連休に入りましたが、天候がよく、散策に絶好の季節となりました。奈良は桜が散ってしまいましたが、若葉が青々と光り輝き、眼をなごましてくれると同時に、見る者に元気を与えてくれます。本当にすばらしい新緑です。
この休日に柳生街道を歩きました。柳生街道は奈良市から北東方向、柳生の里まで通じている能登川に沿った坂道です。急な坂道の連続で多少疲れましたが、川のせせらぎの音とうぐいすの鳴き声を木の葉を渡る風の音には、本当に癒されました。奈良にはすばらしい自然が身近にあります。
26,27日には、県庁前の広場と回廊それに文化会館前の広場を使って、(1)県庁芸能舞台(2)奈良うまいもの春のフェア(3)奈良アート・クラフト祭が同時に開催されました。
(1)県庁前玄関先を使っての、音楽・ダンス等の舞台は水準が高く、大勢の人に見ていただきました。東大寺などを見学したヨーロッパの人々が、ハワイのフラダンス(これがとっても上手でした)を長い間立って見ていました。見物の人々がとても楽しそうにしておられたのを見て感激しました。
(2)うまいもの展は販売している種類が少なかったですが、たいそうな人気でした。その横で、障害者の人々が作られたグッズやお菓子食べ物も販売していただきました。賑やかなところへ他の人々と一緒に出展、出品していただいたのはとても良かったと思います。
(3)奈良アート・クラフト祭は200程度の出展があったそうです。文化会館の前庭をこのような形に使うのは初めてのことですが、雰囲気の良い所で2日間とも夕刻まで大変な賑わいでした。
ヨーロッパの国々では市庁舎の前はたいがい観光名所になっており、市庁舎自体も有名な観光施設であることが珍しくありません。
奈良県庁は駅から奈良公園へ行く通り道にあり、環境もよくイベントを行うにはとても良い場所のように思えました。6月には県庁舎屋上の緑化工事も完成して、屋上から奈良の景色をゆっくり楽しんでいただけます。この夏も、県庁前での催しを楽しみにしていただけるようにしたいと思います。
(あらい)
4月20日(日)に楊潔篪(ようけつち)中国国務院外交部長がご来県されました。早朝から法隆寺訪問、唐招提寺の鑑真和上坐像のお参り、平城宮跡の朱雀門への立ち寄り、そして新公会堂での、私との会見式と昼食会へのご参加など、短い時間の間に多くの行事をこなしていただきました。その間、ずっと近くでお話などをさせていただき、その品の良さと学識の深さ、ご経験の厚みなどに触れさせていただきました。やはり、世界のトップレベルのご経験をされた方からは、多くのことを学べるものだと実感しました。
お名前の篪(ち)という字は、中国でも珍しい字だそうで、「楊氏が外交部長になられてこの字が有名になった」という話もあるようです。会見式の私の挨拶で竹と虎の字が含まれているお名前は、奈良にとって縁起がいいという話をしました。まず虎は、平城京の西に位置する信貴山の守り神で、平城京を守っているとされている、「東の青龍、西の白虎」の虎です。また、平城遷都1300年にあたる、2010年は寅(虎)年になります。また、竹は同じく、奈良の西に位置する生駒の高山でよく産し、高山の茶せんは全国の生産高の9割を占めています。このような名前を持たれた外交部長が西からお越しになったということは、奈良にとってとても縁起の良い方に違いないと申し上げました。
楊外交部長は、微笑んで聞いておられましたが、2010年の遷都1300年祭には、また奈良を訪れてみたいとおっしゃってました。また今回の来県の目的は、胡錦濤(こきんとう)国家主席訪日の際の下調べという意味もおありになるということも明かされました。中国の国家主席がご来県されるということは奈良県にとって大変名誉なことであり、心から歓迎申し上げたいと思います。
話題は変わりますが、先週の17(木)、18(金)日には、東京で道路財源確保のための、知事会等の決起大会がありました。全国の地方公共団体と地方議会の代表者たちは、国会がものを決めないことへの失笑と怒りをあらわにしていました。1日も早い関連法案の再議決を求める決議が採択されました。
わが県も、5月中旬までに再議決をしていただき、道路財源が確保されないと、県会で決めていただいた予算が執行できない事態が発生します。4月中は大きな発注を控えることで混乱を回避することができますが、ひと月を超えて税収が不足すると執行に困難が生じます。1日も早い再議決を望んでいます。
それと「道路特定財源の一般財源化」が話題になっていますが、私は、一般財源化に反対の意見表明をしています。道路特定財源の一般財源化とは、道路にだけ使うように徴収された税金が他の分野でも使えるようにすることですが、その結果、必要な道路が作れなくなるほど他目的に財源を回すことになるのか、それとも必要な道路を作ったうえで財源が余れば他の目的に使えるようになるのか、明確でないのが問題だと考えています。このような重要な問題の判断は、その意味する内容を相当きっちりと議論したうえで、国民の判断を仰ぐことが政治には必要だと考えています。
(あらい)
4月10日(木)には、海上保安庁を退職したばかりの海上保安官が、知事室を訪れてくれました。かつて、一緒に仕事をした有能な後輩です。退職の挨拶とともに、うれしい報告もしてくれました。
もう10年近く前のことですが、私が海上保安庁長官時代、米、露、韓、中の長官を集めて日本で初めて「北西太平洋海上警備機関長官級会合」を開催しました。その会合を米国のコーストガード(沿岸警備隊)の高官が覚えていてくれて、それを真似て近々、北大西洋でも同様の会合をするとの話があったと伝えてくれました。
彼が米国のワシントンへ出張した時の話です。ワシントンからの便りを有能な後輩が、わざわざ奈良まで運んでくれたのは感激でした。
4月11日(金)には、ミシュランガイドの執筆者が知事室を訪れてくれました。観光地を紹介する「緑のミシュラン」を編集されるとのこと、奈良の観光地に沢山の星がつけばいいのにと願うところです。
昨年の4月8日は、知事選の投票日でした。もう1年も経ってしまったのかと思ってしまいます。就任以来、無我夢中で走ってきましたが、幸い県庁職員の方々にも、よくついてきてくれて、ありがたいことだと思っています。これからも息切れをしないように着実に前に進むことができればと思います。
政治は本来地味な仕事だと考えています。先々のことを考え、いろいろな違う考えのある中で、最もふさわしいと思われる、これといった方向を決めて、責任をとっていく仕事ですから、格好だけではいけないと思います。足らないところは、人の知恵を借りて間に合わせるしかありません。公職の仕事はいくら人の知恵を借りても問題はないと思います。結果について、責任をとる必要があるだけです。
(あらい)
4月4日(金)に、奈良先端科学技術大学院大学、4月7日(月)には、奈良県立大学の入学式がありました。来賓として出席をし、祝辞を述べる機会をいただきました。その際、次のようなことを述べさせていただきました。
「人生の大事な時期に奈良で学ばれる機会を持たれて、喜ばしいことです。奈良では、学園の中だけではなく、時には奈良の地が長年つちかってきた、神気、霊気のようなものにも触れて、学問・研究のインスピレーションを得てください。例えば、平城宮跡の大極殿の前で、宇宙の気を吸い取ったり、春日大社の境内のささやきの小道を歩き、神のささやきを聞いたり、天気の良い日に山の辺の道を歩き、万葉の叙情と、牧歌をしみ込ませたりしていただければ、奈良での学びの意味が増加します。」
また、「学ばれる目標として、「素直な知性」をはぐくむことを心に留めてください。」とも付け加えました。日本の各地から来られて、人生の大事な時期に奈良で学ばれる意義が、なにかあればうれしいことです。
4月5日(土)は、久し振りの公務のない休日でした。天気も良かったので午前中に家を出て、山の辺の道を一人で歩きました。約6時間歩いて、天理から、大神神社までたどり着きました。途中、景色も良く、多くの歩いている人と出会いました。知事就任以来、このようなゆっくりとした、楽しい休日を過ごしたのは初めてのことでした。身体もほどよく疲れてその夜はぐっすり眠ることができました。
奈良には、まだ桜が咲いています。先週の日曜日の雨にも散らず、花びらを貯えている桜も多くあります。吉野の桜は、これからが見どころを迎えます。散りゆく桜も見にきてください。
また沢山の仕事が待っていますが、気分を一新して、取り組んでいきたいと思います。
(あらい)