということですので、夏に冬物、冬に夏物を売りに行くのが大原則です。それと地元の観光業界の人は売りに行く経費とかは大変だと思います。 どのホテルというのはこちらで言えませんけれども、奈良の観光商品、素材。素材というと、まだまだ観光素材のパーツになると思います。パーツのまとまった、すぐに出来上がる、商品化できる直前商品というようなことを持ち込みたいと思っています。これからどんどんそういう商品を、プレハブ商品というのか、ネーミングはいまいちですけど、作っていきたいと思っています。
ならの魅力創造課の仕事になっています。課の宣伝もしておきます。
記者: 新規で旅行商品24本実施が決まったので、もう既に始まっているものというのはありますか?
知事: もう売り始められてるということでした。これは県外に売り出しているものだから、県内ではあまり広報しません。県内の商品は県内に余りおろさないものですから目につかないかと思うのですけれど、「こういうのをするならこういうのがあるよ」という情報が回って、県外の方への広報の県内広報というのはもう重要な事項ですので、知事会見で説明をさせいいただきました。
記者: 仕組みとしては、何というか、商品化してもらって特に手数料はなしで、全く無料ですか?
知事: もちろんありません。
記者: 企画料も?
知事: もちろんありません、
記者: あらかじめ何かこういうのを、何か要望を聞いてやるのか、あるいはもう全く県の方からどうですかという形ということで売り出す?
知事: どういう作り方をしたのかはあまりつぶさに聞いてませんが、よく情報収集をして、このような旅行企画を作ってきたなと思っています。組織ができて間もない課なのにね、これだけよく商品の企画素材をまとめて出してきたなと思っています。
記者: 今までもいろんな旅行会社、フリープランなんかありましたけれど、いろいろ奈良の観光地が張りついて商品が出ているのですけれど、そのボリュームがこれによってどれぐらい変わったかなとかいうのは多少分かるのでしょうか?
知事: そのうち分かってくると思いますが、多分東京の広報と商品の量を取材されると圧倒的に増えていますよ。東京で調べて幾らというような、数量的な調査をしていませんが、すごく増えていますよ。
今まで東京で、列車の中で全線・全車両つり革広告とか、ずらっと奈良のことが並ぶなんて、40年間住んでいましたが一度もありませんでした。それが車両にずらっと並んでいて、感激しましたよ。奈良の広告があるだけでもびっくりするようなことでした、それが全車両出るようになったということと、それとこの前ある週刊誌に10ページの奈良広告が出て、そんなことは今までの東京住まいから考えられなかったことなので、すごい広報量は増えているなということですね。
それと、947万部のツアーパンフレットが出ているのですが、これだけの枚数が出ているツアーであっても、募集人数の設定は3,300名と、これぐらいになるんですよね。
だから、パンフレットの経費はすごく高いのですが、毎日160~200種類ぐらいのパンフレットが出ており、そのうちの奈良というのは、ほんのわずかでした。議員のときに議員会館で、何度か奈良だけのパンフレットをつくってもらって商品作りしましたが、まだそれは続けてくれているのですけれども、そういうのは県庁で商品づくりしているみたいなところがあるんですけどね。
記者: もし、京都と量の比較みたいなのが分かれば?
知事: 京都とはもう全然、比較するにも値しませんが、圧倒的に違いますよ。要するに宿泊のキャパも違うし、比較するのが恥ずかしいです。全然違います。このパンフレットは、奈良に泊まって、奈良のホテルが載っているというのが大きな特徴です。多分この八十八面観音にしても、京都のところに載って「奈良に行こう」というパンフになる可能性があるのが残念だということですよね。だからそれを、「それでもいいや」というのか、「いや、奈良に来てもらわないと」と思うのかということですね。
記者: もし把握するデータ的なものが今後わかってきたら、また教えてもらえたらなって。僕らがもちろんやるべきことなんでしょうけれども?
知事: 大事ですね。調査して報告できるようにしたいと思います。旅行会社は、すごい量のパンフレットを出して、目にとめてもらいたいということですが、旅行会社はこんなパンフレットを毎日のようにつくるのに手間が大変なもんですから、素材を見てすぐにレッテルを張ってもらえるようにデスティネーションの担当は努めないといけないと。そういう事にも、実は静かな競争がありますからね。
このページのトップに戻る
平成20年度県内市町村普通会計当初予算の概要について
記者:
今年度の普通会計当初予算の概要説明で、財調基金、減債基金の減少、かなり落ち込んでいる、残高が平成15年度の2分の1なんだと、それについての何か見解というか思いは?
知事: 奈良県内の市町村の財政状況というのは、全国でも極めて困難な状況であると認識しています。
それは、基金全体が減っているという点も懸案材料ですが、このまま予算通りに執行されると、今年度末で基金残高が1億円以下になる団体が7団体もあることが問題と考えています。その団体では、基金という米が少なくなってしまい、もう米びつの底が見えている状況になっているということです。
平成20年度では奈良市・宇陀市が新たに加わる見込みですが、桜井市、平群町、高取町、上牧町、吉野町では、これまでも1億円以下で基金が底をついた状況になっているということです。大きな財政需要があるとたちまち赤字が膨らんでしまうことになってしまいます。非常に際々の財政運営を続けている団体があるのだということが怖いと思っています。
この資料では、そのような団体を含めた全体では、平成15年度末残高が486億円で、平成20年度ではまだ233億円が残っている、増加団体も7団体あるとなっていますが、全体では良い傾向とは言えるものではありません。この点については決算等でご報告する時には、各団体の様子など個別にご報告ができるかと思います。
記者: やっぱり自主財源というか、市町村税で法人とかの収入が少なくて、これといった税財源を持っている市町村というのがまだ乏しいというか?
知事: 原因は色々あると思いますけれど、自主財源が乏しいというのは基本線にあると思います。基本的には、収入が少なくて、支出が多いという財政構造が関係していまして、例えば歳出面で、過去の負債が大きくて公債費という返済のための支出が多いものや、人件費が多いなどの原因となっている場合もあり、基金が減少していると思います。その上、基金が底をついているとなれば、歳入・歳出・基金の3タイプが合わさった財政上での三重苦となります。県内市町村の傾向としては、おおむね借金の返済や人件費のウエイトが高く、恒常的に財政が硬直化しているのが現状です。
問題はその解決策をどのようにするかということが大事なことだと思います。ただ、市町村の財政不足を県が直接助ける仕組みは制度上ありません。県としては、業務を効率化する、共同化するということはできるのですが、その効果が現れるには少々時間がかかります。このため危機的なものには対応ができにくくなります。そのためには、行財政の体質改善をしなければならないと思います。県も財政状況は決して良いものではありませんので、指導というより市町村と一緒に助け合って体質改善に向けた道を歩んでいける方策を考えています。
このページのトップに戻る
「大切にしたい奈良県の動植物」を発刊について
記者:
野生動植物の分野の条例ですけども、これからやはり詰めていくのでしょうが、何らかの強制力とか、それからペナルティーなり、そういうものを伴うものではないんでしょうか?
担当: 罰則を伴う予定です。
記者: 具体的にどんなものですか?
担当: 罰金などで、国の法律に準じて、それ以下ということになりますけども。
記者: 各都道府県と同じようなことに?
担当: そういう形になるかと思います。
知事: そういうこともあり得るのかな?例えば、尾瀬では動植物を採ったときには罰則がかかってると思うんですよね。だからそういう類のものがあれば、効果はあると思うんですけどね。天然記念物を採れば罰則がかかったりすると思うんですよね。そのような希少動植物が具体化されて、それを罰則を定めて保護するような状況かどうかというのは、これから条例の検討項目になろうかと思います。
その前に県内の希少野生動植物はどんな状況なのかというレッドデータブックがあって、それをどう守るのか、それにどういう手段を講じるのかというのが、条例の中身になり得るとは思います。
記者: 検討の基礎材料が今回そろったということですか?
知事: そういうことですね。ちなみに条例の制定は、27都道府県が制定済みです。2県が制定作業中。だから、これは47番目じゃないですね。サボってると47番目になるかもしれません。
記者: その47番目になった理由というのは何かあるんですか?
知事: 特に聞いていませんが、「どうしてでしょうか」と言うと無責任な言い方になると思いますが。私からすれば、気がついたら47番目だったということですね。
担当: 一元的に、自然保護を所管する部署が、今年4月に新しくできましたので、今後、条例の制定など施策を推進していきたいと思っています。
司会: 本日の案件につきまして、ほかの質問はありませんか?
それでは、その他の案件につきましてご質問をお受けしたいと思います。
このページのトップに戻る
海外プロモーション活動 第2回知事トップセールス「韓国」の実施について
記者:
韓国へ行かれた、トップセールスに行かれた活動の成果というか、何かあればご報告を?
知事: 幾つか自分なりには感じる成功の端緒はあると思います。先ほどありました旅行には売り込みがやっぱり大事ですし、特に韓国へなぜ行ったかというと、韓国と奈良とのゆかりがあるということがよく分かりましたが、エピソード的に申し上げますと、向こうでいろんな人に出てきていただいたし、日本の駐韓大使にも、韓国のいろんな人を大使公邸に呼んでいただいたりもしました。
例えば、お世話になったり、お世話になりそうな人にたくさんお目にかかりましたし、関係者にもお目にかかった中で、一つは、崔(さい)さんという、修学旅行協会長、元教育者の方ですけれども、交流会にも出てきていただいて、懇親の席で、「自分は教育者として日本における韓国の発見ということをテーマにしてやってきた」と。
「奈良は(我々でいうとゆかりですね)、韓国のゆかりが多いので、それをもっと調べて提示してほしい」、「自分も日本における韓国の発見、奈良だけではなく、いろんなことを生涯のテーマにしてきている」とおっしゃる方がおられました。
韓国のゆかりというのを奈良で見つけて、それを案内に提示したり、向こうの旅行の素材の中身に入れるというのは、観光だけではない非常に深みのある文化活動にも結びつくようなテーマであると再確認したこともあります。
それから、今度行った訪問地が、たくさん旅行商品が出るはずのソウルだけではなく、古代に百済のあった公州というか、扶余の方へも一行で行って、韓国9道のうちの一つの忠清南道という地域の知事さんが奈良に来られたこともあって、再度仲良くさせてもらって、協定書をさらに改定したりしました。
その地域の人、あるいはソウルでも会った人は、「百済の都の人たちはどこに行ったんだろう」、「百済の文化はどこ行ったんだろう」、百済にはほとんど残ってないのですが、わずかに出てきているのもありますが、それが国の宝物になっています。
ソウルの国立中央博物館に行ったときの、半跏思惟像(はんかいしいぞう)の弥勒菩薩(みろくぼさつ)と武寧王(ぶねいおう)というお墓から出てきた冠が国立博物館にメイン展示となっていました。武寧王は扶余の王様で、最近発見されたお墓ですけれども、そのお墓の棺は高野槙(こうやまき)だった。その高野槙という木は韓国にはない木だったとか、そんな事を向こうの人は良く知っているんですよね。だけど日本人はあまり知らなかったというのは、恥ずかしいなと思ったりもしました。高野槙が奈良から行ったのか、熊本から行ったのかは分からないのですが、ゆかりは大変深いものがあるという感じがいたしました。
韓国とのゆかりは観光の商品素材にもなるという面もありますけれど、文化的な結びつきを考えると1300年記念事業のテーマにもなるのかなと思いました。
それから、あとは自分なりの成果と思うのは、県会議員も5名、行っていただきましたし、いろんな観光産業の人も行っていただき、やっぱりこういうプロモーションすれば「何か物が動くな」と、「反応があるな」という実感を持っていただいたのではないかなと思います。プロモーションは、すぐに出ない面もあるし、直ちに出そうな感じもあるんですよね。
向こうの最大の送客業者、ハナツアーは、「直ちに日本向けのツアーのためのファムトリップというのか、調査団を派遣します」、あるいは「ファムトリップを呼んでください」、「仕立ててください」というような話がありましたし、そのときに先ほどの商品素材のほかに、やっぱりいい受けを、ホテルとかの料金ですね、受けをできたらと思っていますが。
記者: 日本向けツアーというのは、奈良向けですか?
知事: 奈良向けですね。ソウルからすれば、ソウル、関空(関西国際空港)、橿原市内。ソウル、関空、そこから奈良市内や法隆寺。「法隆寺が大変人気が高いのに、大体東大寺を回って帰るんですよ」という話もあります。法隆寺が、韓国の人に人気が高いのは、やはり百済観音とか韓国とのゆかりのあるお寺だという認識が広まっているからだと思います。
日本のどこかの新聞に出ていましたが、王興寺(577年に百済王が創建、飛鳥寺の原形と言われる。「韓国:中清南道」)というお寺が飛鳥寺の原形だと。飛鳥寺が法隆寺に移ったということからすると、扶余にある王興寺という、今はないのですが、そこをつくった技術者が飛鳥寺をつくって、その飛鳥寺をモデルに法隆寺ができたと言われていますので、そのようなゆかりは、たどると大変興味深い面がありますし、その文化、歴史の発見が観光素材になり得る大きなきっかけだと思います。
「ゆかりがないとやっぱり感激しませんよ」また、「ゆかりを証明してもらわないと感激しませんよ」とにおっしゃっておられますので、直にまだ感じて即座に報告できるようなことといえば、そういうことにもなります。
このページのトップに戻る
高山第2工区開発見直しのプロジェクトチーム会合について
知事:
聞かれたらご報告しようかと思って、聞かれなかったけども、ちょっと時間を置いてご報告ということでしたが、高山第2工区の開発計画見直しプロジェクトチームの会合を6月18日に開催します。内容は非公開ですが、冒頭取材は可能です。あと資料や、メンバーとかそのうち出ると思います。メンバーは行政関係者のプロジェクトチームです。また内容は、その都度、事後に報告されると思います。
このページのトップに戻る
三重県伊賀保健所管内の医療機関で発生した事案について
記者:
三重県の整形外科で、点滴で具合が悪くなったという件ですが。奈良県内の県民の方も入院されているとお聞きしているのですが、その点について県として何か三重県の方と連絡をされてたりとか?
知事: そうですね、三重の病院のお世話になっている人はおられますので。
奈良県民の方が入院されているとは、ちょっと気がつきませんでしたが、調べてご報告させていただきます。
このページのトップに戻る
道州制について
記者:
それから、知事会では道州制のお話が出て、多分知事さんは前と同じように慎重にというお考えだと思うんですけれども、お変わりないですね?
知事:
道州制について自民党で発表した内容は、来週の「あらい日誌」にはご報告しようかと思っていましたが、出した資料については、報告させていただきます。
道州制については、「その効用については不明確であるので、道州制の目的、設計、効果について検証する必要がある」と文章で書いて、発表しました。「道州制というのは統治構造の課題なので、構造的な問題は多角的にいろいろ調べる必要がある」と。「現象的にこれを問題だから、こうだという対症療法じゃだめだ」ということを、基本的なスタンスとして申し上げました。
それと、ヨーロッパに行ったときに、欧州の地方分権について勉強をしてきました。特にヨーロッパでは全く政治的に分権は冷めた課題になってます。話題になっていないという政治状況にあります。それはどういうわけだろうかというようなことも、多少論文とか、勉強している人がおられたので、お聞きしてきました。私の解釈では、ヨーロッパの事情は、グローバル化が進む中では地方間の競争があります。遅れる地域と元気が出る地域があると。ヨーロッパでも企業のある地域と田舎のリモート(遠隔地)な地域、中国でも沿海部と内陸、日本でも工業地域とそうでないところの格差が出ているのが現状で、その地域の格差を埋めるのは地方分権ではなしに、中央集権というか、中央の活動がより期待されてる面があるというアンケートもフランスで出ていますので、そのような紹介もして、そのような議論を日本の政治はどのように反応するんですかというように、若干冷静というか、シニカルなスタンスということになろうかと思いますけれども、そのようなスタンスの報告をいたしました。
記者: 格差を埋めるのが中央集権?
知事: フランスの最近の調査で、格差を埋めるのが中央集権という期待が明らかに出ています。
このページのトップに戻る
関西文化学術研究都市高山第2工区開発計画について
記者:
高山の第2工区は白紙撤回だったですよね、地元は。それが今こういう形になったということで、地元の意識、随分変わってきたのですか?
知事: 地元の意識ですか?いや、まだよく知りません。あんまり反応が伝わってこないですから。まだ具体的な計画まで新計画はできていません。白紙撤回が撤回されて新しい見直しのステージに入ったということで、それも大変大きなことだと思います。白紙撤回のままでしたら、あの地域はそのままで、6割の土地を保有しているUR都市機構の土地の処分はもう全く不可能ですし、そういうのを現状維持するのもなかなか難しい状況が発生することについては、県の立場からも心配していました。広大な土地ですので、じゃあどうするかというのは、難しい話だとは思いますが、住宅はそんなに必要はないだろうという意向に一応同調した上で、ではどのような開発構想があるのかというを、複数の大学誘致を多少考えながら提示して、まだその中身を、そういう方向で検討するプロジェクトチームができるわけです。そのフィージビリティー(実行可能性)が具体的に立ち上がらないと、また「元の木阿弥」になる可能性もあるわけですけれども、こういうのはやっぱりやってみないとですね、まだ冷やかされてもやってみないといけないことだと思っています。
このページのトップに戻る
欧州評議会・地方自治体会議総会に出案件
知事:
格差は中央集権でできるとか、分権でできるとか、そういうものではないと思いますね。
私の意見ですけれども。それは、ヨーロッパみたいな社会民主的な政策でやるのか、あるいはアメリカみたいな競争政策、ミルトン・フリードマン{20世紀後半の代表的な経済学者・シカゴ学派、リバタリアン(自由至上主義者)}的な政策でやるのかという違いが大きいように思います。
グローバル化は自由主義、自由原理主義と言う人もいるぐらいですけれども、そちらの方で格差が発生してきていると思います。ヨーロッパの社会民主主義は、北欧は特にそうですけども、格差をつくらないようにというので、随分高率の税金を取って、中央政府が格差を埋めているのが現実です。地方分権で格差を埋めた国はないのではないでしょうか。証拠を見せていただければ参考にします、というぐらいの感じを私は持っています。
中央をどのように地方のために働かせるかというのは国の統治構造の大きな課題で、ヨーロッパの第二院というか上院は、大体のところが地方の代表が選ばれているんですね、国政の中で地方代表を選ぶということを統治構造の中に入れ込んでいるわけです。中央の国政の中で、地方代表という統治構造を入れないで、分権で地方の平等を図ろうという国は余りないのではないでしょうか、というのが今の私の見解です。
だから、地方分権をしてはいけないというわけではありません。地方分権の意味は、身近なところでいろんな細かい給付について、身近な主体が給付をするというのはとても大事な話だと思いますね。給付の格差をどうするのかというのは、地方がそれぞれにやれと言っているだけでは、なかなかいけないのではないかと思います。
司会: ほかにご質問はありませんでしょうか?幹事社さん、よろしいですか?
それでは、以上をもちまして定例会見を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
このページのトップに戻る
(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)