県民の皆さまへ

県庁内での出来事など、その眼で見、体験し、感じたことを直接、私自身の言葉で県民の皆様にお伝えしていきたいと思っています。お読みいただいたご感想やご提案等は、どうぞ「県政の窓」へお寄せください。

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2008年9月25日

1.世界の金融危機
 先週の記者会見では、「アメリカのリーマンブラザーズの倒産の影響が、奈良にはどのようにありますか?」という質問がありました。

 ご案内のように、サブプライム問題が発生し、米国の証券業界はパニック状態で、世界中の資金が引き上げられていると聞きます。投資に向かうべき資金がアメリカに吸い上げられているというのです。その結果、「奈良が切望してきたホテルへの投資資金も、ままならない状況にあるのではないか?」という意味の質問だと思いました。

 金融の実態はよく分らないことも多いのですが、確かに、投資、特に回収率の遅い投資には、より慎重な態度であるように思います。バブル期に投資された地方のリゾート施設は、旅館がバタバタと倒産したことを思うと、慎重な投資行動は常に必要とは思いますが、奈良のように大きな投資が今まで行われなかった地域にも、世界の金融危機の影響はあるんだなということを実感しました。


2.奈良の金融事情
 奈良の金融市場の特徴を一言で言えば、貯金が多くて、投資先が少ないということのようです。銀行経営の概念で見れば、預金が貸出先を大きく上回ることになります。銀行の預貸率(預金高に対する貸出高の割合)は、通常6~7割で適正と言われるのに、奈良では4割台ということもあるようです。

 従って、他県で貸出先を探すか、国債などの債権で運用されるのだそうです。経済活性化を実現させ、奈良での貸出先を増やしていく必要は大いにあると思います。


3.天理中学・高等学校創立100周年
 記念式典に来賓としてお招きに預かり、ご祝辞を申し上げる機会がありました。創立された1908年頃は、日清、日露戦争が終わった直後で、戦勝気分があったと思いますが、そのような頃に人格教育を基本として、感謝の気持ちを建学の精神とし、中等教育の場を創建された先見性は立派なものだと思いました。

 今、奈良のみならず日本中で欠けている感謝の気持ちを養う教育を、今後とも末永く続けていただけるようご期待申し上げます。


2008年9月16日

1.「奈良の健康と教育」講演会

 奈良県の健康と教育の実情を県民の皆さまにお話しする機会がありました。
 「健康」では、奈良県内の平均寿命、健康寿命、要介護期間について、各都道府県と比較しながら、「健康寿命を延ばすのにはどうしたらいいのか?」講演しました。
 ウォーキングを始め適度な運動は、生活習慣病を予防し、健康寿命を延ばす効果があります。
 皆さんが、運動を習慣として、元気で長生きしてもらうことを心より祈念しています。
 「教育」では、奈良県内の子どもと大人の教育、学習実情を話しました。
 まず、子どもについては、大学・短大への進学率、学力、生活習慣、地域での活動や行事への参加状況を各都道府県と比較しながら話しました。
 規範意識を高めるためにも、子どもの地域活動への積極的な参加を期待します。
 また、大人については、県内の公民館、体育施設、文化会館等の施設の状況や地域の講座、教室等への参加状況について話しました。
 多くの方々にスポーツや文化講座などに参加していただき、そこで得られた知識等を自分だけにとどまらず、地域で生かしてもらえることを期待します。


2.長寿者訪問
 例年のごとく、奈良県最長寿者の津田アキヱさんを訪問しました。
 110才になられています。明治30年生まれですので、日清戦争の時のお生まれです。
 私のおばあさんは20年以上前に、おじいさんは30年以上前に亡くなりましたが、明治28年、29年の生まれでした。
 おじいさん、おばあさんはずい分昔にあの世に行かれたと思っていましたので、同い年の方が今も生きておられるのは、すばらしいことだと思いました。
 皆様も身体に気をつけて、ご長命記録に挑戦してください。

 

3.平城遷都1300年記念事業推進議員連盟
 9月11日に、森喜朗元総理に会長を勤めていただいている平城遷都1300年記念事業推進議員連盟を自民党本部で開いていただきました。私も出席して、平城遷都1300年祭のこれまでの進み具合と、これからのお願いを申し上げました。
 特に今回は、平城遷都1300年記念事業を閣議了解の対象としていただくお願いをし、その旨議連の決議としていただきました。
 まったく前例のないことなので、相当難しいことと思われますが、森元総理は、議連の会議に出席された各省の人々に向って、「初めてのことをするのが君たちの役割りだ」と言われ、大いに応援をしていただきました。ありがたいことだと思います。大いに感謝申し上げる次第です。
 また、各省の関係者の方々には、これまでも本当にお世話になってきました。立派なお祝いができるように頑張りたいと思います。


4.奈良ゆかりフォーラム
 9月13日に、東京三宅坂ホールで奈良ゆかりフォーラムを開催しました。
 平城遷都1300年祭の事前イベントのひとつで、薬師寺の村上執事長のご講演と平城京とゆかりのある市の市長さんのお話とともに、せんとくんファミリーがパフォーマンスをしました。
 500人を超す人々に集まっていただきましたのは、正直嬉しいことでした。
 お話いただいた4市の市長さんと奈良とのゆかりは、福岡県太宰府市は、「大宰府政庁」が、置かれていたところ。大宰府政庁は「都府楼跡(とふろうあと)」の名で親しまれ、7世紀の後半から、わが国の西の守りとして防衛を、また外国との交渉の窓口として重要な役割を果し、また、万葉集ゆかりの大伴旅人や山上憶良が住み、多くの万葉歌を残しています。
 香川県三豊市は、持統天皇が694年に造営した日本で最初の瓦ぶき宮殿「藤原京」へ瓦を供給した瓦窯跡があるところです。
 東京都国分寺市は、741年に聖武天皇の詔により建造された全国の国分寺でも最大級の規模を誇る国分寺があったところです。
 宮城県多賀城市は、724年に国府「多賀城」が置かれ、東北地方全体を治め、また、奈良時代前半に鎮守府が併置されました。
 いずれの市も、奈良とゆかりのある史跡を生かしたイベントなどを実施されています。
 2010年には、これらの奈良にゆかりのある市と連携して、大きな祭りを実施出来れば良いなと思いました。


2008年9月8日

1.東京の情報発信新拠点が見つかりました

 東京の三越日本橋本店前の正面のよいところに、奈良の情報を新たに発信する候補地が見つかりました。
 中央通りに面しているビルの1階、2階部分で、9月2日に下見に行ってきました。
 平城遷都1300年祭を中心とした観光情報の発信、奈良の旬や奈良ならではのホンモノを東京でも味わってもらえる展示・イベントの開催、県産物の販売展示、などを行うつもりです。
 平城遷都1300年祭を控えて、本当によいところが見つかってよかったです。
 奈良のよい味をハイセンスな東京日本橋で発信、展開していきたいと思います。

 

2.奈良県戦没者追悼式

 例年のごとく、先の大戦でなくなられた奈良県出身の2万9千余柱の戦没者の方々の追悼式が、9月3日奈良県文化会館で行われました。
 改めて、先の大戦の残した傷跡の深さと、長さを思い知らされます。遺族の方々が献花されるのをそばで拝見すると、父親であったひとは、ご子息に似た人だったのかなぁと思ったりしますが、父親であった戦没者は、若くして亡くなっておられるので、年をとってからの面影を重ねるのは無理があるとも思ってしまいます。
 ある月刊誌で、「新東京裁判」という特集をしています。あのような無謀な戦争が、誰のせいで起きてしまったのか。東京裁判で裁かれていない部分を有識者の方々が議論されています。
 奈良県は、2010年には平城京遷都1300年 のお祝いをいたしますが、この1300年の歴史を振り返っても、国外に軍隊を送った例は、白村江の戦いと秀吉の出兵と先の大戦位です。いずれも、惨たんたる結果に終わっています。
 戦没者の御霊が、安らかになるためにも、戦争原因の追究は、息長く、じっくりとしていく必要があると思います。

 

3.奈良県警察官慰霊祭

 同じ週、9月5日に、奈良県警勤務中に殉職された方々の慰霊祭が新公会堂で行われました。
 明治以降の殉職の方々全ての慰霊ですが、殉職の理由にも時代の変化があるようです。
 明治時代から戦前までは凶徒の刃に倒れたという例があるのに対し、戦後は交通事故で亡くなられた方が多くみられます。
 公務中に一家の大黒柱を失われたご家族の悲しみが痛いほど伝わってきました。


2008年9月1日

奈良県内市町村の行財政困難をどう立て直すか

 県内39の市町村の平成18年度決算における経常収支比率は、市100.1%全国ワースト1、町村98.3%で全国ワースト2です。どうしてこうなったのか、それを立て直すにはどうすればいいのか。市町村と県は、それぞれ独立した地方公共団体ということであっても、県として無関心ではおられません。

 8月28日(木)に各市町村にお声をかけて、天川村で一泊どまりの勉強会を開きました。生駒市と橿原市と三宅町以外の36市町村長にお集まりいただき、有意義な会合となりました。

 地方の財政学を専門分野とされている関西学院大学の小西砂千夫教授と高知県安芸市から来てくださった松本憲治市長がメインスピーカーでした。どちらもすばらしい話をしていただきましたが、特に松本安芸市長は、私も含めて参加者の皆様に大きな感銘を与えたと思います。

 安芸市は高知県の東部にある、阪神タイガースが春季キャンプをすることで有名な人口2万人強の市ですが、大変な赤字と公債残高で瀕死状態の自治体だそうです。松本市長が市政を引き受けられてからの奮闘ぶりが、話の主な内容ですが、特に市の徴税率を上げるために、(1)訪問督促はしない(2)法的措置に訴えて、差し押え、公売を多く行う(3)滞納者の多くは財産があるのに税金の他、住宅家賃や水道料なども払いがない状態で、差し押え物件は、高級自動車などが中心であった、などの経験を述べられました。市の職員数も任期7年の間に、398名から288名に減らされたとのこと、あらゆる手段を講じて借金返済に奮闘努力されたのが良く分かりました。

 両氏の話の前に、私は、県内市町村の平成18年度決算に基づく財政状況の資料説明をいたしました。全体として経常収支比率が全国ワースト1とワースト2であることは、述べましたが、徴税率もワースト7位です。県民の貯蓄高と県民所得は全国でも上位なのに不思議なことです。県内市町村別の徴税率も優秀な99%の村と、80%の町と20ポイントの差があります。優秀な自治体は(1)上北山村99.5%(2)下北山村99.4%(3)明日香村98.6%などですが、成績不良な市町村は(1)平群町80.2%(2)御所市81.6%(3)曽爾村87.0%(4)高取町87.2%(5)(6)葛城市と宇陀市87.4%などです。

 県の財政状況も良くないですが、県内市町村の財政が全国一悪いことは、大いに問題です。

 県内の市町村長とは、その夜も熱心に議論を重ねましたが、県内市町村の財政再建に向けて有意義な1日であったと思います。天川村の車谷村長さまには、会合の設営などについて数々のご配慮を賜りました。感謝を申し上げます。今後とも県と市町村は手を携えて行財政の改革にまい進しなければいけないと思いました。



奈良県のへき地医療問題をどう克服するか

 奈良県南部の人々の最大関心事は、医療サービスだと思います。奈良県地域医療等対策協議会でも、へき地医療部会を設け、奈良県のへき地の医療サービスの維持の方法を検討しています。今まで、奈良県へき地に勤務されてきた自治医大出身者の方々を中心に、へき地の医療サービス維持のため、本当に頑張ってきていただいています。そのような方々の次の担い手をどうするかが、大きな課題となっています。また、へき地の診療所は、他の医療機関がないため、患者さんが多く、勤務されるお医者さんが疲れ切ってしまわれるのが、問題となっています。

 先日、8月29日(金)に、十津川村で「星降る夕べに医療を語る」と銘うって、へき地医療のワークショップを開催しました。私も一泊して参加しましたが、参加者の方々は、医学生、病院関係者、地域医療に関心のある方々など、100名を超え感激でした。また、語り手として、地域医療等の懇談会でお世話になっている、伊関友伸先生とともに、へき地医療の実践を長野県で50年以上もされてきた佐久総合病院の松島松翠先生もわざわざ佐久市から来てくださりました。松島先生のお話は、とてもすばらしく、私も含めて参加者に深い感銘を与えていただきました。

 奈良県としては、現地へ参集してのこのような企画は初めてのことで、担当者も心配はあったと思いますが、大変盛り上がった意義深い催しになりました。私も、へき地医療をしっかりやるぞという気合が大いにわき上がりました。医学生の人達には、是非奈良へ来て、働いていただきたい旨もお願いいたしました。

 十津川村でのもうひとつの収穫は、十津川村の中心的な診療所であり、村役場の隣に立地する十津川村国民健康保険小原診療所を訪問し、施設を見せていただくとともに巳波所長にお目にかかったことでした。まだお若い元気な医師でありますが、本当に沢山の人が毎日来られるのと何でも一人で行わなければならないということで、本当に大変な勤務だなと思いました。改めて、へき地医療従事者の大変さを実感させていただきました。

 本ワークショップに参加していただいた方々、ご支援していただいた方々には心から感謝を申し上げます。